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2017年11月21日22:17

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PL記録:ゆうやけこやけ(狐の社で)リプレイ風小説 その10

(面霊気に変わりまして、服屋のギャル店員がお送りします)

アタシはいつも通り客の少ない店内で店番をしてたらさ、突然TVが点いたわけよ。
そんで、いきなり狐耳と尻尾を付けた和服の女の子が映っちゃってさ。
もうマジびっくり! 店内に居た客もTVに釘付けになっちゃってさー。

それで、なんだっけ?
尾三輪の社って所でハロウィンパーティー?
ちょーヤベェじゃん。思わず目を疑っちゃった。

ここってさー、ぶっちゃけ田舎なのよね。
特に何かあるわけでもなくてさー、アタシも都会に出たいなーって。
でもまー、家の跡取りもいないしさー、仕方なく服屋の店員なんてやってたの。

そんな田舎の町で、ハロウィンパーティー?
やばいやばい、とうとう商工会議所の連中の頭がイカれたと思ったね。
だってハロウィンつってんのに和服の狐娘が出てくんのよ?
こいつらマジ分かってねーって、あの時は思わずツッコんだね。

でまぁ、外もザワザワし始めてんの。
そりゃそうだよね、商店街で宣伝やってますなんて言ってたんだから。
アタシもチラッと外を見たら確かにさっきの狐娘が居ンの。

でもね、なんつーか、死んだ魚みたいな目をしてるわけよ。
突然、池袋に連れてこられて目を回した田舎娘みたいな?
もうね、見てるだけで『うわぁ』ってなる感じ。分かる?

まぁでもその周りで宣伝してる外人は結構イケてたね。
ザ・紳士って感じで丁寧に応対してんの。
周りをちょろちょろしてる子狸もメッチャ可愛くてさ。
思わずアタシも写真を撮っちゃった。そんで、すぐLINEで友達に送ったよ。
 


===

 

んで、しばらくすると変な声が聴こえてきた。
あの声は一度聞いたら嫌でも思い出しちゃうって、学園の人体模型を。
かくいうアタシだってヤツに遭遇したのは2度や3度じゃない。

アイツさー、マジ調子ノッてんだよね。
何回も何回も走って追いかけてきてさー、
しまいにはアタシもプッツンきて蹴り飛ばしたりしてたわ。

で、その一名学園の人体模型が狐面付けて走り抜けてったの。
正直、ポカンってマヌケな顔しちゃったよ。
アタシだけじゃなくて客の殆どもあんぐり口を開けちゃってさ。

あー、でも町の外から嫁いできた奥さん達は気絶してたっけ。
そりゃそーだよねぇ、スーツ姿のマッチョが走ってたら怖いわ。

ソイツは狐娘の周囲を回って何処かへ去っていったけど、
アイツマジでいっぺん痛い目みないとダメだと思うわ。
うん、守衛のオッサンにでも捕まっちまえ。

で、あの人体模型が走ってった後はしばらく静かだったんだけどさ。
なーんかまた店の前がザワザワし始めてンだ。

おいおいおい、面倒事は勘弁してくれよ。
そう思って外に出ようと思ったアタシはバッタリ合ったわけよ。
あの素敵な外人のオジサマに。
 


===

 


「いらっしゃいませー」

つい、そう、ついいつもの感じで挨拶しちゃったよ。
いらっしゃいと言った手前追い返す事もできないじゃないの、アタシのバカ!
オジサマと、狐娘を店内に案内したアタシの内心は汗だくよ。

やっべぇー、マジ、やっべぇー。
えー、何でうちに来たの、ちょっとありえないんだけど。
必死に覚えた営業スマイル☆でその場をしのぎつつ、さり気なく要件を聞く。

−−あー、はいはい。なるほど。
狐娘ちゃんが来てる服があんまりにもダサいから、服を探しにきたのね。
そりゃうちに来るわ。商店街のカジュアルファッションなんてうちぐらいだし。

お勧めはと聞かれたので、改めて狐娘ちゃんを観察してみる。
素材はねー、悪くない、いやむしろとっても良いんだけどね。
絶望的にダッサイ。七五三かよ!ってツッコミたくなるぐらいダッサイ。

ここまで来るとアタシも肝が座ったってゆーの?
もう絶対可愛くしてやるって思っちゃったワケ。
急いで店内を周りつつ、ピンと来た服を片っ端からカゴに入れていく。

で、入り口近くでオロオロしてる狐娘を引っ掴んで服と一緒に試着室に放り込む。
とりあえず、まずは普通の洋服に着替えてからね。
そう思ってしばらく待っているけど、一向に中から出てこない。

