<Wカップ2026北中米大会企画(7)激闘!ノルウェー代表ハーランドの戦い>
前回 企画(6)父の時代から続く空白の先へ――ハーランドとノルウェー代表の帰還。
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前々回 企画(5)日本代表について
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7月14日(火曜日)史上最大規模となったWカップは、連日熱い戦いが繰り広げられている。中でも人々の記憶に印象付けたのはノルウェー代表のハーランドだった。身長195cm、体重94kgの彼は、ゴール前でどっしりと構える典型的なセンターフォワードのタイプである。1994年アメリカWカップに出場した父アルフ=インゲの背中を追い、クラブレベルでの圧倒的な得点力から、「怪物」と恐れられてきた。2026年北中米大会にて、代表チームの一員として活躍する。ハーランドを中心にノルウェー代表の戦いに迫っていく。
目次
・ノルウェー 対 ブラジル戦レポート
・ノルウェー 対 イングランド戦レポート
・まとめ ノルウェー代表チームの帰国 イングランド戦の不運
<ノルウェー 対 ブラジル>
舞台は米国ニューヨーク都市圏ニュージャージー州イーストラザフォードにあるスタジアム(注.1)である。過去両国における国際Aマッチでの成績は、ノルウェーが2勝2分0敗で勝ち越している。センターフォワードのハーランドに対して、ブラジルの対応力が問われた一戦だった。
注.1:スタジアムのネーミングライツは、米国ニューヨーク州に本社があるメットライフが獲得している。FIFAの規約上、スタジアムの企業名は非表示の決まりがある。したがって大会では「ニュージャージースタジアム」と表記されている。
注.2:前半メインスタンド側から見て右から左に攻めるのがノルウェー。
写真� .離襯ΕА次‖弌.屮薀献訐錣良杰悄〃悩楔機‘�刊スポーツ ワールドカップ2026 写真ニュースより
https://www.nikkansports.com/soccer/worldcup2026/photonews/photonews_nsInc_202607060000153-7.html
立ち上がりからノルウェーが、出足が早く果敢にプレッシャーをかけていく。早くも3分、先制のチャンスをつかんだ。ウーデゴールが右からあがっていくセルロートを狙ってスルーパスを出した。セルロートはダニーロのチャージを受けながら持ちこたえ、マイナス気味にクロスを送る。ペナルティーキックポジション付近からベルグが、右足のインサイドで狙い済ましたシュートを放った。GKアリソンの手はまったく届かず、鮮やかに右ネットを揺らした。判定はオフサイド。クロスを送ったセルロートがわずかに最終ラインより早く前に出でいたのである。ノルウェーは、予想に反してアグレッシブに入っていた。前半開始受身に回っていたブラジルは、逆襲に出る。前半9分、ブラジルはクーニャが、足にボールを引っ掛けようとしたアイェルに進路妨害され、躓いて倒れた。主審はすかさず笛を吹いた。ゴールに直接つながるPK判定についてはVARの対象になる。主審は、メインスタンドの外に設置されたヴィデオ映像を検証した末に、ブラジルにPKを与えた。一連のクーニャが倒されたプレーから4分後となる前半13分、PKのキッカーを務めるのは2ボランチの一人ブルーノ・ギマランイスである。ステップを踏み、右足を振りぬいた。右ネットに向うボールを、瞬時に左方向に飛んだGKニーランが、両手でサイドの方向にはじき出した。
写真�◆�GK ニーランのPKストップシーン(遠めから)出展 AFP BBNEWSより
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=1&pid=doc-B9BN6TE_1_4430599_preview
写真�� GKニーランのPKストップシーン(ゴール裏から) 出展:AP通信 掲載元 スポニチ 2026年7月6日午前5時52分付
