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2026年07月03日23:21

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Wカップ2026北中米大会企画 第5回 「新しい景色」の先へ届かず――スウェーデン戦、ブラジル戦に見た日本代表の現在地

Wカップ2026北中米大会企画 第5回 「新しい景色」の先へ届かず――スウェーデン戦、ブラジル戦に見た日本代表の現在地

7月2日(木)Wカップ2026北中米大会での激闘を終えた日本代表のチームが、羽田空港に帰国した。過去Wカップの最高成績は、4度のベスト16である。「新しい景色を見る」ことを目的に戦ったチームは、結果的にトーナメント1回戦となるベスト32にとどまった。さらに上に行くには、個の力が必要だったと、選手達は口をそろえる。森保一監督の去就は明らかになっていない。チームは、2026年9月の国際Aマッチデーから再スタートを切り、2027年1月に開催されるAFCアジアカップ・サウジアラビア大会にて、3大会ぶりの優勝を目指して戦う。

 今回、予選リーグ第3節スウェーデン戦、決勝トーナメント1回戦ブラジル戦を振り返る。


 第1章 日本 対 スウェーデン戦



日本時間6月26日(金)午前8時 F組最終第3節 日本 対 スウェーデン戦が行われた。結果は1対1の引き分け。スウェーデンは、過去の2戦から変化を付けて戦ってきた。前線をギョケレシュとイサクの2トップに、エランガを加えて、3トップ態勢をとった。日本は、3バックに、過去2戦先発した板倉と伊藤洋輝に、瀬古をくわえた。初先発の瀬古は、強力な相手の2トップを見越しての起用だった。森保監督の期待にこたえ、ファウルを避けながら持ち前の体を張った対人守備を披露した。

 攻撃面では、チュニジア戦のようにスペースがなく、苦戦する。勝利を狙った日本は後半11分にゲームを動かした。中盤の右アウトサイドに入った菅原が、下がって受け手になる堂安にパスする。堂安は、右足の裏を使って、背後から飛び出す上田を狙ってボールを流す。上田は右足の裏でいったんキープし、堂安にボールを預ける。堂安は、エリア内の左に構えた前田に左足でダイレクトパスを送った。前田はオフサイドラインを掻い潜りながら、ゴール正面でボールを受け取り、飛び出したGKゼッテルストレームに動じず、右足でネット左に突き刺した。1対0.深く守るスウェーデン守備陣から、ワントップの上田がクサビになることで、マークがずれた。ポジションを変えながら流れるような攻撃は、スペースを作るうえでは最適だった。

 写真� 〜暗弔寮萓�ゴールシーン 
フォト

 リードを許したスウェーデンだが、6分後となる後半17分にエランガが、堂安を前にしながら、チャージを振り切った。右斜め45度から左足を振り抜き、ゴールを決める。GK鈴木は味方が影になりボールの出所をつかめず、反応が遅れた。

写真�◆.┘薀鵐�の同点ゴールシーン。
フォト

 失点を許した鈴木は、俄然気を引き締めてゴールを守る。続く20分、ペナルティーエリア付近で菅原がボールを失うと、狙っていたイサクに拾われる。イサクは即座に右足でシュートした。ショートバウンドしたボールは右ネットに向かった。左に体を倒した鈴木は、両手を伸ばしてはじき出した。

写真�� イサクのシュートを防ぐ鈴木
フォト

 スウェーデンに流れが傾く中、日本は守勢に回った。両監督共交代カードを切り、リスクを抑えつつ勝ち越し点を狙う。日本は後半31分に、5大会連続出場となる長友がピッチに立ち、選手達を鼓舞した。

 ロスタイムにはスウェーデンの猛攻で日本はピンチを迎える。48分、エリア手前の右からニグレンが出したスルーパスを、同点ゴールのエランガが受ける。右足で放ったシュートを、横飛びした鈴木がセーブした。

 鈴木は長いリーチを生かし、球の軌道を見極めて、的確にボールに反応する。試合は1対1の引き分け。後手に回った日本は、鈴木の好セーブによって助けられた。

 グループ2位が確定した日本の次の相手はブラジルである。個の圧倒的な力を持つ相手に対して、いかに対抗するか、課題が突きつけられた。
 
   


        第2章 日本 対 ブラジル戦 レポート


 
 日本時間6月30日(火曜日)午前2時 決勝トーナメント1回戦 米国テキサス州ヒューストン・スタジアムにて、ブラジル 対 日本戦が行われた。

 前半当初、メインスタンドから見て右から左に攻める日本は、左ウィングの前田が果敢に前からプレスをかけてプレッシャーをかけた。ブラジルは中盤のアンカーを務めるカゼミーロにボールが落ち着き、パスを繋いで、スペースを探る。3分間のハイドレーションブレイク明けに変化が起こった。佐野がセンターサークル付近でインターセプトすると、そのままドリブルを仕掛ける。前のスペースを見て、右足でシュートを放った。ピッチをショートバウンドしたボールは、左手を伸ばしたGKアリソンの指先を抜けて、左ネットに突き刺さった。1対0.佐野はボール奪取からフィニッシュまで高い個人技を披露した。

