■顔張った相手に気迫前面 心は冷静に 貴景勝
(朝日新聞デジタル - 11月26日 06:05)
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大相撲十一月場所十三日目、全勝の横綱照ノ富士は関脇御嶽海を寄り切りに退け連勝を13に伸ばし、一敗同士の直接対決として注目された大関貴景勝と西前頭15枚目の阿炎の一番で阿炎が貴景勝を押し出しで制したため、賜杯レースは全勝の照ノ富士に一敗で阿炎、二敗で貴景勝が追走する展開に転じました。注目だった明日十四日目の取組では結びの一番で照ノ富士と阿炎の対戦が組まれたため、その一番で照ノ富士が勝てば照ノ富士の年間4度目、第48代横綱大鵬以来59年ぶりとなる新横綱からの連続となる優勝が決まることとなります。
さて、今日の照ノ富士の対戦相手は関脇御嶽海。立ち合い、御嶽海の上体を起こして左前褌、さらに右も取って外四つの体勢から一気に土俵際に持って行き、御嶽海に相撲を取らせず寄り切りで勝負あり。磐石の土俵で全勝を守りました。
そして、一敗同士の直接対戦となった大関貴景勝と帰り入幕の阿炎との一番は、立ち合い、行司の木村玉治郎に貴景勝の手つきが不十分と指摘されて不成立、仕切り直しで2度目の立ち合いでは貴景勝が真っすぐ当たりに行ったものの、阿炎の両手突きを前に押し込まれ、突いて往なすも止められず、大関が左に動いて勝機を窺うも阿炎の喉輪攻めに屈し、押し出しで阿炎に軍配。阿炎が突き押しの応酬を制して一敗キープとしました。勝った阿炎は「大関の胸を借りるつもりでいきました。自分の相撲がとれたと思います。集中力を切らさず、当たることができました」とコメント、敗れた貴景勝は「負けは負けなので。また明日に向かってやっていきます。今日は今日の一番と思ってあまり考えずに…。まぁ、負けたので。あと2日あるので頑張ります」と敗戦の弁を述べましたが、協会の八角理事長(第61代横綱北勝海)の見方としては、貴景勝については「もっと押し込んでの往なしなら違うだろうけどね。もう少し押し込みたかった」と、また、阿炎については「押し勝つんだという気持ちで、引こうとは思わなかっただろう。手だけでなく、顎を引いて頭を下げているから体重が乗って効く。立ち合いも、どちらが押し込むかのところで阿炎の方が強かった」と、立ち合いから阿炎の突き押しの強さが大関を上回り、阿炎が押し勝った展開を分析していました。貴景勝にとっては立ち合いの待ったの影響があったかもしれませんが、前の取組で関脇明生と対戦した西前頭4枚目の遠藤が同じ木村玉治郎に3度手つき不十分を取られて4回目の仕切りで漸く成立する一番となった(遠藤が押し出しに仕留める)ので、立ち合いには特段の注意を払う必要があったと言えそうな気もしますが。
さて、注目の明日の取組では、照ノ富士と阿炎の対戦が組まれる「割崩し」がありました。順当に行けば、照ノ富士は西大関貴景勝と当たり、千秋楽は今日の一番で玉鷲を寄り切りに仕留めた東大関の正代と当たることになりますが、優勝の行方に大きく左右する可能性があることから、審判部は阿炎を当てる“英断”を降したことになりますね。先場所では妙義龍との対戦で「割崩し」がありましたが、ここまで思い切った内容では無かったこともあり、その不評を受けたのかもしれませんが、今場所の審判部は「よく分かってるな」と言えそうで、ここはgood jobと言いたいですね。
その他。今日十三日目は幕下以下各段で優勝(または決定戦進出者)が決まりますが、幕下はコロナ禍のもとでの協会のガイドラインに抵触しての3場所連続出場停止処分が明けた西47枚目竜電が東33枚目千代の海を押し出しに退け、7戦全勝で幕下優勝決定。横に動きながら、突いた相手に徐々に圧力をかけての一蹴。敗れた千代の海は「強いですね。物が違います。完敗です」とコメント。三段目優勝は100枚目格付け出しで今場所がデビューの金峰山(24歳、カザフスタン出身、木瀬部屋)がモンゴル出身で東42枚目の荒馬を突き出しで制して、こちらも7戦全勝で優勝。日本大学で昨年の学生選手権個人4強の実績を残して三段目100枚目格で付け出しデビューし、その場所で実力を示しました。また、序ノ口では一人6戦全勝だった西10枚目の井上が、一敗の西序二段91枚目筑波山との対戦で一方的な押し出しで優勝(7戦全勝)。西幕下25枚目まで上がったことがありますが、右膝の負傷で昨年の七月場所から先場所まで8場所連続の休場明けの場所での優勝でした。
そして、序二段では東11枚目の魁鵬が西三段目60枚目の大海の6戦全勝同士の一番を押し出しで制し、同じ6戦全勝同士の西61枚目の優力勝が西81枚目の千代大和を押し出しに仕留め、7戦全勝の両者が千秋楽の優勝決定戦を戦います。
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