ロシア…
1970年代後半から立て続けに女性が殺されている。口の中に泥を詰め、最初に背中を刺してからメッタ刺しにして下腹を裂くという陰惨な手口だ。1981年に捜査責任者となった検察庁捜査官イッサ・ダビドフは、杜撰なファイル管理などを改善させて刑事チームをまとめ、被害者家族に寄り添うよう指導していく。しかし地道で入念な捜査は実を結ぶことなく、容疑者が上がらないまま数年が経過。結局1988年、愛人ベラが犯人の毒牙にかかったことを期に、イッサはある精神病兄弟を犯人と断定し逮捕してしまう。
そして1991年…再び女性が同じ手口で襲われる。しかし被害者には息があり、犯人を特定できた。森の中で1人暮らしをしている元工員アンドレイ・ワリタだ。三年前の逮捕は誤認だったのか?と悩むイッサは部下と共にワリタを自宅で逮捕、マスコミの目を避けるため、そこで尋問を開始する……
「殺人鬼の存在証明」
刑事と真犯人が対峙する地味な「取調室モノ」かと思いきや、かなり予想外で驚きの展開を見せてくれます。記録魔刑事イワン、子供殺しの死刑囚〈チェスプレイヤー〉などの個性的なキャラクター、ネクタイ留めやナイフなどの小道具伏線も効いていて、なかなか上質のミステリー。被害者自身が犯人を罰する「エトルリアの処刑」で幕を閉じるのは最高でした。事件が完結するのが1991年というのが象徴的で、ソ連崩壊になぞらえて大量殺人と過去の復讐が終わるというのが何とも味わい深い。オススメ。
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