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2019年03月06日21:51

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水曜クビクビ日記544:ちいさな独裁者

1945年春、舞台は敗色濃厚なドイツの田舎。上等兵ヘロルトは部隊から脱走し憲兵に追われていた。負けるのが判っているのに前線に送られるなんてたまらねーよ!という思いで、裸足同然の格好で走るヘロルト。やがて追っ手を撒くと、目の前に泥濘にハマり棄てられたメルセデスがあった。そして後部座席には食料とスーツケースがあるではないか。空腹を満たしたヘロルトは、スーツケースの中身をあらためる。中には、なんとドイツ空軍大尉の制服が収まっていた。ふざけて制服を身につけてみたヘロルトは、その格好良さに酔いしれる。と、そこへ、部隊からはぐれた兵士フライタークが現れた。フライタークはヘロルトを本物の大尉と誤解し、メルセデスを直すから同行させてくれと頼んできた。ヘロルトは大尉のフリがどこまで通じるものかと考えて、フライタークを運転手として村に入っていく。「略奪を行う脱走兵たちに対処し被害を視察する」という総統直々に下された特命をデッチあげ、村人から飯を頂き、脱走兵を始末し、村から村へと渡り歩くヘロルト。いつしかハグレ兵を数人抱え、〈ヘロルト親衛隊〉なる1部隊を作ってしまった彼は、ついには脱走兵収容所に堂々と乗り込み、所長らを丸めこんで大々的な処刑を実行しようと…


「ちいさな独裁者」。衝撃の実話です。

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毎年1、2本は公開されるナチ映画。今年はトンデモな作品に出会ってしまいました。今回、ユダヤ人は1人も殺されません。死ぬのは全てドイツ人。ドイツ国内の話ですからね。丈の長い士官の制服を手に入れてしまった脱走兵が、好き勝手な残虐行為をやりまくるって話で、痛烈なブラックジョーク映画ですよ。収容所を去って「移動即決法廷」を始めてからのヘロルト親衛隊は、文字どおりの〈独立愚連隊〉。一体どう着地するかと思ったら、まさかのオチですからね。狂気と恐怖と笑いの絶妙なブレンド。バレるかバレないかのスリルの中では、なぜかこのバカ野郎のヘロルトを応援してしまう俺がいました。エンドクレジットのメタシークエンスは、皮肉の効いた現代批判。いやー、面白かった。モノクロかと見紛うほどに色を抑えた映像で、凄まじいバイオレンスと呆れるほどの退廃描写を見せてくれるスゲー作品。今年の俺ベスト10入りは確実かと。オススメ!
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