「大安」
新橋・東洋会館で、暴力団「大日組」杉山組長娘の結婚式が開かれることになった。そこを関西の対立組織が狙うというネタを掴んだ黒岩は、東洋会館に問い合わせる。150人の披露宴だが、参列者で極道は杉山ただ一人。東洋便船社長が仲人で堅気だけの普通の式のようだ。襲撃の可能性は低いと考える深町だが、毎朝新聞が紙面でこの披露宴をすっぱ抜き、他の利用者から東洋会館にクレームが殺到する事態になってしまう。杉山は同日に式を控える家族を一軒一軒回り頭を下げていき、黒岩はその謝罪行脚に同行することに…
普通の刑事ドラマなら結婚式襲撃を描くけど、倉本聰だからそうはいかない。あくまで暴力団組長の父親ドラマが描かれる。行脚のシーンと、その後二人で鍋つつくとこでちょっと泣ける。
「女ごころ」
関西へ鉄砲玉を派遣するため、関東暴力団勢が会議を開いているらしい。その情報を洗う黒岩と丸山は、元ペイ中の女「おせい」から連絡を受ける。内縁の夫でヤクザの木元がハジキ持ってるというのだ。木元が鉄砲玉になったのではと考える丸山だったが…
中尾ミエと森次晃嗣がゲスト。ミエさんの密告が悲劇的な展開になる話で「別れたいけど別れたくない」複雑な女ゴコロを刑事ドラマに落とし込む良エピソード。銃のクローズアップでモーゼルHScが登場…暴力団らしからぬGUNセンスに唸る^_^
「再会」
目黒のホテルで「小松組」ヤクザ3人が瞬殺された。犯人・山岡文夫はチーフスペシャル使う殺し屋で大阪府警が追っている。府警四課から三沢刑事が上京し情報共有を願い出るも、深町は警視庁のメンツのため軍団に箝口令を敷いた。しかし三沢は、黒岩の奈良時代の師匠。そして恵子の事件の時に助けてくれた恩人でも合った…
警視庁VS大阪府警のメンツをかけた逮捕レース…とならずに人情ドラマになるのが大都会の味。ホテル・キングダムから被害者の身元特定に至るクロの閃きが見事。三沢役・藤岡琢也が好演。
「もう一人の女」
渋谷のマンションで爆発が起き、部屋から怪我人を含む数名の男たちが逃走した。借主は潮会系のヤクザたちだ。残留指紋から、神戸在住のヒロポン製造者・市村が浮上。黒岩と丸山が神戸に飛ぶが、黒岩には気になることがあった。「バー・ムンク」のホステス・ひろみの兄・木島がペイ中で、現場のマンションに出入りしていたのだ。木島と市村の生死を確認したい黒岩たちは、市村の妻・文子を張り込むが…
「欽どこ」でお馴染み真屋順子がゲスト。ひろみと文子という二人の女の姿を通して暴力団犯罪に絡み取られた一般人の悲劇を描いた話。
「前科者」
東南アジア製のリボルバー「ST3」が出回っている。関東連合が標準装備で輸入している代物だ。世間では、都内で天然痘が出たことで騒ぎになっている。衛生局が菊池という患者宅の消毒に回るなか、現場で拳銃が見つかった。その患者の接触者に津山順吉の名前を見つけた黒岩は彼の勤務先に向かう。津山は以前、黒岩が更生させた元極道だった。前科者ゆえに定職に就けなかった津山だが、今はクルマのセールスマンで落ち着いている。津山は菊池と接触していないと証言し衛生局は隔離しなかったのだが…
アウトブレイクものと人情刑事ドラマが合体したエピソード。先入観で疑っていいのかどうか悩む黒岩たち。津山の妻(春川ますみ)とクロがコーヒー飲むシーンが良い感じで、クロの「信じてます」が重い。そして津山(室田日出男)の「疲れるんです、何もかも…」からの暗転。確かに凄い脚本だわ。
「大都会 闘いの日々」その3
…結局今日は大都会祭りになってしまった。
やっと半分消化したので、あと二週くらいで完走できるかな。倉本聰が普通の娯楽刑事ドラマを書くわけないことは「駅STATION」で分かっていたけど、ここまで変則的とは思いませんでした。絶妙な匙加減で救いがないオチにするのと、セリフから浮かび上がるキャラの深みがやはり絶品。
ログインしてコメントを確認・投稿する