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2025年09月06日19:06

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土曜ギリギリ日記767:遠い山なみの光

1982年、イギリス。
中年女性・悦子は長年住んだ家を売りに出している。夫も長女もおらず、今は一人暮らしの身だ。そんな時、次女ニキがロンドンから帰省してきた。大学を中退し、今はライターとなっているニキは、渡英前の悦子の過去を綴りたいと考えていた。テープレコーダーを置き、悦子の話に耳を傾けるニキだが…

1952年、長崎。
緒方二郎の妻として団地で暮らす悦子は、第一子を宿していた。福岡で暮らす義父が長崎にやってきたためその世話に忙しい悦子だが、ある時、近所で米兵に身体を売っていると噂の女・佐知子と知り合った。バラックで暮らし、小汚いなりの娘・万里子を育てる佐知子は、英語に堪能で品もあり、新天地アメリカで生活することを夢見ていた。そんな佐知子に共感と憧れを抱く悦子だったが…




「遠い山なみの光」



以下、ディケンズのクリスマス・ネタバレ。


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カズオ・イシグロ原作、石川慶監督作品。ヒロイン「悦子」を吉田羊と広瀬すずが演じ分けます。もう一人のヒロイン・佐知子は二階堂ふみ。悦子の義父役で三浦友和も出てきます。

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多分大勢のレビュアーが言っていると思うけど、端的に言うと小津ミーツデビッド・フィンチャーな作品。1950年代初頭という、絶望的に貧しい暮らしと現代の豊かな暮らしの狭間に位置する時代…黒澤明や成瀬巳喜男などの映画でしか見たことのない世界が総天然色でデジタル画質で広がると、まるで山崎貴の映画のように感じる。対してイギリスパートはロケ撮影特有の自然な明るさで、英語なのに普通の邦画っぽい感じ。そこに歪さを感じ、過去がファンタジーのように映った。過去パートがモノクロかフィルムの質感が出る画像でも良かった気もするけど…あくまで吉田羊の語る(騙る)過去なので、これが正解な気もする。いずれにせよ、過去のドラマはギクシャクな親子関係と女性の自立という、もう本当まんま小津映画なのが面白い。そして2つの物語を繋ぐ「景子」の正体が明らかになるクライマックスは、ピンクの石鹸が目印のアノ映画。幼児連続誘拐が起きている背景や猫への所業などのダークさも、こじつけちゃえばデビッド・フィンチャーだよな^_^

子供の頃に長崎から渡英したイシグロさんは、本作の「景子」とダブる。彼が選ばなかった道を選んだ景子は、もう一人のイシグロさんなのかもしれない…と思うと切ないな。


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