2009年1月15日…ニューヨーク、ラガーディア空港を無事離陸したUSエアウェイズ1549便。しかしその直後、バードストライクに見舞われ両翼エンジンの機能停止に陥ってしまう。ラガーディアに引き返そうにも別空港に緊急着陸しようにも高度が低すぎる。このままでは大都会の高層ビル群に突っ込むだけだ。そこで機長サレンバーガーがとった手は、ハドソン川への不時着水だった…
「ハドソン川の奇跡」。乗員乗客の命を救う奇跡的な着水を行った機長サリー。その夜から国民的英雄とマスコミで持ち上げられ困惑する中、国家運輸安全委の追及も受け、次第に自分のとった行動への自信が揺らいでいく…という実録ドラマ。
で、感想。
傑作です。IMAXで観るべき名画。以上。
…以下は未見の方は読まないように。


近年イーストウッド映画の中では、ポロポロ泣ける傑作だったと言っておきます。
離陸→トラブル→着水→救助という一連の流れの一部を、事故後のサリーを描きながら小出しに見せていく構成。この小出しが、事故後→聴聞会という本筋が止まらないように、ちゃんとタイミングよく挿入されているのが映画的にとっても気持ちが良い。映画も着水もタイミングが命なんだな(笑)。そして一番のカタルシスとなる「コクピット音声」が最後にガツンとくるという、最高のクライマックス。オチ知っているのにこんなに気持ちが良く、エキサイティングで、かつ胸が熱くなって泣けるクライマックスはないでしょう。高鳴る音楽が全く鳴っていないのに!
コクピット音声で明かされるサリーとジェフの「対処」の様子。その沈着ぶりと完璧さ。とはいえ機械的ではなく、緊張感を滲ませた声と表情。これは素晴らしいシーンですよ。
イーストウッド映画は、常に「一筋縄ではいかない複雑な奴」を描いてきました。フーバーしかりクリス・カイルしかり。今回のサリー機長は、真面目で良心的な、複雑さのない人間に見えますが、実はその真面目さゆえから、英雄視とキチガイ扱いの正反対な対応に混乱しPTSDになっていくというキャラ。その内面を主軸にしているからこそ、単なるヒーロー譚に興味のないイーストウッドの映画として成立しているんです。
もう、手放しで絶賛します。最高!
ログインしてコメントを確認・投稿する