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2026/07/05/articles/20260706s00002009065000c.html
開始早々熱を帯びたゲームは、落ち着きを取り戻す。ノルウェーがパスを細かくつなぐ中、ブラジルはリスクを犯さず、カウンターの機会をうかがう。
23分、ノルウェーの左サイドのヌサからクーニャが右足を伸ばしてボールをカットする。そのままドリブルを仕掛けて、ハーフウェー・ラインを越えていく。2対2の局面、左のビニシウスを意識しながら、対面のダヴィド ウォルフに勝負をしかけた。ダヴィド ウォルフは肩をつけてしっかりブロックした。クーニャが躓いた弾みに、自身も倒れる。ボールはゴールライン前でGKニーランがキャッチした。ノルウェーがボールキープする展開の中、ロスタイム2分にチャンスを迎える。GKニーランが直接けったボールを、相手ゴールから30m付近でハーランドがキープした。ハーランドに対してマルキーニョスが体をつけてブロックする。ハーランドは倒れずにキープした。後ろから上がってきたウーデゴールが、左足でシュートする。前目にポジションをとったアリソンが左に体を倒しながら抑え込んだ。大会3アシストを記録するウーデゴールは、視野の広さと高いパス精度を誇る。組み立て役の彼にボールが収まっていた。
エンドが代わり、後半ブラジルは徐々にギアを上げていく。13分に、ミドルレンジからハイアンが胸トラップから右足を振りぬいた。ピッチ上を速やかにショートバウンドしたボールは、重心が右に傾きかけたGKニーランが態勢を立て直して、反対方向に体を倒してはじき出した。両者リスクを犯さず、得点を狙っていく。33分、交代で入ったシュルロップが左サイドからハーランドを狙ってクロスをあげた。ハーランドは、 ガブリエウ・マガリャンイスの後ろから前に入り、ヘディングでボールをたたきつけた。力強くバウンドしたボールに、左に飛んだアリソンの手は届かず、鮮やかに右ネットを揺らした。1対0. ハーランドの先制点は、典型的なストライカーの一撃だった。ガブリエウ・マガリャンイスの視界の外から一歩前に入り、完璧なタイミングでヘディングを叩き込む。ポジショニングと決定力の高さが凝縮された場面だった。
写真�ぁ.蓮璽薀鵐匹離悒妊�ングゴール。
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=2&pid=doc-B9BV7X6_1_4430968_preview
44分、再び左サイドのシュルロップからボールを預かったハーランドが一旦右足でキープして、利き足の左足を振りぬいた。ダニーロの股の間を力強くショートバウンドしたボールは、コースを読んだアリソンの左手の指先を抜けて、右ネットに突き刺さった。2対0.
写真�ァ.蓮璽薀鵐匹�2点目のゴール。
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=4&pid=doc-B9BW9TC_1_4431022_preview
ハーランドは、速やかにスペースにポジションをとり、ブラジルDFを動かしたうえでフィニッシュした。GKアリソンは、味方のマルキーニョスとその左横のガブリエウ・マガリャンイスがブラインドになり、ボールの出所が見えなくなった。
写真�Α.蓮璽薀鵐匹�2点目後の様子
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=5&pid=doc-B9BX42R_1_4431053_preview
後半ロスタイム8分に、2点ビハインドのブラジルは、1試合2本目のPKを獲得した。空中戦でノルウェーのベルケが、自陣のエリア内でカゼミーロと競った際、肘を使ったと判断されたのである。カゼミーロは顔に肘が入ったとアピールしていた。キッカーは、交代で入ったネイマールである。エリアのすぐ外から助走して、キーパーのニーランの位置を見る。ニーランは小刻みに体を振ってプレッシャーをかける。ベテランのネイマールは決して動じず、ニーランの重心を確認しながら、右足のインサイドでシュートした。ニーランは全く動けず、右ネットを鮮やかに揺らした。1対2。駆け引きにおいてネイマールに分があった。
