神奈川、そう遠くない未来…
工務店経営者の健介、建築士の音々。この夫婦は先ごろ、幼い息子・翔(かける)を亡くしている。ある日、AI企業リバースの販促キャンペーンとかで本物そっくりの子供ロボットを持てる権利が当たり、翔そっくりのヒューマノイドを迎えることになった。息子の死を無かったことのように愛情を注ぐ音々に対して、健介は困惑し〈カケル〉から距離を置こうとするのだが…
「箱の中の羊」
以下、星のネタバレさま。



スピルバーグの「A.I」を文学的に再構築したような是枝作品。確かに悪くは無いし、大悟(千鳥)の存在意義も抜群にあるのだが…
是枝さんの映画に期待する切れ味というかヒリつく感じが無い、フツーのSF寓話に収まってしまった感は拭えない。要らなくなった機械を気楽に捨てる人間の非情さ、ロボットだけの安息の地を求めるエクソダスなどはこれまでのSFでやられてきた要素で新味に欠けるし、終盤に夫婦が彼らを手助けする展開は急過ぎてちょっと受容し難い。大体、捜索願いの出ている人間の子2人がいる以上、あれ立派な犯罪じゃねーかという気もするし。ロケーションと音楽は素晴らしく〈映画〉を楽しんだ満足感はあるけども、何とも納得度は低い作品。ユーザーに丸投げで、GPSが外れていることに気付きながら何も手を打たない企業〈リバース〉の闇が気になるばかりだった。
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