瀬戸の染飯
現在の藤枝市上青島と下青島あたりであろう、ここの立場(休憩所)の茶屋で
売られていたのが「染飯」だ。強飯(コワイイ)つまりもち米を蒸した「おこわ」に色
を染めたものだ。染料はクチナシの実から作ったものをおこわに塗って、薄く
小判形に延ばしたもので、絵を見ると真ん中に穴がある。小判と言うよりも、
大きな銅銭のようだが、江戸後期の浮世絵などを見ると、穴はなくて綺麗な
小判型だ。
小判というよりも、この休憩所から見える烏帽子山をかたどったという説もあり
そういわれれば、烏帽子の形にも近いかもしれない。「せと名物」と刷られた
紙袋に入れられ、一袋十二文(三百六十円くらい)で売られた。
この染飯はさすがに今はないだろうと思っていたが、これをテーマにした資料館
があるという。その名も「千貫提・瀬戸染飯伝承館」
東海道の南側、染飯茶屋跡に近く、クチナシの生け垣に囲まれて建っていた。
千貫提は、大井川の氾濫を防ぐために江戸初期に築かれた提。資料館には、
この提の紹介と、染飯の由来やレプリカが展示されていた。案内の方によれば
染飯は地元のイベントにあわせ、しばしば登場する由。多い時には年に20回
も作るそうだ。
今はごま塩をまぶすので赤飯のような味とのこと。包装紙も展示されており、そ
の版木は藤枝市の有形文化財に指定されている。図の下にある茶壷を描いた
ものがその版木で印刷した印影だ。
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