mixiユーザー(id:68589395)

2026年01月18日19:53

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獣への回帰

 若い頃に書いた小説を投稿します。

僕は自分が大人になるにつれてマリオネット(操り人形)になっていく気がしてるんだ…。君はそんな事ない?


興味のある方はどうぞ…。
それでは始まります…。





 僕は最近、自分が、ただのマリオネットに過ぎないんじゃないか、って感じるようになってきたんだ。年を取れば取るほど、窮屈になってきた気がして、一体、本当の僕はどこに行ったんだ、なんて叫び出したくなる。色んなもの、例えば、会社とか人間関係とか一般常識とか世間体とか、そういったものにがんじがらめにされて、窒息しそうなんだ。こんなの僕だけかな? 人間は子供の時は自由だけど、大人になるにつれて、遅かれ早かれ、マリオネット(操り人形)になっちゃうね。
 でも、そんながんじがらめになった自分をほどけるのは自分だけなんだ。僕は両手を固く握り締めてから、走って会社を飛び出した。休憩時間が終わりかけだろうが、かまうものか!
 僕は表に出てから、全力疾走で走り出した。道行く人達が、驚いて、僕を見ているがそんなこと、かまうものか! 僕は走りながら、叫び出した。ギャギャギャギャー、ギャッギャッギャッ! 段々と気持ちが昂ぶってきた。ネクタイをはずして、道路に投げ捨ててやった。前方に僕好みの女がいたので、抱きついてやった。女は「キャー」と絶叫した。僕はかまわずに彼女を抱きしめ続け、両手を万力のように、じょじょに締め上げてやった。
女は苦しがって、たまらず、僕の腕に思い切り噛み付いた。痛い、痛い、半端じゃない。僕は両腕を離して、すぐさま、彼女の顔面に思い切りパンチを叩き込んでやった。女は白目を剥いて道路に倒れ込んだ。あの感触からすると、間違いなく、鼻の骨が折れているだろう。彼女の鼻は、真横にへし曲がり、濃い鼻血が流れ続けている。僕は顔を前に突き出し、遠い前方を見つめて、ヘヘヘと笑いながら、再び、前方へと、今度は、歩き始めた。携帯電話が鳴っている。多分、会社からだろう。僕は、自分の携帯をへし折った。かまうものか! コンビニへと入った。一瞬、男の店員が僕を不審な顔で見たが、すぐに業務に戻った。僕は大好きなチョコレートを山程抱えて、店員を無視して、そのまま店を出た。さっきの男の店員が、すぐさま僕を追いかけて来た。僕はチョコレートの山をいったん地面に置いた。そして、店員を迎え撃った。先程と同じように、パンチを思い切り、彼の鼻に叩き込んでやった。店員は吹っ飛んだ。起きてこず、そのまま、気絶したようだ。彼の鼻もぺちゃんこに潰れ、ドロドロと濃い血液を流し続けていた。アドレナリンが分泌されているのか、僕は最高にエクスタシーを感じていた。オオーオオーオオーと狼の遠吠えのような叫びを上げてしまった。ゆっくりと2本の腕を地面に着いた。そして、狼のように4本足で僕は走りだした。

しばらくして、僕は2人の警官に取り押さえられた。そして、手錠をされ、警察に連行された。僕はまた不自由になった。



がんじがらめって、不自由って、人間になるって、そういうことだったんだね。人間にとって、本当に大切なことだったんだね。僕が行こうとしたのは獣の道……。全てを失ってしまった。



 FIN


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