消費者法ニュース発行会議
消費者法ニュース 第七三号
CONSUMER LAW NEWS
2007年10月31日発行
ISSN:1340−6515
判例全文掲載目次 <消費者法ニュースNo.73>
【最高裁判決の紹介と解説】
◇賃金業法43条の否定・原則として悪意の受益者
1 契約書面の「各回の支払金額」欄には「別紙償還表記載のとおりとします。」との
記載がある場合は、償還表の交付の認定をせずに一七条書面の交付があったと認め
ることはできない。
2 賃金業者が制限超過分を利息の債権の弁済として受領したが、その受領につき賃金
業法四三条一項の適用が認められない場合には、当該賃金業者は、同項の適用があ
るとの認識を有しており、かつ、そのような認識を有するに至ったことについてや
むを得ないといえる特段の事情があるときでない限り、法律上の原因がないことを
知りながら過払金を取得した者、すなわち民法七〇四条の「悪意の受益者」である
とされる。
(最二判/19・7・13)
◇悪意の受益者
賃金業者は、「みなし弁済」(賃金業規則法四三条一項)の適用がない場合には、…適用
があるとの認識を有しており、かつ、そのような認識を有するに至ったことについてやむ
を得ないといえる特段の事情があるときでない限り、法律上の原因がないことを知りなが
ら過払金を取得した者、すなわち民法七〇四条の「悪意の受益者」であると推定されるも
のというべきである。
(最二判/19・7・13)
◇過払金発生後の貸付についての一体計算と悪意の受益者
賃金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが、その受領につき賃金業法
四三条一項の適用が認められないときは、当該賃金業者は、同項の適用があるとの認識を
有しており、かつ、そのような認識を有するに至ったことがやむを得ないといえる特段の
事情がある場合でない限り、法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者、
すなわち民法七〇四条の「悪意の受益者」であると推定される。
(最三判/19・7・17)
◇過払金発生後の新貸付金へ過払金充当
利息制限法の制限超過部分を元本に充当し過払金が発生した場合には、当該過払金をその後
に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいるものと解するのが相当として
過払金発生後の新貸付金へ過払金充当を認めた事例。
(最一判/19・7・19)
【サラ金・商工ローン】
◇シティズ
期限の利益喪失後も長期間、多数回にわたって多額の弁済を受け続けること等により期限の
利益の喪失を宥恕し再度期限の利益を与えたとして、シティズの貸付金請求本訴を棄却し不
当利得返還請求反訴を認容した原判決を維持した事例。
(東京高裁判判/19・3・8)
◇取引経過開示(連帯保証)
連帯保証人は、自分が連帯保証人になる以前の賃金業者と主債務者との取引履歴についても
開示請求ができ、その開示請求が濫用にわたるなど特段の理由がない限り、開示拒否は違法
として損害賠償を認めた事案。
(大阪高裁判/19・6・8)
◇利息制限法過払金充当
第一取引と第二取引の空白期間が約一年、第二取引と第三取引の空白期間が約五ヵ月ある取引
について、各基本契約における契約番号並びにカード番号は異なるが、これらは一連の取引で
あり、通産計算をするのが相当とした。
(大阪簡裁判/19・6・14)
◇利息制限法過払金充当
第一の取引の最終日(昭和六三年一月一三日)から第二の取引開始日(平成一九年七月一一日)
まで、「九年六ヵ月」の空白期間がある場合でも、一連取引と認められた事例。
(相模原簡裁判/19・5・10)
◇特定調停の無効
特定調停において、申立人が分割で残債務を支払う調停に代わる決定が確定した後、特定調停の
錯誤無効により過払金を容認した事案。
(浜松簡裁判/19・7・11)
◇ヤミ金契約の無効
被告が犯罪行為である出資法違反の貸付を行っていたことは明らかであり、債務者と被告の人的
関係及び債務者が高利を認識していたとの事情を考慮しても、本件貸付は暴利行為として公序良
俗に反し無効であるとし、原告の請求を認めた。
(長崎地裁判/19・3・23)
【消費者契約法】
◇敷引特約の無効
賃貸借契約終了時に、敷金の一部を返還しない敷引特約が付されている事案で、この特約が消費者
契約法一〇条により無効になることを認めた。当該敷引特約は、敷金として差し入れた三五万円の
うち、契約終了時に五万円のみ返還する旨の特約であった。確定。
(京都地裁判/19・4・20)
【先物取引・悪質投資商法】
◇先物取引
先物取引被害による損害賠償請求において、過失相殺を否定した判決
(名古屋高裁判/19・6・28)
【欠陥住宅・悪質リフォーム】
◇欠陥住宅
設計者、施工者及び工事監理者は、契約関係になり居住者に対する関係でも建物の基本的な安全性が
欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い、この義務を怠ったために居住者らの生命、身体
及び財産を侵害した場合は、これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う。
(最二判/19・7・6)
◇廉価販売の過失責任
兵庫県住宅供給公社が、マンション販売の売れ残り部分を、三年後に約半額の値段で再販売したこと
につき、信義則に反する廉価販売であるとして過失責任を認めた事例。
(大阪高裁判/19・4・13)
◇欠陥住宅
本件は、鉄筋造二階建ての理髪店併用住宅(請負代金建物三三四七万円)について、外壁の多数の
ひび割れと雨漏り等の不具合の原因が、鉄骨接合の瑕疵、溶接の瑕疵(契約書添付の小規模鉄筋構
造標準図違反及び契約図書違反等)によるものであり、現場での補修が著しく困難であるから建て
替えを要するとして、建て替え費用、営業損失、慰謝料など、合計金四九五五万円を請求した事案
である。
(大分地裁判/17・8・4)
【大和都市管財事件】
◇大和都市管財事件・判決要旨
行政の規制権限不行使について、国家賠償法に基づいて、国に被害者に対する損害賠償を認めた事例。
(大阪地裁判/19・6・6)
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