若い頃に書いた小説を投稿します。
ある朝、目覚めると僕は自分が巨大化している事に気付いた…。
それでは始まります…。
興味のある方はどうぞ…。
ある日の朝のこと、僕は目覚めた時、僕の目の前の様子がいつもと違うことに気付いた。
僕の目の前にあったのは、僕の部屋ではなく、隣の家のブロック塀だった。目線を上に上げると、そこは僕の部屋の天井ではなく、大空が広がっていた。
どうやら僕は巨大化したようだ。僕は巨大化し、自分の家を破壊し、表に寝転がっていた。目線を移動させていくと、僕の家族が、ぶるぶると震えながら僕を見つめていた。
「おはよう、父さん」
「おはよう、母さん」
「おはよう、友太」
僕は両親と弟にそう言うとむっくと立ち上がった。
僕は近所のブロック塀や家々を踏み潰しながら歩き出した。
僕は電柱を一本引っこ抜いてやった。そして、それを片手に持って、再び歩き出した。
今度はその電柱で僕のまわりの家々を破壊しながら歩き続けた。
しばらく歩くと、僕は立ち止まって、その電柱を自分の頭上で両手でグルグルと思い切り回した。
三国志に出て来る一騎当千の武将になった気分だった。
僕の身長はどれくらいになったのだろう?
電柱を10メートルとすると50メートルくらいだろうか?
ウルトラマンに出て来る怪獣くらいはあるだろう。
僕は相変わらず、片手に持った電柱で色々な家を破壊しながら、歩き続けた。
ここは東京なのだが、しばらく歩いて僕は新宿のアルタ前まで出て来た。
逃げ惑う人達。僕はアルタの巨大なテレビ画面を左手で思い切り殴り、破壊してやった。
映像は消え、画面は真っ黒になった。
オラオラ、踏み潰してやるぜ、この虫けらどもが!
しばらくするとアルタ前には人っ子一人いなくなり、僕だけになった。
僕は地面に座り込み、あぐらをかいた。
右手で頬杖をつき、誰もいなくなったアルタ前の景色を見つめていた。
しばらくすると眠くなってきたので、僕はそこで大の字になり眠ってしまった。
僕はどうして巨大化したのだろう?
誰も僕を受け入れなかったからさ。
一人で生きるしかなくなった僕はどんどん巨大化したんだ。
もう誰も僕には勝てないさ。
勝つって何が?
僕の目が覚めた時、空には美しい星達が無数にキラキラと輝いていた。
僕はしばらく、その星達を見つめていた。
美しい。
上空を見つめていると、何かが天から降りてきて僕に近づいてきているのがわかった。
だんだんゆっくりと僕に近づいてくる。
僕は目を凝らしてみた。
女神だ。
衣服を何一つまとわず、背中に白い巨大な翼を生やしている。輝くゴールドの美しく長い髪を持っている。
僕と同じくらい大きい。
「こんばんは。勇敢なヘラクレスさん」
そう言って彼女は僕に話し掛けた。
僕は黙っていた。
彼女は再び話し出した。
「あなたは大きくなりすぎてしまったわ。もう皆とは一緒に暮らせないわ」
「そうなんですか?」
「行きましょう。私と」
そう言って彼女は僕の手を取り、上空へと舞い上がり出した。
「とてもいいところよ……」
僕の目を見つめて、にっこりと微笑んだ。
僕は一度、地上を見下ろしたが、彼女の瞳をしっかりと見つめて、手を強く握った。
そして、彼女の言った世界で生きようと思った。
さよなら。バイバイ。皆。
おわり
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