子供の頃、「きれいな音」「きたない音」の区別がつかなかった。今もつかない。
先生が和音を弾く。「はい、きれいな音ですねー。これがナニヤラという和音ですよー。」
…ナニと比べて、どこいらヘンが「きれい」なのか、全然判らない。
でも、私は利発な少年だった。ここで下手に「どこがどうキレイなのかわかりませーん」などと言おうものなら、この先生に目をつけられてしまう。ただでさえ実技が絶望的なのだ。この上「こいつにはセンスもねぇ」などと思われたらかなわん。
そこで、とにかく丸暗記することにした。これとこれとこれを一緒にならすと「和音」。で、それはキレイな音。それ以外の組み合わせはキレイじゃない音。この作曲家のこの曲は「短調」。「短調は悲しげな音」。おっけー。暗記したぞ。「どこがどう悲しげなんですか」とかそう質問をしちゃいけない。世の中はそう決まってるのだ。
きっと。そうやって考えてる小学生は、たくさんいると思うんだ。ね、音楽の先生の皆さん。そういう子供達を救ってやってくださいな。見分けるのは難しいと思うけど。
ログインしてコメントを確認・投稿する