もう、着替えるのにどんだけかかってんのよ!
我慢できなくなったアタシが試着室に突入すると−−

洋服を手に持って目に涙を浮かべた狐娘ちゃんが居たのよ。
思わずキュンッてしたわ、アタシ一生の不覚。
とりあえず着方を教えて試着室を後にする。

入り口ではオジサマがグッと親指を上げてたけど、
アタシも思わずグッと親指を立てちゃった。
 


===

 

で、しばらくして出てきた狐娘ちゃん、メッチャ可愛い。
いやー、アタシ舐めてた。素材が良いと何着ても似合うね。

狐娘ちゃんが着替えてる間に、真剣に店の品物を吟味する。
落ち着いた感じで攻めてもいいけど、ちょっと派手なのも似合いそう。
どれを選んでも似合いそうなのに、もっと似合う服があると思ってしまう。
狐娘ちゃんには、そんな魅力があった。


しばらくして、狐娘ちゃんが試着室から出てきた。
予想以上に、可愛い。思わずスマホを撮り出しそうになって慌てて仕舞う。

狐娘ちゃんはまるで初めて洋服を着たかのようにクルクル回ってた。
あー、神様。マジありがと。サンキュー。愛してる。
いつの間にか店内の客も近くまで寄って来たけど、注意する気にはなれなかった。

さて、この後はどんな服を着せようか。
そう思っていたアタシの隣に、いつの間にかドレス姿の黒髪縦ロールちゃんが居た。
えっ、ちょっと待って、いつの間に居たの?

その子は狐娘ちゃんを見ながら首を捻って、お姫様っぽくと言ってきた。
お姫様−−アタシはもう一度、狐娘ちゃんをじっくり見つめる。
なるほど、確かに何処と無く気品があるような、ないような。

とりあえず選んできた洋服から、それっぽい物をいくつかあてる。
ピンと来たものから着替えてもらい、オジサマと縦ロールちゃんに見てもらう。
二人に可愛い可愛い言われる度に、狐娘ちゃんは赤面してたけどマジ可愛い。

 

そんな風に何着か着終えた辺りで、オジサマがポンと手を叩いた。
何事かと思ったアタシに、オジサマは写真を撮れないかと聞いてきた。

その瞬間、アタシは急いで店の裏手に走ったね。
狐娘ちゃんは恐らく恥ずかしがって嫌だと言うに違いない。
その返答を聞く前に、アタシは専用のカメラを持って戻ってきた。

案の定、狐娘ちゃんはイヤイヤと言っているが、もう遅い。
手早くカメラの準備を整え、後は撮るだけですよと言ってしまう。
さあこれで逃げ場はない。最高の写真を−−


狐娘ちゃんが突然消えていた。
いや、マジで消えてたんだって。ほんとほんと。
店内の他の客も騒然としちゃってさ。

でもね、オジサマはそんな時でも落ち着いていたのよ。
突然、棚の後ろにヒョイッと入っていったと思ったら、
狐娘ちゃんの頭を捕まえて戻ってきたの。

狐娘ちゃんは、
『姿を消したのに!?』『嫌じゃ、うては撮られとうない!』
って言ってたけど、オジサマはニッコリ笑顔で黙殺してた。
あれがダンディーってヤツなのかもね。

それ以降は狐娘ちゃんもまるで気絶したみたいに大人しくなっちゃって。
そうかと思うと突然笑顔になってノリノリで撮影されちゃって。
アタシも興奮して次から次へと写真を撮っていったわ。

オジサマは撮った写真を見て、1枚だけ現像してくれって言ったの。
何に使うのってうっかり聞いちゃったら、『宣材写真』にって。
もしかして狐娘ちゃんって芸能人とかモデルだったりするのかな?
 

とりあえず狐娘ちゃんに一番似合っていた服を購入してもらった。
写真は出来上がったら八幡神社に持ってきて欲しいってことだったから、
後日持っていってあげることにした。

「ありがとうございましたー!」

入ってきた時とは違って、アタシは心からそう言った。
ほんと、素晴らしい時間を過ごせたわ。
ふひひ★

なーんて悦に浸っていたアタシの耳に、『ぎゃーっ!?』という悲鳴が聞こえた。
狐娘ちゃんの身に何かあったのかと思ったアタシは急いで店外に出た。
そして、見た。
 


===

 



−−空いっぱいに映し出された、狐娘ちゃんの宣材写真を。

 


===

 


は、は、は。まさかさっきの写真をそう使うなんて思わないでしょ?
てゆーか、どんだけ金掛けてんのよこれ。
TVの撮影だってこんなに凄いことやんないっしょ。

空を見上げて気絶している狐娘ちゃんを見ながら、
アタシは月末に開かれるっていうハロウィンパーティーに心を踊らせた。
これは、参加するしかないっしょ!

多分、この町の人達はみーんなそう思ったんじゃないかな。
それだけ、今日の出来事はインパクトが強かった。


〜 その11に続く 〜
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