50万年の長きにわたって人類と蚊とを手玉に取り続ける、マラリア原虫の驚異的な技の解説です。 その自然科学的なメカニズムの解明です。 。
光源氏の「おこり」はマラリアの後遺症ではないか、チェーザレ・ボルジアの運命をかえた病気はマラリアではないか、チャールズ・マン「1493」ではアメリカでアフリカからの奴隷導入はマラリア耐性が黒人にあったためなど世界史のあちこちでマラリアは登場します。有史よりも、もっとスパンをながくとって、50万年の長きにわたって人類と蚊とを手玉に取り続ける、マラリア原虫の驚異的な技の解説です。抗マラリア剤をたちまち無力化し、私たちの防御機能——免疫を巧みにすり抜けて、微塵も衰えることなく人類集団の中に居座り続ける様を見れば、薬剤耐性細菌の脅威などは単純なものに思えるくらいです。ことマラリアに関しては化学療法剤や殺虫剤などは一時的な気休めに過ぎないのかもしれません。「赤の女王」状態ですね。。
ヒストリカル・スタディーズ13
人類五〇万年の闘い
――マラリア全史
2015年3月29日 初版第1刷発行
著 者 ソニア・シャー
訳 者 夏野徹也
装 幀 吉野愛
本文組版 中村大吾(éditions azert)
発行人 赤井茂樹
発行所 株式会社太田出版
ISBN978−4−7783−1438−5
C0095
目次
1 戸口にせまるマラリア
2 殺人鬼の誕生
3 激流の真っ只中へ
4 マラリアの生態学
5 薬物療法のつまずき
6 マラリアは宿命
7 科学的解決法
8 消えたマラリア
西洋からいなくなったわけ
9 スプレーガン戦争
10 新時代の闘い
謝辞
訳者あとがき
注
索引
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