写真�А�PKを決めるネイマール
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=6&pid=doc-B9BX93Q_1_4431068_preview
ブラジルの反撃時間はわずか2分。もう一点とってイーブンに戻す馬力を失っていた。
試合は2対1.ノルウェーが、ハーランドの活躍により、ブラジルに勝利して、初めてベスト8へ駒をすすめた。ゲーム内容も概ねノルウェーの狙いに沿ったものだった。中盤のセンターに入るウーデゴールにボールが収まり、彼の広い視野からゲームをコントロールした。途中から入ったシュルロップは2アシスト。そして天性のゴール嗅覚を持つハーランドは2ゴールを記録する。PK2本のうち1本を阻止したニーランも当たっていた。実は後半41分に勝負を占うプレーがあった。味方のクリアボールが、放物線を描いて自陣の右ネットの方へ落ちていった。ニーランは態勢を左に傾けながら急いでゴールに戻り、辛うじて右手の指先でボールをかきだした。窮地を凌いだ直後の44分にハーランドの2点目が決まったのである。ブラジルは前半13分にPK失敗が大きく響き、消極的なカウンター戦法に入った。確かに個人個人の技術は卓越している。本来の持ち味は出せず、終盤にはフラストレーションから相手と小競り合いに発展した。ノルウェーは過去のブラジル戦の通算成績を3勝2分0敗とした。サッカー王国への無敗ジンクスを守り通している。大金星を挙げたノルウェー代表は、ゴール裏のサポーターの前に集合し、バイキングロウのパフォーマンスを行う。ウーデゴールが、太鼓を肩にかけると、チームメイトは互いに寄り添いながらグラウンドの上に座る。音頭をとるのは今回ハーランドだった。ウーデゴールからスティックを預かると、サポーターとチームメイトとの呼吸に合わせて太鼓を叩く。両手を前に突き出して胸元に引きながら「ウー!ウー!」と叫び声をあげながら船のオールをこぐ動作をした。サポーターと喜びを分かち合い、新しい景色の先にあるトロフィーを獲得に向けて邁進する。
写真�─.丱ぅ�ング・ロウパフォーマンスで音頭をとるハーランド
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=9&pid=doc-B9BY3QQ_1_4431146_preview
必:写真�△�ら�─〜瓦� AFP BB NEWSより
https://www.afpbb.com/articles/-/3642677?pno=9&pid=doc-B9BY3QQ_1_4431146_preview
<ノルウェー 対 イングランド戦>
日本時間7月12日(日)午前6時、ノルウェー 対 イングランド戦が米国フロリダ州の最大都市マイアミのスタジアムで行われた。直近のEURO2020、EURO2024(注.1)で共に準優勝だったイングランドに対して、EURO2000オランダ・ベルギー大会から26年間大舞台から遠ざかったノルウェーは挑戦者である。
注.1:EUROとはサッカーの年齢制限のないフル代表のヨーロッパ選手権をさす。サッカー界では、ヨーロッパの代表チームにおいて、WカップとEUROの2大会を大舞台とよぶ。EURO2020は、コロナ禍により大会1年延期して2021年にヨーロッパ12カ国で分散開催。2024年大会はドイツで行った。
注.2:メインスタンド側から見て右側がイングランドの陣地、左側がノルウェーの陣地
写真�� ノルウェー 対 イングランド戦の布陣 掲載元 ゲキサカ 2026年7月12日0時41分付
https://web.gekisaka.jp/news/worldcup/detail/?455284-455284-fl
前半イングランドがボールをキープする中、ノルウェーは積極的にハイプレスをかける。イングランドは、両サイド(右マドゥエケ、左ゴードン)に展開する中、ノルウェーは中に絞って厚く守った。34分、ノルウェーは、右サイドバックのライアンが送ったクロスを、早速ハーランドがヘディングであわせた。ミートしたものの、GKピックフォードが落ち着いてボールをキャッチした。ハーランドの狙いは強く叩くことだった。若干角度がつかなかった分、キーパーの手元にボールが収まったのである。
