1994年ニューヨーク。窃盗罪で収監されていたライカーズ刑務所を出た元美容師アイネスは、その足でブルックリンに向かう。路上生活を共にした息子テリーに会うためだ。今は里親暮らしのテリーだが、6歳になって反抗的で、脱走を企てて怪我をし入院中の身だった。病室に現れたアイネスは、ママにもう捨てられたくないと口にするテリーの気持ちに押され、病室から連れ出し故郷であるハーレムに潜伏することに…
「サウザンド・アンド・ワン」
thousand and oneとは、アイネスとテリーが暮らした月日のことだろう。物語は中盤から10年後…テリーの高校時代へと移っていく。
ハーレム版、かつリアルな「あなたを奪ったその日から」ですね。アイネスのヤンママぶりが共感度低く、プロットも平板ながら、低所得層の生きづらさ映画として充分見応えのあった一本。リアルに日本ならラッキーのキャラは虐待に走るクズになるだろうが、劇中そうならないのが救い。遠い山なみの光・侵蝕・8番出口と、〈親と子〉関係や親の資格についての映画ばかりを観ている中で、偶然にも本作に出会った次第。正直、サンダンス映画祭グランプリ(審査員賞)はちょっと過大評価な気もするが、見る価値あり。自社製作でもないこの手の映画をNetflixで配信するのは珍しいのでは。
ちなみに2000年代のニューヨーク描写で、「ストップ・アンド・フリスク」という耳慣れない言葉が登場。NYPDの職質法で、制止&身体検査のことらしい。実生活では何の役にも立たない知識だけが増えていく…
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