2026年第24回K-POPシリーズ <意志を剥き出しにする5人 —— LE SSERAFIM、恐れを知らぬという選択 > 最終第5回 ホン・ウンチェ編
日韓5名からなるグローバルアーティストのLE SSERAFIMのメンバー個人個人を解剖するシリーズ 最終第5回はホン・ウンチェ編である。彼女がグループに果たした役割を紐解きながら個の成長を見ていく。最初に第1回に特集したKAZUHAのニュースである。
<ニュース KZAUHAが資生堂のミューズに就任する>
2026年9月7日付、化粧品メーカー大手資生堂から「マキアージュ」の新ミューズに起用された。新ブランドメッセージは「あなたには、世界を美しくする力がある」、KAZUHAのまっすぐ伸びた背筋が際立たせる凛とした姿勢と、そこから立ちのぼる気品は、「マキアージュ」の新たなイメージにぴたりと重なっていた。化粧品ブランドの掲げる現代的な女性像とも響き合い始めている。
第1章 「IM FEARLESS」から始まった5人の輪郭
EUNCHAE(ウンチェ) —— 最年少が示す、等身大の現在地―。
2006年11月10日生まれ。LE SSERAFIMのマンネ(末っ子)であるウンチェは、デビュー当時まだ15歳だった。小さな顔立ちに大きな瞳をたたえ、頬を緩ませれば、張りつめたパフォーマンスの最中にも等身大の少女らしいあどけなさが残る。一方で、場の空気に自然に溶け込み、人との距離を軽やかに縮めていく対応力は、グループの内外をつなぐ役割にも通じていた。最年少として親しまれながら、さまざまな場面で自らの見せ方を変えていく。表現者として歩みを重ねる彼女の現在地に迫っていく。
• (1) 親しみやすさが育てた“マンチェ”という存在
• (2) 身体性が語る、パフォーマーとしての伸びしろ
• (3) 等身大のラグジュアリー――ブランドが映した新しい表情
• (4) パリで見せた静かな成熟
• (5) 少女らしさと表現者の輪郭が交わる場所
• (6) LE SSERAFIMに呼吸の余白を与える最年少
写真25 鏡の前で自撮りするウンチェ
(1) 親しみやすさが育てた“マンチェ”という存在
ウンチェは、対外的な印象形成にも早くから関わっていた。2023年2月10日、16歳3ヶ月にして、韓国のKBS「ミュージックバンク」のレギュラーMCに抜擢されている。飾りすぎず、和気藹々と出演者とトークする姿は、視聴者からも好評を得た。K-POP界隈では、LE SSERAFIMのマンネ(末っ子)のウンチェを意味する「マンチェ」の呼び名でも親しまれている。
KBSは、ウンチェの打ち解ける性格から新たな企画を打ち出した。2024年を中心にYouTubeを通してMC番組「スター日記」が配信された。かしこまったステージとは一転して、ゲストと本音を語り合うコンセプトにあわせて、プライベートな空間が用意されていた。aespaのカリナやITZY(イッチ)のリュジンを含め、綿の詰まったぬいぐるみを抱えながら、互いに向き合う。出演者は、ウンチェの笑顔に癒され、和やかなムードで包み隠さずに私生活を語った。そうした柔らかな一面を見せる一方で、ひとたびパフォーマンスの場に立つと、その印象は大きく変わる。
写真26 スター日記の一幕 ウンチェとカリナの2ショット
(2) 身体性が語る、パフォーマーとしての伸びしろ 日韓での始球式にて
ウンチェの成長を語るうえで見逃せないのが、身体の使い方である。日々のダンスを通して体の軸が定まることで、バランス感覚を養った。すらりと細長く伸びた体の重心を適切に分散させながらステージに立つ。
プロ野球の始球式に登場した際、身体性がはっきりと現れていた。
2026年8月5日、千葉マリンスタジアムのマウンドに立った。彼女はキャッチャーミットを確認すると、左足を曲げて踏み込む際、背筋がピンと張る。右手に握った硬式球は、やや早い段階で離してしまった。ゴロの状態で転がってしまったとはいえ、にこやかな笑みを見せた。観衆から送られた拍手に応えるかのように、グラブを膝元に置いたまま、お辞儀をした。ダンスで培われた身体の軸を思わせるフォームだった。
写真27=2026年8月5日、千葉マリンスタジアムのピッチに立つウンチェ
8月29日、今度は韓国のプロ野球の公式戦にて始球式を務めた。舞台は斗山ベアーズ 対 キウム・ヒーローズのゲームが行われるソウルの蚕室野球場である。主催する斗山ベアーズの白一色のユニフォームを着用し、ピンクのグラブをはめた。
千葉のマウンドに比べてキャッチャーミットとの距離を意識して縮めていた。投げた球は、山なりの軌道を描いて、見事にキャッチャーのグラブに収まった。バッターの空振りによるストライク判定。投球ポジションに駆け寄ってきた捕手を出迎える形で、握手を交わすと、観客に手を振りながら、速やかに去っていった。
番組MCとして他のアーティストと打ち解ける軽やかさは、短い始球式の所作からも垣間見えた。マスコットにエスコートされ、マウンドに向うまでのステップを踏むような足さばき、投球ポジションに立つ仕草には、リラックス感が漂う。芸能の枠を超え、スポーツの場でも自らを舞台に適応させる。対応力の高さは、個人で活動する際にも生かされていく。
(3) 等身大のラグジュアリー――ブランドが映した新しい表情
