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2026年07月16日23:44

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水曜クビ×4日記1491:トロフィー



東京朝鮮中級学校に通う14歳の少女ソヒ。朝鮮舞踊部に所属し、芸術発表会で金賞を獲ることを夢みている。アッパ(父)は初等部の校長を務めているが、裕福な家庭ではない。初等部の生徒が激減しているのだ。ある日ソヒは、近隣学校交流会で富士見中学の女子生徒・未来と知り合い、お互いBTSの大ファンであることから意気投合。会費がかかるファンクラブに入っていないソヒのため、未来がフリマで稼ごうと提案し、家の不用品を売り捌いてくれて会員証を手に入れた。だがライブに行くカネまでは捻出できず、ソヒはオッパが大事にしていた勲章に手を出してしまう…



「トロフィー」


以下、日本がいやならネタバレに帰ればいいじゃん。


引き算引き算引き算引き算

1990年台のアタマまで都内の学校に通っていた俺は、ちょいちょい通学路で朝鮮学校の女生徒を見かけていた。なんで朝鮮学校と判るかといえば、全員チマチョゴリを着ていたからだ。チマチョゴリ切り裂き事件が社会問題化する前ではあったけど、俺が在学中にも切り裂き事件は起きていたと記憶している。幼い頃から朝鮮学校は謎めいた機関として認識していたし、んまぁ北バンザイ教育の場なんだろうなと漠然と思っていた。というわけで本作「トロフィー」で、初めてその朝鮮学校のリアル(に近いフィクション)に接することができたのは僥倖であったかな。時代は違うけど、通う子供たちも普通の思春期を送っていることがわかったのは収穫だった。

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いまや朝鮮学校の制服は普通の学校と同じになり、家庭内での会話はほぼ日本語。僅かに朝鮮語が混じるけど、食事の風景は我々と同じだ。ただニュースで北がミサイルぶっ放したと報道されたら、翌朝の小学生は集団登校システムになるし、ソヒもさりげなくカバンに付いてる朝鮮語が書かれたアクセサリーを隠すようになる。嫌がらせ行為回避の自衛的行動だろう。校門をくぐると、日本語は禁止。「昨日ディズニーランド行ってさあ」みたいなたわいもない会話が朝鮮語で展開する。教室の風景、職員室の風景も日本のそれとまるきり同じだ。しかしダンスの部活動における教師の指導には、言葉の端々に愛国・指導者崇拝を強要する雰囲気が漂ってくる。はっきり言えるのは、間違いなく朝鮮学校では思想教育が行われているということ。でもそれは日本文化の否定ではないし、(オッパはサザンのCDが宝物)韓国への敵意でもない。教育する方もされる側も単なるルーチンワークのように将軍様の偉業を説明し、聞き流している。彼らの思想教育は彼らの単純なアイデンティティであり祖国の記憶の継承に過ぎないのかも。少なくともテロリストやスパイの養成ではなさそうだ。在日4世となるソヒの世代は、親がどれだけ熱く祖国の良さを語ってもハナから信用はしていない。舞踊も「素敵だから」やっているだけで、やれ祖国を思って笑顔に、なんて指導されてもピンとこない。今や在日であることで差別は受けないし、韓流ブームのおかげでバイリンガルをむしろ羨む日本人の友達もできる。さらに北朝鮮絡みのグッズは珍品なのでオークションサイトですぐに売れる。…在日で良かった(笑)なんてセリフすら口にする世代なのだ。

そんな彼女が、自身のルーツと向き合うことになっていくのが中盤以降。結局は、祖国への思慕も大事だけど、まずは自分と家族を愛してこそ、というのが主題だと思う。普遍的で素晴らしい思春期映画だし、ダンス・音楽映画としてもツボを心得たエンタメ性もあるし、キャストの演技は見事だしで秀作。さらに学びを得られた上に在日朝鮮人への見方を変えさせるパワーも食らったりで、充実の鑑賞であったことから傑作と呼ばせて頂きます。オススメ中のオススメ。

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…アップリンク吉祥寺、めちゃくちゃ推してるなぁ^_^
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