 写真�ぁ〆缶邀そ�の先制ゴールシーン
フォト

 日本は徹底して守備に入る。3バックの右の富安と右のアウトサイドの堂安が、ビニシウスをカバーした。


 後半ブラジルは一気にギアを上げていく。6分、右サイドからのクロスを、ギマランイスがヘッドであわせる。左方向に飛んだ鈴木がセーブした。日本はワントップの上田もセンターサークルより後ろに下がってボールを受ける準備をした。左サイドの前田は積極的に相手にプレッシャーをかけていく。後半開始からも一点を守り、カウンターの機会をうかがうべく、休まずに走り続けた。守備一辺倒の中、選手達の体力は削られていく一方だった。後半11分、ブラジルはセンターバックのマガリャンイスが、中央より左側からファーサイドのカゼミーロを狙ってクロスを送った。カーブを描いたボールを、マークから離れたカゼミーロは、ヘディングで叩き付けた。至近距離からのシュートに、GK鈴木は反応できず、左ネットを揺らした。1対
1、ブラジルは、センターバックを押し上げ、畳み掛けるような攻撃が功を奏した。

 写真�ァ�1対1の同点となるカゼミーロのヘディングゴールシーン。
フォト

逆転を狙って12分、左サイドに張ったビニシウスがゴール前に入り、右足でシュートを放った。どっしりと構えた鈴木が左手を伸ばした。辛うじて指先でボールを弾くと、ファーポストに当たって、跳ね返った。

 写真�Α.咼縫轡Ε垢了蟠甬�離からのシュートを阻止した鈴木
フォト

 後半ブラジルのテクニックを前に、耐える時間が続く。ワントップの上田はマルキーニョスを背負ってキープできる。ただし防戦一方の展開では、センターサークルの後ろで守備に時間を費やした。後半18分に、唯一のチャンスが訪れる。左サイドから上田がボールを持ち込み、エリアに入ったところで、右足のつま先でシュートする。しっかりとインサイドのスペースをケアしていたGKアリソンはボールを抱え込むような姿勢をとる。球の勢いによって前に弾いたものの、しっかりとケアする。ゴールライン際を転がったボールを落ち着いて抱え込んで、ゴールキックからリスタートした。

交代で入った田中碧と共に前田が引き続きプレッシャーをかけていく。同じく途中で投入された右アウトサイドの菅原は、ビニシウスをチェックした。

 ブラジルが一方的に攻め込む中、日本のメンバーは運動量を失いつつあった。両国の監督は延長戦を見据えて交代カードを残していた。日本の先発メンバーが体力的に限界を迎える後半49分、勝負は決した。田中碧がルーズボールを物にして、クリアのタイミングを探った際、エンドリッキにボールをさらわれる。右のペナルティーエリア内でエンドリッキは、ゴール前の様子を確認する。日本の最終ラインは、重心を下げる。エンドリッキは縦へ強引に打開せず、マイナス気味にギマランイスへパスした。ギマランイスはすぐには打たずにボールを収める。右足を振るような仕草で日本の守備陣をひきつけて、中央に構えるガブリエウ・マルティネッリへ縦パスを差し込んだ。

マルティネッリは、背後から寄せる守備の圧力を受けながらも、トラップから素早く体を入れ替える。日本の寄せは決して遅れていたわけではない。ただ、足元に収めてから前を向くまでの速さが、一瞬だけ上回った。右足で放たれたシュートは低く鋭く、鈴木が反応するより先にゴールへ流れ込む。2対1。

 写真�А.屮薀献襪竜嫖哨粥璽襯掘璽�1枚目
 写真�─.屮薀献襪竜嫖哨粥璽襯掘璽�2枚目
フォトフォト

ブラジルは狭い局面でも足元の技術を生かして、ボールを保持し、フェイントひとつで守備側の間合いをずらす。日本は最後まで体を寄せ、球際でも粘ったが、ゴール前のわずかな半歩を埋めきれなかった。個の技術と判断の速さが、試合の最後に勝敗を分けた。



ボール支配率はブラジルが約66%、日本が約34%だった。いかにブラジルがゲームをコントロールしていたか、明確に表れている。日本は、規律ある守備と一対一での献身的な対応を最後まで求められた。最後の最後で日本のマンマークを、ブラジルは競り合いの強さとテクニックで押し切り、90分で勝ちきった。