成長に合わせて、ブランドメーカーとのタイアップも実現した。大人の女性らしく、すらりとした体躯は、日々のストイックな練習量を如実に現していた。2025年11月14日(金)東京都渋谷ストリーム・ホールにて、年に一度の香水の祭典「FRAGRANCE DAY 2025」にゲスト出演した。マンチェの愛称のとおり、清純さに加えて、愛嬌のある彼女は、フレグランスブランド「ヴァシリーサ」のコンセプトを体現していたのである。「ヴァシリーサ」はギリシャ語で「女王」を意味し、2013年の誕生以来、甘さと気品の両立を打ち出してきた。フレグランスの香りを彷彿とさせる純白のワンピースに身を包んで壇上に上がる。「きょうは皆さんにお会いできてうれしいです」と挨拶した。
写真28=商品を手に壇上に立つウンチェ
香水をつける時をたずねられた際、日課としては朝方、また仕事で大切なときだと打ち明けた。ウンチェ節といえるほど、笑顔で声の調子を変えながら語る。広報の撮影時には、きりっとした表情でカメラの前に臨んだ。19歳を迎えるにつれて、デビュー時と同じく人々の懐に飛び込むようなあどけなさに、芯の強さが加わり、表情を的確に使い分けていた。
(4) パリで見せた静かな成熟
そして2026年3月10日、フランスのパリで開催されたCourregesのショーに招待された。オールホワイトルックで、フロントロウに着席した。細い二の腕を露出し、腰廻りを帯できつく締めると、着席しながらも引き締まったプロポーションが衣装越しに浮き出る。手元に置いたバッグもホワイトにそろえた。白亜のように静謐で気品のある姿は、一幅の絵のようである。彼女の内面の柔らかさまでにじみ出るような、華やぎがあった。
写真29 パリでの記念ショット
(5) 少女らしさと表現者の輪郭が交わる場所
2026年9月1日にインスタグラムに公開された一枚は、彼女の現在地を象徴していた。白いキャミソール姿で床に寝そべり、カメラを見上げる。ラフな姿勢の中にも、床に広がる髪や視線の置き方には自己演出の意識が通っていた。
写真30 インスタ公開に向けて自己演出した1枚
他にも個性的な写真が投稿されている。視覚的インパクトが強いのは7月8日に公開されたプライベートを彷彿とさせる1枚である。目深に麦わら帽子をかぶり、草むらに敷かれた歩道でワンピース姿のまましゃがみ込む。
膝を直角に曲げ、サンダルを履いた足元まで画面に収めている。夏のひと時に、ふらりと出歩いたような無邪気さを感じさせた。
一方、7月18日に投稿された一枚では、素顔を隠すことで表現の方向が大きく変わっていた。舞台は街中のアスファルト道。白黒に設定し、雨の中で屋外に立つ。パーカーで顔を隠し、厚手のソックスを合わせている。意図的に引いたアングルから撮影することで、暗い背景の中に脚のラインが浮かび上がる。
写真31 インスタに公開された雨の中の1枚
場所、構図、アングル、色調まで変えながら、その場に応じた自分の見せ方を選んでいた。ウンチェの自己プロデュース力は、こうしたSNSの一枚にも表れている。
香りを語る穏やかな声、始球式で見せた屈託のない笑顔、リズムをとるための足裁き。アイドルとモデルの両立を図る彼女は個性を伸ばしていた。マンチェと呼ばれる愛嬌に大人びた雰囲気が加わり、グローバルな舞台でも存在感を発揮した。
(6)LE SSERAFIMに呼吸の余白を与える最年少
YUNJINが可変性と自己再編集によって個性を切り開く存在だとすれば、ウンチェは等身大の親しみやすさを保ちながら、場面ごとに自らの見せ方を変えていく。
KAZUHAのバレエで鍛えられた垂直性と抑制の美学、SAKURAのアイドル経験から培われた視線の設計力。それぞれの身体や経験から生まれた固有の表現である。
一方、リーダーを務めるCHAEWONは、場を和ませる素質を生かし、調和をもたらす。異国で育ったYUNJINには、越境的な感性がある。格メンバーが異なる質感を持つからこそ、互いに補完し合い、グループ全体に厚みと奥行きが生まれている。その多様性が、国境を越えて人々を惹きつける駆動力になっていた。
EUNCHAEは、その輪の中でセルフプロデュース力を磨きながら、人懐っこい性格を生かして「呼吸の余白」を与え続けている。個々の能力が一つのフォーメーションに収束したとき、LE SSERAFIMのコンセプトである「恐れ知らず」の強い女性像が立ち上がる。ルーツの異なる5人がオーディションで結ばれたグループは、多面性そのものを武器に、これからも活動を続けていく。
写真32 LE SSERAFIM 2026年9月11日 公式パフォーマンスフィルム
メンバーの役割表(写真32の左から順に記載)
• EUNCHAE → 呼吸の余白
• YUNJIN → 可変性・自己再編集
• CHAEWON → 調和
• SAKURA → 視線の設計
• KAZUHA → 垂直性・抑制
• 5人 → 相互補完・グループの厚み
出展先一覧
EUNCHAE(ウンチェ) —— 最年少が示す、等身大の現在地―。
写真25 鏡の前で自撮りするウンチェ 掲載元 Xアカウント
EUNCHAE CENTRAL 2026年8月5日午後2時11分付
https://x.com/EunchaeCentral/status/2084869977698673090
(1)親しみやすさが育てた“マンチェ”という存在
