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2017年09月03日21:09

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【文化財パブコメ】外国人観光客誘致へ「国家総動員体制」の愚

いま、「文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめに関する意見募集」という、たいそうな名前のパブコメ(意見募集)が、ひっそりこっそり実施されています。詳細な資料はこの日記の一番下にURLを置いてありますが、要するに、これまで「保存」を大眼目としてきた文化財保護法を改定し、「活用」重視へと大きく舵を切ろう、という話なのです。

そしてその背景には、政府主導での、まさに国を挙げての「観光立国」「外国人観光客誘致」政策があることは明白です。

「中間まとめ」発表時の記事↓

文化財保護法改正へ 総合的な保存活用を支援 来年1月の法案提出目指す
http://www.sankei.com/life/news/170802/lif1708020035-n1.html

↑の産経記事では問題点がよく見えませんが、『岩手日報』の論説がよくまとまっているので下記に紹介します。

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<strong>文化財保護法改正 問われる「活用」の内実</strong>
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2017/m08/r0821.htm

 法隆寺金堂の壁画が火災で焼失したのを機に1950年、議員立法で文化財保護法が制定された。以来、半世紀以上にわたり保護に重点を置いてきた文化財行政が、大きく変わろうとしている。

 文化庁が、同法を大幅に改正する方針を決めた。政府として訪日外国人旅行者の大幅増や地方創生に取り組んでいることを踏まえ、活用に力を入れる。

 新たな制度では、市町村が地域の文化財の保護・活用に関する基本計画を策定。国の認定を受けることを条件に、国指定文化財改修など現状変更許可の権限を、文化庁長官から市町村長に移譲する。歴史的な建物や史跡を生かした地域振興を進めやすくするのが狙いだ。

 文化財は、活用することで住民がその価値に気づき、地域で守り育てる意識の醸成につながる。その意味で保護と活用は不可分と言える。

 その際、「活用」の内実こそ問われる。本県での活用例として思い浮かぶのが、世界遺産関連の文化財だ。多年の調査研究に基づき保護策が講じられ、史跡公園などとして整備。海外観光客の誘致にも大きく貢献している。

 津波で被災した文化財を修復し、展示会を開き住民に紹介して古里のより良い復興に資する取り組みも、望ましい活用の在り方と言えよう。

 一方、観光を成長の柱と位置づける政府は、どんな「活用」を思い描いているだろうか。外国人観光客への対応をめぐる前地方創生担当相の「一番のがんは文化学芸員」発言が象徴的だ。観光活用を進める上で、できる限り保護の制約を排除したいというのが本音ではないか。

 新たな制度の大きな問題が、現状変更の権限を市町村に委ねることだ。県内外の関係者から「市町村の文化財担当が、観光担当に押し切られる可能性が現実のものになるのではないか」などと懸念する声が上がっている。

 市町村や教育委員会、観光団体、文化財所有者などで構成する協議会の設置も盛り込まれた。活用に向けた法改正だけに、協議会で保護の視点がどの程度尊重されるか、心もとない。

 文化庁は、文化審議会の了承を得られれば来年の通常国会に改正案を提出し、来年中の施行を目指している。拙速ではないか。特に小規模自治体の文化財保護行政の現状を把握した上で、活用一辺倒にならないよう、慎重に制度設計すべきだ。

 専門的な知見を反映しないまま、観光客が喜びそうな改修や復元建物が各地で相次ぐようなことになれば、文化財の価値を損ねる上に、日本文化の魅力そのものが傷つけられる。(H29.8.21)


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観光業の振興や、それに伴う経済効果の追求は、それ自体は悪いことではないかも知れません。しかし、保護・保存を本分とすべき文化財や、さらには畏れ多くも皇室施設までをも動員して外国人観光客誘致に狂奔する昨今の風潮は、明らかにやりすぎであり、異常なものではないでしょうか。

現時点では、皇室の御陵や御所や離宮といった皇室財産は文化財保護法の対象ではありませんが、「対象に入れろ」という圧力が、御陵については世界遺産登録運動を通じて、御所・離宮についても先日の自民党行革本部提言等を通じて、日増しに強くなっていることは、これまで何度も述べてきたとおりです。将来的には、皇室施設にとっても無縁とはいえない話なのです。

「観光立国」「外国人観光客誘致」という国策への総動員体制構築によって、貴重な我が国の文化財に危機が及ぶことを憂う方々は、是非パブリックコメントでの意見ご送付にご協力下さい。

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▽文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめに関する意見募集▽

■実施期間

 平成29年8月31日(木)〜9月29日(金)

■対象となる資料

 「文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめ」

■意見送付要領

 氏名 性別,年齢,職業,住所,電話番号,メールアドレス,意見募集対象のページ番号及び項目名,御意見及びその理由,を明記の上、下記いずれかの方法により提出。

ア.インターネット

<strong>e-Govの意見提出フォームから提出(1意見につき1フォームでの提出)
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000932&Mode=0</strong>

イ.郵送

〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2 文化庁文化財部伝統文化課企画係 宛

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お忙しい方はe-Govご利用が便利でしょう。

送付要領には住所氏名等明記とありますが、どうしても個人情報を知らせたくない方は、e-Govだと意見欄のみの記入で送信自体は出来ます。

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(資料)

文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめに関する意見募集の実施について(文化庁HP)
http://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/public_comment/bunkazai_ikenboshu.html

文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめ(PDF)
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2017083101_betten01.pdf

文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめ概要(PDF)
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2017083101_betten02.pdf

文化審議会文化財分科会企画調査会中間まとめに関する意見募集の実施について(PDF)
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2017083101_betten03.pdf

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