浜松市中区に布橋という地名があります。付近は犀ケ崖(サイガガケ)と言われている
切り立った崖に囲まれた谷です。崖の一帯を「布橋」と呼んでいます。
1572年12月、三方ケ原の戦で武田信玄に敗れた徳川家康は、浜松城に逃げ帰った。
追っ手の武田勢を阻むため、家康はその夜、犀ケ崖に白い布を張り橋に見せかけた。
武田勢は布と気づかずに橋を渡り、次々と谷底へ転落。徳川家康は一命をとりとめた。
こんな伝説が残っているが、布を端に見せかけるニハ50メートルもの布が必要であり、
雪でも積もっていなければ、見まごうこともあるまい。詳細な史料は残されておらず、
疑問も残る。
その後、崖の下からは死者のうめき声が聞こえると言われ、近隣では農作物の不作
が相次いだという。たたりを恐れた村人が霊を弔うために太鼓を叩きながら念仏を唱
える「遠州大念仏」を始め、今もお盆に披露している。
浜松観光ボランテイアガイドの会では、崖のそばにある犀ケ崖資料館を案内するため
布橋の由来を調べてきた。会員の山田亜男さん(74)は、富山県の寺院で極楽往生を
願い、橋の上に敷いた白い布を渡る儀式「布橋灌頂会」に注目する。
手塚会長(80)は、「資料館を訪れる人に戦国時代の逸話を伝えたい。地元の子ども
たちに、歴史ある地域に住んでいることに誇りをもってほしい」と話す。
犀ケ崖資料館
浜松市中区鹿谷町25−10 開館時間 午前9時〜午後5時
祝日の翌日と月曜日が休館 入城無料 電話 053-472-8383
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