パリ…
精神科医リリアン・シュタイナーはアメリカ人の熟年女性。夫ギャビと離婚し、息子ジュリアンも独立し子供ももうけている。住居兼診療室であるアパートで騒音に悩まされていたある日、彼女は約束していた患者ポーラにすっぽかされ、予約外でやってきた患者ピエールを部屋に入れた。禁煙したいという目的でかかっていた神経症のジェームズは、催眠術師グランジェのとこに行ってみたら一発で禁煙できたという。これまで何年もかかっていたのに効果がなかったとリリアンを責める態度だ。もう来ねぇよと去っていくピエールを見送ると、ポーラが亡くなったという知らせが……
「プライベート・ケース」
以下、事件の鍵は患者のネタバレ領域にある。




ジョディ・フォスター主演のフランス映画。悪態つく時や独り言、恩師に相談する時以外のほぼ全てフランス語です。フランスのキャスト陣に違和感なく溶け込んでいるし、皺が多くてもスタイルが良く、セックスアピールがあるのもさすがだなと思わせますね。脇もダニエル・オートゥイユ(あるいは裏切りという名の犬)、ビルジニー・エフィラ(急に具合が悪くなる)、そしてマチュー・アマルリック(007慰めの報酬)と凄い豪華。こじんまりしたミステリ映画には贅沢が過ぎるのですが…
中身が、どうにも…
「患者の死を他殺と疑い素人探偵となった精神科医が見つけ出す意外な真実…」
…みたいな映画を想像していた皆さん、ご愁傷様でした。実は本作、
「ろくに患者の話に耳を傾けてなかった精神科医が態度を改めてついでに元旦那とヨリ戻す」という話でした。
大山鳴動して鼠一匹どころか震度1だった、みたいなもんで、「なあんだ」で済むお話なのです。ミステリによくあるスカシの技法ですけど、期待外れのガッカリ感は否めなかったかなぁ。
ましかし、自分に自信がなく過去に傷を抱えていた精神科医がトラウマを乗り越えていくまでの通過儀礼話、と捉えたらまぁまぁ面白いのかも。音楽使いも洒落てるし、大人のデート映画には最適です。ちょっとコメディ入ってるしね。
劇中出てきたドイツ語の「キンダー、トート」kinder,todは英語ならチャイルド、デスになるのかな。英語の「死ぬ」はダイだけどドイツ語の「死ぬ」はステルベン。英語のデス、デッド、ダイの語感が似てるのに、ドイツ語って全然違うのね。「当直してたら患者がステった」なんて感じで、ステルベンは医療現場では馴染みのワード。しかしトートは知らなかった。
…そう考えると皆様、トートバッグって何かちょっと怖くならない⁈
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