攻撃の形を見出したノルウェーは35分、インターセプトから先取点を奪った。ベルグが、下がってパスを受けたケインにプレスをかけてマイボールにした。ベルグは、中盤のウーデゴールにボールを預けた。ドリブル突破するウーデゴールは、左に構えたシュルロップにパスを送った。シュルロップは、コンサを前にしながら右足を使ってボールを跨いでエリア内に持ち出して、右足でシュートした。GKピックフォードは、ファーサイドのハーランドを警戒して、インコースを開けていた。球筋を見極めてジャンプしながら右手を伸ばしたものの触れることができず、ポストの内側に当たって、ネットを鮮やかに揺らした。1対0.シュルロップはクロスの狙いだったものの、奇しくもキーパーを巻くような軌道を描いた球がネットに飛び込んだ。
写真��(左側) シュルロップの先制ゴールシーン。出展:ロイター通信
掲載元 サンスポ2026年7月12日午前6時48分
https://www.sanspo.com/article/20260712-WRMFQ2D7GFDJFLA3F3WZOJWCGM/?outputType=amp
写真��(右側) シュルロップの先制ゴールシーン(別角度)出展:ロイター通信
掲載元 日刊スポーツ ワールドカップ2026
https://www.nikkansports.com/soccer/worldcup2026/photonews/photonews_nsInc_202607120001354-18.html

ゲームは俄然ヒートアップする。1点ビハインドのイングランドは、前半終了間際に試合を振出にする。46分、左サイドハーフのゴードンがエリアのライン上の正面に構えたベリンガムに右足でパスを出す。ベリンガムは左足でボールタッチしたまま、体を捻って左方向に周り込む。センターバックのヘッケムを完全に振り切り、左足を振りぬいた。左足を伸ばしたGKニーランはボールに届かず、右ネットを揺らした。1対1.ベリンガムは柔らかいボールタッチから速やかにフィニッシュした。
写真�� ベリンガムの同点ゴール。出展:AP通信 掲載元 スポニチ 2026年7月12日付
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2026/07/12/gazo/20260712s10002009069000p.html
ゲームの方は後半45分間で得点が入らず、1対1のまま30分ハーフの延長戦を迎える。
振り返ると、後半9分にノルウェーにビッグチャンスが訪れていた。右サイドからウーデゴールのコーナーキックの流れで、ボランチのベルグが右足を伸ばしてシュートした。GKピックフォードが、とっさに右手一本で辛うじて弾くと、前にこぼした。即座に反応したセンターバックのヘッケムが、左足を伸ばしてボールをネットに蹴り込んだ。ノルウェーの選手達はゴールを確信したものの、イングランドメンバーは抗議する。ゴール前の混戦にて、ハーランドが、アンダーソンを両手で押し倒す行為があったのである。主審はVTR映像を確認した末に、ハーランドのファウル判定。つまりノーゴールを告げた。
写真�� ハーランドとアンダーソンの攻防の一幕 出展:Getty Images 掲載元 フットボールチャンネル 2026年7月13日付
https://www.footballchannel.jp/2026/07/13/post946581/
ハーランドは文句一ついわずにその後もプレーを続けていた。ゴール前の駆け引きは日常茶飯事。アンダーソンはファウルを誘うべく、ハーランドとぶつかっても踏ん張らずに、重心を後ろへ移していた。ハーランドに押されてバランスを崩して倒れた様子が、映像にしっかり映っていた。リプレー検証により、細かい攻防の様子まで明らかになるのである。
注 延長前半 右陣地イングランド 左陣地ノルウェー