参考リンク 詳細 Kstyle 2023年2月11日15時44分付
https://kstyle.com/article.ksn?articleNo=2211490
写真26=スター日記の一幕 ウンチェとカリナの2ショット 掲載元 KPOP monster
https://www.kpopmonster.jp/?p=156962
(2) 身体性が語る、パフォーマーとしての伸びしろ 日韓での始球式にて
写真27=2026年8月5日、千葉マリンスタジアムのピッチに立つウンチェ 出展先:スポニチ 同日18時20分付記事 撮影者:長久保豊
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2026/08/05/articles/20260805s00001173308000c.html
(3) 等身大のラグジュアリー――ブランドが映した新しい表情
参考リンク毎日キレイ
https://mainichikirei.jp/article/20251120dog00m100015000c.html
PR TIMES 2025年11月16日付
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000152692.html
写真28=商品を手に壇上に立つウンチェ 掲載元 FRAGRANCE DAY2025オフィシャルホームページより
https://media.fits-japan.com/fragranceday2025
(4) パリで見せた静かな成熟
写真29 パリでの記念ショット 掲載元 STAR NEWS 2026年3月13日付
https://www.starnewskorea.com/ja/star/2026/03/13/2026031308395532706
(5) 少女らしさと表現者の輪郭が交わる場所
写真30 インスタ公開に向けて自己演出した 1枚 掲載元 モデルプレス 2026年9月2日付
https://mdpr.jp/photo/detail/20436453
その他 インスタに公開された少女らしさを感じさせる1枚 掲載元 ウンチェ インスタグラム 2026年7月8日付
https://www.instagram.com/p/DahkYdEkUd1/?hl=ja&img_index=1
新浪新聞 2026年7月8日付
https://www.sina.cn/news/detail/5318439511002310.html
写真31 インスタに公開された雨の中の1枚 掲載元 ウンチェ インスタグラム 2026年7月18日付
https://www.instagram.com/p/Da7WjKpkbva/?hl=ja&img_index=1
コピー先 Xユーザー drip 2026年7月18日午後6時13分
https://x.com/_smilesilver/status/2078397489628238250/photo/1
(6)LE SSERAFIMに呼吸の余白を与える最年少
写真32 LE SSERAFIM 2026年9月11日 公式パフォーマンスフィルム 掲載元 オフィシャルX 2026年9月11日 午後0時
https://x.com/le_sserafim/status/2098245254256410763
以下過去のシリーズ 第1回から第4回
第1回 KAZUHA編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992670050&owner_id=32437106
第2回 SAKURA編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992704104&owner_id=32437106&from=list_diary_title
第3回 CHAEWON編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992730966&owner_id=32437106&from=list_diary_title
第4回 HUH YUNJIN編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992802446&owner_id=32437106&from=list_diary_title
以下 ウンチェのスター日記に関連作品
2026年K-POPシリーズ 第10回 2026年5月22日付「意志を研ぐ表現者たち —— ITZY、その身体表現の深層」3部作シリーズ 中篇
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992207127&owner_id=32437106&from=list_diary_title
綾瀬はるか、ボディコン風衣装で登場「バブル時代と今の感じも採り入れ、いい感じを探りながら」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=8947449
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