 写真�� ブラジル戦の終了後、先制ゴールの佐野海舟を労う森保一監督
フォト

 がっくりとうなだれる田中碧に対して、先発でワントップを務めたクーニャが近づいた。クーニャは、やさしく田中碧の方に手をかけて、やや前かがみになりながら、同じ目線に立って語りかける。確かに後半49分、田中碧はクリアのタイミングを探っていた。無理にボールを蹴っても、拾われてしまう状況だった。後半の日本は、引いて守る時間が長すぎて、トップの上田が孤立気味だったのである。フィジカルやスピードにおいて、両国の差は顕著だった。

 写真�� 試合終了後 田中碧を慰めるブラジル代表のマテウス・クーニャ
フォト

 試合に負けたとはいえ、大会を通して現在地を再認識できた。組織力、献身性、守備意識の高さにおいては、土台を改めて示した。一方で、「新しい景色」を見るためには、強豪国の圧力を受けた中でも局面を変えられる個の力、試合の流れを引き寄せる技術が足りなかった。押し込まれた時間帯でも前進できる攻撃の厚みが必要だったのである。確かに直近2大会で記録したベスト16を下回る結果だった。海外でプレーする選手が着実に能力を伸ばしていた。ただし、世界との差は縮まっていなかったのである。2027年アジアカップ、そしてその先へ向け、日本代表は再出発を図っていく。



 以下 出展先

� 〜暗弔寮萓�ゴールシーン 出展:共同通信社より 掲載元 信濃毎日新聞デジタル 2026年6月26日10時14分付 https://www.shinmai.co.jp/news/article/gf01d8ut281t9dl924l86hhg

�◆.┘薀鵐�の同点ゴールシーン 出展:共同通信より 掲載元 デイリースポーツ 2026年6月26日 https://www.daily.co.jp/soccer/wc2026/2026/06/26/0020520038.shtml?ph=4


写真�� イサクのシュートを防ぐ鈴木 出展:AP通信 掲載元 日刊スポーツ Wカップ2026 フォト欄より https://www.nikkansports.com/soccer/worldcup2026/photonews/photonews_nsInc_202606260000596-4.html



写真�ぁ〆缶邀そ�の先制ゴールシーン 掲載元 中日スポーツ 6月30日6時16分付 https://www.chunichi.co.jp/article_photo_chuspo/list?article_id=1274248&pid=7278244

写真�ァ�1対1の同点となるカゼミーロのヘディングゴールシーン。 出展:Getty Images 掲載元 フットボールチャンネル 6月30日付https://www.footballchannel.jp/2026/06/30/post935400/ 

写真�Α.咼縫轡Ε垢了蟠甬�離からのシュートを阻止した鈴木 出展:ロイター通信 掲載元 フットボールチャンネル 6月30日付 https://the-ans.jp/soccer-world-cup/699859/

写真�А.屮薀献襪竜嫖哨粥璽襯掘璽�1枚目 出展:共同 掲載元 産経新聞 6月30日午前4時 https://www.sankei.com/article/20260630-4E6LCCYNNJEK7PADQXHMRU447M/photo/Y6UK5KFEOBMSXJV26CNIT5ALVQ/?outputType=theme_soccer_worldcup2026

写真�─.屮薀献襪竜嫖哨粥璽襯掘璽�2枚目 出展:ロイター通信 掲載元 日刊スポーツ 写真ニュース欄より https://www.nikkansports.com/soccer/worldcup2026/photonews/photonews_nsInc_202607010000711-0.html

写真�� ブラジル戦の終了後、先制ゴールの佐野海舟を労う森保一監督 (撮影・足立雅史)掲載元 日刊スポーツ ワールドカップ2026 写真ニュースより
https://www.nikkansports.com/soccer/worldcup2026/photonews/photonews_nsInc_202607010000428-3.html


写真�� 試合終了後 田中碧を慰めるブラジル代表のマテウス・クーニャ 出展:Getty Images 掲載元 ゲキサカ 2026年6月30日11時17分付
https://web.gekisaka.jp/news/worldcup/detail/?454621-454621-fl

以下 関連作品

 前回 Wカップ2026北中米大会企画 第4回 <2026 W杯とK-POP――スタジアムで交差する熱狂> https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992423623&owner_id=32437106&from=list_diary_title

第3回 
2026年6月25日付 企画(3)欧州予選未勝利でもW杯へ 日本が警戒すべきスウェーデンの実像
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1992397727&owner_id=32437106

以下 マテウス・クーニャが決勝点を決めた東京オリンピック2020 決勝戦 ブラジル 対 スペイン レポート

2021年8月9日付 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980026031&owner_id=32437106&from=list_diary_title







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