掛川から東へ1里29町(約7キロ)いくと、日坂の宿があります。
小夜の中山に差し掛かる上り坂の手前にあります。日坂または新坂
と言われました。段になった坂道の両側に「わらび餅」の店が並ぶ。
よしずを立てかけた店頭では「名物わらび餅、あがれあがれ」とにぎ
やかに呼び込みしています。
しかし、ここのわらび餅は、はらび粉で作られた普通のわらびもちで
はなくて、掛川で採れる葛の粉で作られていた。当時は日坂のわらび餅
は葛粉で通っていたようです。「物の名も所によるか新坂の蕨の餅は
よその葛餅」と狂歌に歌われているほどの、常識化していた。
またこの蕨餅は甘くはなかった。葛の粉で蒸し餅を造り豆の粉や塩を
加えて作られていたらしい。いわば「ごはん代わり」らしい。図の左側の
「山本や」の奥で、女性が「蒸したて、蒸したて、極熱、極熱」と言いながら
囲炉裏の鍋をかき混ぜている。
お客は椀によそったそれを、橋を使って「フ^フー」しながら食べている。
一椀が十六文(480円くらい)。これから小夜の中山の峠を越える旅人の
腹ごしらえの食べ物だったろうt。
お椀で提供する「わらび餅」の店は今はもうないが、今の日坂名物の「わ
らび餅」はわらび粉で作られて中にあんこが入ったお菓子だ。
製造発売元は「山本屋商店」だ。電話0537-27-1018 3日前に予約が
必要だ。
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