カラオケマック…大池通りにあるカラオケボックス。高校ぐらいからちょいちょいお世話になった。今度いくかな…。
彼女を失って数時間…俺はカラオケ屋にきていた。
何でだ…
シノブがいなくなった後、立ち尽くして…。
彼女がいた壁に寄りかかった。
戻って来て欲しいけれど…
そんな事はあり得なかった。
泣いて…
それから
…トモアキにメールした。んだろうな…もう20年も前の話だ…よく覚えてないけど
『シノブと別れたよ』
とか…か。
男友達にメールを送ってどうにかなるものでもないんだけど…。
幼稚園来の友人、トモアキはボランティア団体【KKC】に参加していたので、シノブのことは知っていたし、トモアキの彼女…リョウコと4人で遊びに行ったりした事もある。ダブルデートってやつだ。
メール送信して1分ぐらい…
すぐに電話が鳴った。
いつもは連絡つかないが、間のいい男だ。
…。
「よぉ…」
通話ボタンを押して電話に出る。泣いている事を悟られないように…機嫌悪いような低い声をしぼり出す。
「あ〜もしもし?利根くん大丈夫かぃ?」
トモは間の抜けたのんびり口調。後ろに話し声がするのは男連中で集まっていたのだろう。
…。
大丈夫かって聞かれるとな…
「…駄目かもしれん…俺…」
かすれそうな声が裏返って高い音が出る…ダサい。
…立ち直れる自信はなかった
少しの沈黙。
「…そうかぁ…。ちょっと…いこうかそっち。今アパート?」
トモはそう言った。
「ああ…悪い…」
声が裏返りそうになり…ありがとうまでは言えなかった。
男友達と会っても何もならんだろうけど…この空間に一人はキツイ…。
情けない…自己嫌悪も心にしみ出す。
…。
電話の向こうで
「俺も行っていいのかな…」
キヨの声がした。
キヨヒサという男は高校の時、俺が好きだった女の子に…俺がふられた直後にちょっかい出したので…それ以降無視(シカト)していた。
シカトって何なんだろうな…。花札がどうとか聞いたが…
そうだ…鹿がそっぽをむいていて…
「ミヤケと…あとキヨもいるんだけど、いいかい?」
トモアキが取り成す。
「ああ…問題ない」
高校の時と違う女にふられてボロボロなんだから…もうどうでもいいだろう。
15分もすると野郎共は3人で俺の所へ来てくれて。
とりあえずダラダラと酒でも飲もうということで…大池通りのカラオケ屋に来た。
外階段を2階へ上り店内へ。
「フリータイムで」
カウンターでトモアキが告げた。
夜の始まりだな。
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