延長戦は早くもスコアが動き出す。前半2分、イングランドは、途中から投入された右サイドのサカが起点になる。そのサカが、利き足と反対の右足であげたクロスが、反対サイドに流れていくと、センターバックのグエイが拾った。ミドルレンジに構えたロジャースにボールを預けた。ロジャースは右足でシュートを打った。勢いのあるボールを左に体を倒したGKニーランがキャッチに入った。しっかりと両手に収めきれずに前にこぼした。ノルウェーの延長頭から入ったエスティゴールより速くセカンドボールに反応したベリンガムが、右足でボールを叩きつけるようにシュートを打った。力強くバウンドしたボールは、再度反応したGKニーランの右手の指先を抜けて、左ネットを揺らした。2対1.ベリンガムは、天性の勘でセカンドボールに誰よりも速く追いつき、冷静に蹴り込んだ。
写真�� ベリンガムの2点目 撮影者:蔵賢斗 掲載元 産経新聞 2026年7月12日午前9時31分付
https://www.sankei.com/article/20260712-XE6KXPQA5ZNCZIQFKADDAGBETM/photo/QZOKJ7N5CBMA7OQR7QRAZPO4NA/?outputType=theme_soccer_worldcup2026
リードを奪ったイングランドは、引いて守りながらスペースを埋める。ハーランドは足がとまり動けなくなっていた。延長前半でピッチを退き、ベンチから仲間たちのプレーを見守った。
エンドが変わり、延長後半4分、イングランドは交代出場のスペンスが、ボールを持ち上がり、ミドルレンジからシュートを打つ。左に体を倒したニーランがサイド側へ弾き出す。ルーズボールをフォローしたサカが、右足でフィニッシュした。態勢を立て直したニーランが両拳でボールを押し返した。ゲームの方は守りに入るイングランドに対して、ノルウェーはボールを持つ時間がながくなる。イングランドはハリー・ケインも、左サイドのドリブラーであるヌサをケアした。ゲームは120分戦った末にイングランドがベリンガムのゴールで、ノルウェーに2対1で逆転勝利を飾った。主審の長いホイッスルが鳴った瞬間、共に静かに選手達は健闘をたたえあう。ハーランドは、ケインに駆け寄り、手を合わせて、互いに肩を抱いた。
写真�� 試合終了後健闘を称えあうハーランドとハリー・ケイン 出展:EPA時事 掲載元 AFP BB NEWS 2026年7月12日付
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026071200155&g=spo&p=20260712fl31S&rel=pv
マンチェスター・シティ(イングランド)でプレーするハーランドは、対戦相手のイングランドのメンバーはよく知る間柄である。彼自身は前線で持ち味を出せずに孤立していた。一方でハリー・ケインはゴールこそなかったものの、時にハーフウェー・ラインより後ろに下がって引き出し役を担った。延長戦にリードを奪うと、守備面でも貢献し、交代出場のドリブラーであるヌサの突破に対応した。今日の主役はベリンガムだった。スピードとテクニックを備える彼は、ボールタッチが柔らかく、コントロールにも優れている。2得点とも天性のゴールの感覚が発揮された。出足の早さと、シュートコースの良さにより、ノルウェーのディフェンスとの駆け引きでも上回った。
写真�亜‐〕�後のイングランドの選手達、左からハリー・ケイン、ベリンガム、ロジャース 出展 AFP通信 掲載元 同サイト 2026年7月12日11時7分
https://www.afpbb.com/articles/-/3643646
ベリンガムのゴールショーにより、対戦相手であるハーランドの戦いは終わった。この日はヘディングシュート2本、持ち味を出せず、後半9分には自身のファウルの判定でゴールを取り消された。1994年のアメリカ大会に出場した父アルフ=インゲの時代から続く冒険はいったん幕を下した。高い打点からのヘディング、ポジショニング、テクニック、競り合いの強さを含めワールドクラスの力を発揮した。彼の活躍でこれまで大舞台から遠ざかったチームを、初のベスト8へと導いたのである。7月21日で26歳になるハーランドは、代表チームとしても大きな一歩を踏み出した。
まとめ ノルウェー代表チームの帰国 イングランド戦の不運
