1966年、ベトナム戦争下のジャングル・・・
ベトコンのトンネルを発見/破壊するのが任務である<トンネルネズミ>。この任務についた米軍偵察隊のとある分隊にエリクソン上等兵が配属された。作戦開始早々、トンネルにはまり込んで死にかけた彼を、分隊長のミザーブ軍曹が勇敢に救出する。ミザーブは仲間の信頼も篤い、有能な兵士であった。分隊には、ミザーブの右腕ブラウン、粗野なクラーク、おつむの弱いハッチャーなどの面々がおり、エリクソンは彼ら<チーム>に何とか溶け込むことができた。しかし、ある村に駐在したときにベトコンの奇襲を受け、ブラウンが死亡してしまう。人なつこい村人たちに気を許した瞬間に奇襲されたものだから、クラークなどは露骨にベトナム人を敵視し始める。そして移動した基地が厳戒態勢となって非番も取り上げられたことから、分隊のフラストレーションもたまり始めるのだった。ブラウンの替わりとしてディアズという兵士がチームに加わった翌朝、分隊は新たな任務に向けて出発する。トンネルを探すため、遠路を歩いて移動しなくてはならないので、ミザーブが「オレたちには慰安婦が必要だ」と言い出した。道中、小さな村に立ち寄って娘を一人ゲットしようと言うのだ。冗談だと思っていたエリクソンたちだったが、ミザーブとクラークは本当に若い女を調達してきた。家で寝ていた、まだ10代の女の子オアンを腕ずくで誘拐してきたのだ。エリクソンは、「こんなの犯罪だ」とミザーブに詰め寄るが、階級はミザーブのほうが上である。しかもクラークやハッチャーは、溜まった鬱憤を少女の股間に晴らす気満々。新入りのディアズは、ミザーブに嫌われないために同調する様子だ。分隊はエリクソンの主張を無視し、オアンを連れて行軍を開始。そしてまる一日歩いた夜、ミザーブらは山中の小さな小屋に設営し、エリクソンを見張りに立たせて遠ざけたのちに代わる代わる少女をレイプするのだった。翌朝、偵察中にベトコンのアジトを見つけたミザーブたちは、物陰に隠れヘリの援護を本部に要請する。だが連れていたオアンは、暴力の果てに体調を崩し咳が止まらなくなっていた。咳でこっちの場所が敵にバレるのはマズいし、味方のヘリが少女を見つけたらもっとマズい・・・そう考えたミザーブは、ディアズに彼女を殺させようとする。堪りかねたエリクソンは、ヘリ到着前に敵に発砲し、自ら火線を開く。だがエリクソンの努力も虚しく、激しい戦闘が繰り広げられる中でクラークたちはオアンを無惨に射殺してしまう。戦闘が終わり、オアンの死体を見下ろして呆然とするエリクソンだった。
部隊に戻り、中尉や大尉など、上官に事実を報告するエリクソン。ミザーブたちは犯罪者として裁かれるべきだと主張するエリクソンに対し、上官たちは揃って「口をつぐんでいろ。忘れろ」と声をかけ、事件をもみ消そうと図るのだった。いっぽうエリクソンの態度に苛ついた分隊の面々は、彼の殺害を計画。トイレに入ったエリクソンめがけて手榴弾を投げ込んだ・・・
『カジュアリティーズ』。露骨に戦争忌避を表明するデ・パルマ監督入魂の一作。マイケル・J・フォックスが単に爽やかイメージを払拭するために出た映画ではありません。痛烈な軍隊批判といつものデ・パルマ・タッチのケレンミが融合した異色作といえるでしょう。「いつ死ぬか判らないときだからこそ、人は自分の行動に責任を持たなくちゃいけないんだ」というエリクソンのセリフに感動するか鼻白むかで、評価は分かれるでしょうかね。モリコーネの贅沢なサウンドもいいし、一度は観ておいていただきたいベトナムもの映画です。
(通算986タイトル)
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