巨人の秋季キャンプが7日、宮崎総合運動公園内でスタートした。現役時代と同じ背番号24のユニホームを披露した高橋由伸新監督(40)の下、約6時間打ち込みし、一人1000スイング以上の過酷メニューを消化。指揮官は昼食抜きでサンマリンから木の花、旧室内、ブルペンなど4か所を精力的に動き回った。橋本や中井に就任後初となる打撃指導を行うなど、濃密なキャンプ初日となった。
最後まで、元気いっぱいだった。午後5時31分。由伸監督が、グラウンドから宿舎へランニングで戻ってきた。表情には充実感がにじんだ。キャンプ初日は、午前9時10分にホテルを出発してから約8時間半、精力的に動き回った。「(練習内容で)改善できるところは改善して、良かったところは継続したい」と振り返った。
課題は今季リーグワーストの2割4分3厘と低迷した打撃力の向上だ。約1時間のアップは例年より30分は長く、打撃の基本である下半身強化から行った。その後、選手はバットを片手にサンマリン、木の花、旧室内と、場所を移動しながら午前11時半からの約6時間、ぶっ通しで打ち込んだ。一人計1000スイング以上の過酷メニューだった。
亀井がグラブを手に持ったのは午後3時過ぎだった。「2000スイングまではいかないですけど、こんなに振り込んだのは22、23歳以来じゃないですかね。グラブにホコリがたまっていましたよ」。春季キャンプは全体練習を行うサンマリン1か所で振り込み、その後、自主練習で木の花などを利用したが、秋は効率良く時間を使うことも狙いの一つ。個々のレベルアップがテーマで、練習は長く、中身は濃い。選手は休む暇もなかった。
由伸監督は現役時代と同じ背番号24のユニホーム姿で、大忙しだった。スタッフが運転する車で、まずは木の花ドームへ。就任後、最初の直接指導は3番候補の橋本だった。バットを引いた際のトップの位置が捕手よりに入りすぎる点などを指摘。指揮官が現役の時に行っていたバントの構えから打つ、いわゆるバスターでの矯正法も授けた。「本人の感覚も聞きながらね。何かのいいきっかけになればいいと思う」
旧室内に移動し、1時間後には木の花に戻った。午後1時半。食堂で小さなチョコクロワッサン1個をつまみ食いしただけで、3分後には隣接するブルペンへ。「やっぱり、監督になったばかりでいろいろと見たいので」と現役引退直後らしく、選手に負けない活発な動きだった。
今後の課題については「量も質もいい練習にしないといけない」と口にし、選手には「ずっと強い気持ちを持ち続けてほしいですね」と注文をつけた。「打たないと勝てないので」―。就任会見から攻撃力アップを宣言していたが、キャンプ初日から形で示した。
◆「エディー式」導入 攻撃力アップへ“エディー式トレーニング”を導入した。約5リットルの水が入った「コマンダー」という横長のバッグを使い、これを抱えながらスイングするように体を回転。その際、中の水が波打つためバランスを取るのが難しく、体幹強化やスイング矯正には最適だ。
実はこの練習、ハードトレーニングで知られるラグビー日本代表も取り入れていた。先日のW杯で、エディー・ジャパンが体格差をものともせず、世界の強豪国と激闘を繰り広げたことを考えれば、効果は保証されているも同然。一見、地味なトレーニングだが、片岡は「体が前に突っ込んだり、逆に後ろに体重が残っていると、水が動いてうまく振れない」と振り返り、松本哲は「バランスを取るのが難しい。腕も脚もキツい」と悲鳴を上げた。
伊藤トレーニングコーチは「筋肉の反応速度を上げるための練習です」と説明し、悪戦苦闘するナインの姿に満足げだった。
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