2017年11月。東京港区海岸署管内で男の刺殺体が発見される。被害者は白石健介、良心的で評判の良い弁護士だった。彼の携帯着信履歴から愛知に住む倉木達郎という人物が浮上し、警視庁捜一刑事・五代が聴取に向かう。倉木は遺産相続の件でたまたまネットで見つけた白石弁護士に電話相談しただけと話すが、ほどなく事件前日に2人が会っていた防カメ映像が見つかり、観念したのか殺害を自供した。
広告代理店勤務の青年・倉木和真は、父・達郎が殺人容疑で逮捕されたと聞きショックを受ける。達郎は白石殺害の動機は「1984年の事件」の件で責められたからだと供述している。1984年、達郎は金融ブローカーを殺害しており、冤罪で逮捕された福間某が獄中自殺していた。福間の遺族に贖罪としてカネを渡したかった達郎は、その手配のため白石に相談したものの、逆に白石から当時の真実を明るみに出すと迫られたらしい。いきなり父親が2件の殺人を自供したとは信じがたい和真は、同じく供述調書に疑念を抱く女性と知り合った。それは白石美令…殺された白石弁護士の娘であった。
「白鳥とコウモリ」
以下、白鳥とネタバレ。




加害者家族と被害者遺族が共に真相を追い求める東野圭吾原作のミステリ。ジェネリック江口洋介な松村北斗と目が大きな今田美桜が主演。2人の緩衝材的な捜一刑事を演じるのは柄本佑。冒頭の電車で現場に現れるシークエンスはなんかリアルで良かったな。「家族」を描く小津映画(麦秋)を好み、オフのスタイルはまるで浪人生のよう。そんな彼が所轄署の刑事とコンビを組んで地方に出張という展開が「砂の器」を思い出させる。刑事ものオタクには、柄本佑周りのシーンだけで結構おなかいっぱいであった。
もちろんメインのミステリ部分も完成度が高く楽しめるのだが、加害者家族の受けるツライ仕打ち部分はあっさりしすぎでダメージを感じさせないのがやや難だったか。この手の話は主人公がハッピーエンドでも誰かがバッドエンドになるので爽やかには終われない。ゆえに和真と美令のラブ要素は不要に感じたな。不要と言えば、あるキャラがサディスト(あるいはサイコパス)でした、という弁護士の報告って要る?俺は要らないと思うんだがなぁ。
三浦友和、風吹ジュンも良かったな。ただ俺たちは1984年頃の友和さんを「西部警察」で知っているわけで、そのイメージと井之脇海との乖離具合は大変な違和感であった。
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