ノルウェー代表は大会のダークホースの最有力との見方もされていた。準々決勝のイングランド戦、実は不運も重なっていた。前半46分にベリンガムに同点ゴールを許すシーンを振り返ると、意図しない出来事が起こっていたのである。GKニーランが蹴ったボールが、上空のカメラを吊り上げるワイアーにあたって、軌道が変わり、急に落ちてきたのである。イングランドの左サイドハーフを務めるゴードンが,ほぼ垂直に落ちてきたボールをトラップして、攻撃を仕掛けたことで、同点弾につながった。FIFAの規約によると、構造物にボールが当たった場合、プレーを停止し、ドロップボールによって再開する。ゲームはVARも入らずに見過ごされていたのである。試合翌日にFIFAは、ワイヤーにあたったことでボールの軌道が変わったとの証拠はない、との声明を出した。実のところボールにはチップが埋め込まれ、軌道を精密に記録されているのである。ただし、こうした意図しない出来事はつき物である。ボールの軌道も、風の吹き方によっても若干軌道が左右されていく。ゴールネットに吸い込まれるか、ポストの外に流されるか、そのときの状況次第、ノルウェーの選手達も結果を受け入れて、前に進もうと決意しているはずである。遠く離れた日本でも、ハーランドフィーバーがひそかに巻き起こっていた。
7月13日、Wカップで6試合の激闘を終えたノルウェー代表チームは、首都オスロの空港に帰還した。立役者のハーランドは、ショルダーバックを右肩にかけ、左手にはアライグマの置物を携えていた。地元タブロイド紙「VG」によると、酒瓶を持つアライグマの剥製とみられる置物は、チームが滞在中の米テキサス州ダラスで購入したものである。値段は750ドル(約12万円)。購入店を取材したVGは、ハーランドの購入時の様子を明かしていた。西部開拓劇を象徴するアイテムの一つであるカウボーイハットに惹かれて入店し、脛にぴたりと張り付くブーツも合わせて購入した。置物のアライグマは、両手の間接を曲げて、酒瓶から栓を外す仕草をしていた。大会中、移動時にスタジアムからスタジアムへ渡り歩く際、その土地の文化も体感していた。
写真�院.�スロ空港にて、アライグマの置物を携えて降り立ったハーランド 出展:AP通信 掲載元 スポニチ 2026年7月14日午前6時30分付
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2026/07/14/articles/20260714s00002009058000c.html#goog_rewarded
サングラスをかけた彼の表情を伺いしることはできない。準々決勝のイングランド戦では、ゴールの判定が覆るなど、精神的な負担も大きかった。確かにどんな局面でも修正するタフさが求められる。大舞台から遠ざかったチームは、経験地が不足していた。戦いに不慣れな面があったとはいえ、試合開始からアグレッシブに戦う姿勢は、勢いをもたらしていた。28年ぶりのWカップのベスト8は大きな一歩である。代表チームのメンバーは、10万の市民が待つ王宮広場でのパレードに招待された。主将のウーデゴールは、「大会中は想像以上の熱い応援を受けた。信じられない」と興奮した面持ちで語った。オープンバスの最上段に立ち、大会で名物となった船を漕ぐ「バイキング・ロウ」パフォーマンスを通じて、沿道の市民らと時間と空間を共有した。なおハーランドは、チャーター便が4時間到着が遅れた影響により、パレードの途中で退席したようである。大会について彼の口からは語れることはない。これまでヨーロッパの中堅クラスの代表チームにて、ハーランドは孤軍奮闘していた。Wカップ予選から司令塔ウーデゴール、ボールコントロールに優れるベルグ、正確無比なキックでブラジル戦2アシストしたシュルロップを含めて、彼を支える人材が能力を伸ばしてきた。サッカーは決して一人では勝てない。ハーランドの特徴である前線へビルドアップするスタイルが、チームに定着したのである。次の目標は、2年後のEURO2028である。開催地はイギリスの4つの地域とアイルランド。ハーランドを中心に、いかにパスワークを発揮するか、問われている。バイキングの血を受け継ぐ選手達の船旅はまだまだ続いていく。
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