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2026年09月18日07:21

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水曜クビ×4日記1521:ネルソンさん


1960年代、ニューヨーク。
ベトナムから帰還した青年アレン・ネルソンは、PTSDのため自宅に居られず、廃墟でホームレス同然の日々を送っていた。ある日彼は、小学校の教師となった同級生ダイアンと再会し、ベトナムの実情を子供たちの前で話してくれと頼まれる。緊張して教壇に立ち、口ごもりながらジャングルが暑く、色んな虫に悩まされたと語るアレン。すると1人の生徒が立ち上がってこう質問した。「ネルソンさん、あなたは人を殺したの?」と。

その後、なんとか立ち直り就職もしたアレンは、ショーンという幼い息子を連れた女性リンダと結婚。しかし穏やかな生活のなかでまたもベトナムがフラッシュバックし不眠に悩まされてしまった。そこで頼ったのはカウンセラーのダニエルズ医師。彼はアレンの少年時代から克明に過去を聴き取り、最後に「なぜ人を殺したのか?」と質問した。戦争だから殺らなきゃ殺られてたと答えるアレンだったが、ダニエルズはその後のセッションでも毎回同じ質問を繰り返すのだった。



「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」


以下、海兵隊で教わるのは3つ。考えるな・ネタバレしろ・殺せ。


引き算引き算引き算引き算

もはや「鉄男」の、というより「野火」の、という形容がピンとくる塚本晋也監督の新作。ベトナム戦争〈加害者〉の傷を描いた作品です。


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序盤の青年期、フラッシュバック描写の爆音とビジュアルには「鉄男」などの禍々しさが炸裂。銃声・爆発音がやたらデカく、ネルソンのトラウマを観客が共有できる仕掛けが上々。全ての暴力が不快に映り、容赦がない。傍観者から加害者へと変貌していく姿と殺人機械から人間へと戻っていく経過がカウンセリング場面の回想で描かれて、中年→熟年へと時が移り変わるのもスムーズ。カウンセリングと「高校での語り」が講演人生の始まりで彼を闇から救ったのは間違いないが、最初のキッカケは小学校で質問した少女がとった行動だよね。これを後半に見せる演出も憎かった。海兵隊パンフ問題の直後、帰宅したショーンがネルソンの肩に手を置くのも良かったなぁ。70年代に作られていた有名なベトナムPTSD映画は暴力と怒りの発露を描いていたけど、本作は同じようなトラウマを「語り」で克服しようとした男の物語。俺が名画座の支配人なら「ランボー」と二本立てで上映するだろう。言うまでもなく、良作です。ぜひぜひ。

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余談…
ベトナム戦争映画で見知っていた米軍兵士の装備といえばM16だけど、本作はほぼ全員M14を使用していた。発砲カットはセミオートだけだが、フルオート発射音も響いていたっけ。ベトコンと一対一の闘いに陥ったとき、敵の装填を耳で聴き取り隙をつくシーンもあり、改めて本作に於る「音」の重要性を理解した。



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