【「いちばん大きな翔平」が、
「いちばん小さな翔平」に会いに行った日。】
2019年1月。
大谷翔平は、メジャーで一番熱い男だった。
新人王。
二刀流。
ベーブ・ルース以来の衝撃。
アメリカ中が、次のシーズンの大谷を語り始めていた。
そんな時期に、彼はある病院へ静かに足を運んだ。
試合でもない。
イベントでもない。
カメラの前でもない。
大阪の、ある病室だった。
そこにいたのは、川崎翔平ちゃん。
1歳。
拡張型心筋症。
生まれて間もなく診断され、ずっと闘病していた。
日本では助からない。
アメリカで、心臓移植を待つしかない。
まだ言葉も話せない。
歩くこともできない。
そんな小さな体が、あまりにも重い現実を背負っていた。
でも、ここに"もう一つの翔平"がいた。
実は翔平ちゃんの名前は、偶然じゃない。
二刀流で活躍していた、あの大谷翔平に。
あやかって名付けられた名前だった。
依頼は、ご両親と支援者から来た。
「うちの子に会ってもらえませんか」
普通なら、断っても誰も責めない。
オフシーズンとはいえ、世界中から取材が殺到する立場。
スケジュールは異常に詰まっている。
でも大谷は、即答で快諾した。
面会の場に、派手なものは何もなかった。
会見もない。
発表もない。
ただ、会議室。
ベッドで眠っていた翔平ちゃんのほおを、そっとさすって、
大谷はこう語りかけた。
「翔平くんっていうんだね」
そして、膝の上に抱きかかえる。
抱かれた翔平ちゃんは、きょとんとしていた。
自分を抱いている人が誰なのか、わかるはずもない。
新人王も、二刀流も、わからない。
ただ、知らない大きな人に抱っこされている。
それだけだった。
帰り際、大谷はご両親にこう言った。
「早くドナーが見つかるといいですね」
色紙には、こう書いた。
「頑張れ翔平くん」
この場面、よく考えるとすごい。
ここには、見返りが一つもない。
試合じゃないから記録に残らない。
ファンサービスでもないから話題にならない。
そして何より――
抱かれた本人は、この日を覚えていない。
1歳だから。
スターが拍手の中で見せる優しさは、まだわかる。
でも大谷が会いに行った場所には、拍手がなかった。
歓声もなかった。
ただ、名前を同じくする小さな子と、
その回復を祈る親がいただけ。
人柄って、たぶんこういう場所に出る。
誰も見ていない部屋。
記憶にすら残らない時間。
そこで何をするか。
翔平くんは、たぶんあの日のことを覚えていない。
でも、大谷翔平は、ずっと忘れない。
#大谷翔平 #ドジャース #ShoheiOhtani #Dodgers
https://m.facebook.com/groups/3690081474581914/permalink/4447376028852451/
ログインしてコメントを確認・投稿する