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2025年08月29日06:13

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水曜クビ×4日記1350:蔵のある街



岡山・倉敷、美観地区…

女子高生・紅子には自閉症の兄・恭介(きょんくん)がいる。福祉作業所の送り迎えや食事の世話など、その生活の全ては紅子頼りだ。画家だった母は家出してしまい、料理人の父は居酒屋の厨房に立ってはいるものの飲んだくれのダメ男なのだ。紅子には美大進学の夢があったが、兄を置いて町を出ることはかなわず、既に諦めようと思っている。ある日、きょんくんが神社の大木に登りひと騒動を起こしてしまった。子供の頃に見た打ち上げ花火を思い出して興奮してしまったのだ。紅子の幼馴染男子、蒼と祈一が「本物の打ち上げ花火を見せてやるから」と説得し、何とかきょんくんを地上に下ろすことに成功。しかしその日以来、きょんくんは花火をいつかいつかと期待して紅子を困らせてしまう。その場限りの口約束で紅子ときょんくんを傷つけてしまったと反省した蒼は美術館学芸員・古城に事情を話し、本当に打ち上げ花火がやれないかと相談するが…


「蔵のある街」


以下、「ネタバレ、いつかな⁈」

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いわゆる「ご当地映画」とは……
尾道三部作とかフラガールみたいな特定地域を舞台にした映画は広義のご当地映画で、俺が認識する狭義のご当地映画とは「無名の監督が無名のキャスト&ご当地由来の有名人を起用した作品で、主人公が何かに挑戦して町おこしに貢献する結果を出す映画」のこと。近年やたらと量産され、ご当地でも何でもない都内の劇場にもかかることもあります。そのチープさと素人くささ、お約束プロットからハッピーサイエンスなみにネタ映画として扱われることも多く、最近では自治体が出した助成金を巡るトラブルも起きたりしていますな。俺は滅多に手を出すことはなく、思い出してみても入間市の「ラストサマーウォーズ」くらいかなぁ劇場で観たの。酷評したけどね。
しかし「低予算でプロットの制約がある」という意味ではロマンポルノと同じだから、きっと名作と呼ばれる作品もいつか出てくるに違いないと踏んでました。

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んで本作。手放しで名作とは呼ばないけど、観る価値が大いにあるご当地映画だったと結論づけます。

まず、肝心のご当地の魅力。倉敷の美観地区ですけど、スクリーンで見るとまるで時代劇のオープンセット(笑)。これだけで目が楽しい。いかにもなPR映像で見せるのではなく、居なくなったきょんくんを探し回るという物語の必然として街の概要を提示する巧さがありました。そしてキャスティング。出身アクターとしてはMEGUMIと前野朋哉が登板。これだけでインディーズ邦画的には格が上がるし適材なキャラだったのでグッド。なぜか橋爪功みたいな大物を謎キャラで起用する贅沢もしつつ、なんと高橋大輔も役者として登場させるチャレンジもしています。いや、「登場」って表現は甘いかな。主人公たちの花火計画をサポートする優しいお兄さんというだけでなく、紅子の父とある理由から敵対することになり、激しく争うシーンもあるんですよ。大人キャストで一番セリフが多いキャラかも知れません。そんな重要な役に、いくら倉敷出身とはいえ、素人の高橋さん起用します?チャレンジというよりバクチですよ。
しかしこれ、大当たりでした。アスリート出身で役者になった人というと、ぱっと思いついたのは赤井英和ですけど、はっきり言って赤井さんの10倍は演技が上手いです。驚きでしたねー。
あとは題材選びの良さ。「ラストサマーウォーズ」はスタンドバイミーやスーパー8などを元ネタにしたありふれた設定でしたけど、本作では「ギルバート・グレイブ」を参考にしつつ今流行のヤングケアラー話にしているのが憎いところ。紅子役の子も蒼、祈一役の子もみんな達者でユーモアもスベッていないし、魅力があったな。


というわけで、「ご当地映画侮るべからず」を思い新たにさせてくれた一本。ただ、さすがにあまりに万人ウケすぎるプロットはもう限界な気もする。「住人たちが全員殺人カルト信者で、町を訪れた女殺し屋を銃撃・爆破・火炎放射器でお出迎えする映画です」とプレゼンしてゴーサイン出してくれるハルシュタットみたいな自治体は無いものか?^_^

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