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2022年10月10日16:03

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24年ぶり為替介入でどうなる? 利益を得るのは「日本人ではない」という残念な現実

24年ぶり為替介入でどうなる? 利益を得るのは「日本人ではない」という残念な現実
10/10(月) 7:00 ビジネス+IT 配信より

https://news.yahoo.co.jp/articles/2670ee6b6abaa2dc498d15d2f5981389b19c0d67?page=2

ビジネス+IT
●為替介入の効果とその仕組み

 日本で金利が上昇すると、日米金利差が縮小し、円高になる。その理由は、次の通りだ(これは、以前の記事で説明したのだが、あまり分かりやすいことではなく、かつ重要なことなので、もう一度取り上げる)。

 仮に、日米金利差が円の増価率より大きいとしよう。

 この場合、円で借り入れして調達した資金をドルで運用する取引(円キャリー取引)で利益を生むことができる。なぜなら、日米金利差がプラスなので、ネットの利子収入(ドルの利子収入マイナス円の利子支払い)はプラスになる。借り入れから投資回収までの間に円の価値が上がってしまっているかもしれないが、上述した仮定により、それはネットの利子収入より小さい。したがって、この取引は、利益を生む。

 逆に、日米金利差が円の増価率より小さければ、ドルで資金調達をして円で運用する取引が利益を生む。

 均衡においては、こうしたことが起こらないことが必要だ。そのためには、日米金利差が円の増価率に等しくならなければならない。これを「金利平価式」(あるいは金利裁定式)と言う。

 今、政府の円高介入によって、日本の金利が高くなるとしよう。すると、金利平価式を成立させるために、円の増価率が低下しなければならない。これは、現時点での円高によって実現される。

 このようにして、円高介入が円高をもたらすのだ。

 通常の金融政策では、中央銀行が市場で国債を売買して金利を変化させる。それに対して、為替介入では、中央銀行が市場で外貨資産を売買することによって金利を変化させる。このように、売買の対象が異なるが、日米金利差に影響を与えて為替レートを動かすという点では、どちらも同じだ。

 だが9月22日に行われた介入では、すぐさま円高への動きが生じた。この時点では、先で述べたような決済はまだ行われていない。それにもかかわらず円高になったのは、上述の効果が実際に働いたからではなく、そうした効果が生じると予想されたからだろう。

●日銀が金利抑制で行う「不胎化」とは

 ところが、話は以上で終わらない。なぜなら、金利が上昇すると、日銀がそれを抑えようとする可能性があるからだ。そのために、日銀が民間保有の国債を購入して、日銀当座預金を増やそうとする可能性がある。

 つまり、介入で生じた自国通貨の供給量の変化を、日銀がオペ(公開市場操作)で相殺してしまうのである。これが「不胎化」と呼ばれる操作だ。これによって金利が押し下げられる。したがって、先述の効果がなくなる。

 ここでポイントとなるのは、日銀が実際に不胎化するかどうかだ。

 これについては、9月22日の会見で黒田日銀総裁が、「日銀がイールドカーブコントロールをしている以上、自動的にそうなる」としている。つまり、不胎化が行われることになる。

 もっとも、不胎化しても介入の効果があるとする議論もある。

 市中の資産保有では、円資産が減りドル資産が増えるので、こうした資産構成の変化を実現するには、ドル高、円安にならなければならないからだ。ただし、不胎化によって、本来生ずべき介入の効果が減殺されることは間違いない。

 またそもそも介入とは、結局のところ、金融政策の変更を求めることだ。円高介入とは、金融引き締めを求めることである。

 したがって、政府が円高を求めるのであれば、日銀に対して、イールドカーブコントロールの撤廃を求めなければならない。そうでなければ、一貫した政策にはなり得ない。

●政府と日銀の矛盾した政策で“利益”を得るのは誰か?

 矛盾する政策をいつまでも続けるわけにはいかない。政府が円高介入をやめるか、日銀がイールドカーブコントロールをやめるかだ。

 このいずれかがいつかは破綻するだろう、ことを狙った投機が、海外のヘッジファンドによってすでに行われている。

 政府が円高介入をやめれば、円キャリー取引が膨大な利益を生む。他方で、日銀がイールドカーブコントロールをやめれば、日本国債の先物売りが膨大な利益を生む。

 これらのどちらが勝つのか、はっきりとは見渡せない。ただ、どちらが勝っても明らかなのは、投機の利益は日本人には分配されないことだ。利益は、海外のファンドにかすめ取られる。そして、日本人は、そこに至るまでの経済の乱高下に振り回されるだけのことだ。

執筆:野口 悠紀雄

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最終更新:10/10(月) 7:00 ビジネス+IT
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