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宇佐神宮は広すぎる。
本殿まで行かない主義は、ここでも有効とさせてもらう。
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──卑弥呼の墓だと思う?
土産物の店先で、鏡子さんが唐突に発言した。
神殿は亀山(神山?)という小山に建っているが、亀山が古墳だという噂は本当らしい。
それが卑弥呼の墓だという説には、それなりの説得力がある。
一之御殿の祭神である比売大神(ひめおおかみ)の正体も正確にはわからない。
比売大神は卑弥呼なのか?
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かぼすの菓子を購入して、鏡子さんは店を出た。
【春夏冬 二升五合】と書かれた垂れ幕のある店だった。
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エンジンをかけると、鏡子さんはすぐに口を開いた。
──古代の都は、転々としたでしょ。飛鳥板葺の宮、恭仁京、長岡京とか。邪馬台国も同じだと私は思ってます。
──つまり、遷都したと?
──そう、発祥は久留米か八女の辺りで、終焉がここ、宇佐。
あっという間に、清水説の発表は終わった。
僕は、とある歴史書にあった指摘事項を思い出していた。
道鏡事件のとき、遠い遠い宇佐神宮までご神託を受けに来たのは、なぜか。
伊勢神宮が近いじゃないか。
宇佐神宮でなければ解決できなかったのだ、皇統の本質に関わることは。
秘密は古すぎて、深すぎる。
【春夏冬 二升五合】
これくらいの謎かけなら、僕でも解けるのだが。
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