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2025年05月01日23:21

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出張先にて







この話は




30代前半の井川さんという方が





東北地方のある県に




出張に行った時の話で




出張期間は短く




約1ヶ月間で




出張の内容は




自身の仕事に関係する




資格を取得する為に





受講しなければならない





「研修」でして





研修期間中の滞在先は




会社が用意してくれていて




宿泊費も払ってくれている







出張当日になり





「それじゃあ…しばらく寂しくなるけど」
「行って来ます」





いつも行き帰りを出迎えてくれている




奥さん、まだ幼い長男と長女と




離れて1ヶ月暮らすのは




井川さんにとっては相当辛い事ですが





何とか堪えて、表情は笑顔で明るく振る舞い





自家用車で出張先に向かった…






出張先に到着して





まず、1ヶ月間研修を受講させてもらう




講師の方々に挨拶に向かった





一通り終わると




会社指定の宿泊先のホテルに向かった





宿泊先は、6階建てのビジネスホテルで 






「たかが1ヶ月の研修だけでこんな良い場所…」






「相当高いんじゃないか!?」





井川さんは戸惑いつつも…





車を降り、荷物を取り出す





外観がとても綺麗で明るくて






「いらっしゃいませ」





「御予約の井川様ですね」





「荷物をお持ちしましょうか」





「受付までご案内致します」






ホテルの従業員数人に丁寧に出迎えられて





井川さんは少し恥ずかしく気まずい気持ちで





ホテルの中に入って行った…






ホテルに入り





受付で




「◯◯社で予約していた井川と申しますが…」





と伝えた時に





受付の方が開口一番





「あの〜…何時頃お休みになりますか?」






と聞いて来たので





「ん?何でそんな事聞くんだろう?」




と思いつつも





「あ〜…大体22時位ですかね」





と返すと






「えっと〜…」
「休日とか0時を越える事ありますかね?」





「いえ…多分無いと思います」





「あ!分かりました」
「それでは4階の部屋にご案内しますね」





と言われた





エレベーターに乗り込み




4階に向かう




ちょっと引っかかるものがある…





4階に到着して




案内係の方に部屋の鍵を開けてもらい





「こちらが鍵になりますのでお持ち下さい」





と、鍵を受け取り





案内係はロビーに戻って行った






部屋の中に入ると




部屋の奥にベッドが1つあって




隣にクローゼットがあり




お風呂はユニットバスと




ごく普通の簡素な部屋の作りで







「このホテル…外観はめちゃくちゃ良いけど」






「部屋は至って普通…まぁ、いいか」






部屋のベッドに座って




携帯電話を取り出して




無事に到着してホテルにも入った事を伝える為





奥さんに電話をかける





2人の子供達とも話し





1時間程して電話を終えた






家族から元気をもらい






「よし…取り敢えず1ヶ月間頑張るぞ」






研修期間が始まった





しばらく1週間程生活する…





研修も順調に進む





そこから2週間…





更に3週間…





「ここはこうで…こういう事か」





自身でも何かしら手応えを感じ





自信がついて来る







研修も終盤に入り





1ヶ月が経とうとしていた






ある日








昼間に研修先の上司に急に呼び出されて





「ちょっと早いんだけどさ」




「もうある程度研修も終わって」





「やる事ないからさ」





「もう帰って良いよ」





と言われた






「え!?良いんですか?」





井川さんが驚いていると







「良いよ」
「お疲れ様でした」






そう言われて井川さんは






「やった〜…やっと帰れるよ…」






と心の中で喜んだ








「まだ昼間だからな…」
「この後特に何もやる事がないな…」
「さて…どうしようか…」





勿論、遊びに来たわけではないので





何処か行きたい場所も特にない…





しょうがないと思って





取り敢えずホテルに戻る





部屋に入り





椅子にドッと腰を掛ける





テレビを点けて




チャンネルのリモコンを何度も弄りながら

 


ただひたすらダラダラとテレビを観る…





「あ〜…面白い番組もやってないな〜…」





テレビを消して、リモコンを置き




ベッドに思いっきりダイブするかの様に




「ドゥッ!」




うつ伏せに寝っ転がる




しばらくすると




ウトウトして来て…



そのまま寝てしまった…








どの位か時間が経って




ふと目が覚めた…




辺りはもう真っ暗で




夜になっていた






「あ!もうこんな時間か…」
「腹減ったな…飯でも食いに行くか」






部屋を出て




エレベーターで1階に降りて行き




ホテルを出て




外に夜食を食べに行った





食べ終わり店を出る





近くにコンビニがあるので立ち寄り





缶ビールとおつまみや




翌朝食べる弁当を購入し






レジ袋を下げて上機嫌で






ホテルに帰って来る





エレベーターで再び





4階の自身の部屋に向かう





部屋の鍵を開けて、中に入る





先程まで寝ていたので




眠気が全くない




ただ、研修はもう終わってしまったので




次の日の準備もしなくて良いので




何もやる事がない…




暇なのでテレビを点けて




頬杖をつきながらボ〜ッと観る…




缶ビールを飲みたくなり




缶ビールを取り出し、自身に向かって





「お疲れさん!」





大声で自身を労う様に叫んで





一気に飲み干す…





おつまみも食べ始めて




段々と酔いも良い感じに回って来る






しばらくして、テレビを消し





携帯で自身の奥さんに電話を掛ける




「研修が意外に早く終わっちゃってさ〜…」
「もう今何もやる事なくて暇でね…」
「子供達は元気?」
「明日パパ帰れるからねって言っておいて」
「何かお土産探して買って来るから…」




2時間程会話をして、電話が終わる




ふと時計を見たら




いつの間にか0時を越えていた





酔いも回っているが




全く眠くならない…





「取り敢えず…横になりますかな…」





と、再びベッドに向かおうとした




「コンコン…」
「コンコン…」
「コンコン…」




部屋のドアをノックする音がする





「あ!はい」





返事をして、ドアに向かう





ドアの覗き穴を見ると




誰もいない…





「気のせいか…」





と思い、再びベッドに向かう






「コンコン…」
「コンコン…」
「コンコン…」






また鳴ってる





ドアに向かい






再び覗き穴を見てみる…






誰もいない…







「何なんだよ…全く…面倒だな…」






ちょっと頭に来た





ただ、考えていてもしょうがないので





再びベッドに向かって走って行き



 


「ドゥッ!」





思いっきりダイブした






すると今度は







「ピ〜ピピッ」






音がした…






部屋の鍵はカードキーで






開けるものなのですが







この






「ピ〜ピピッ」という音は






外からカードキーを使って







開ける時に鳴る音だそうで







この部屋のカードキーを持っているのは






井川さんとホテルの従業員しかいないので






「え〜〜っ!?」





と思って






恐る恐る…再び覗き穴を見た







やはり誰もいない…







「本当に誰もいないのか?」







流石に気になるので








「ガチャ…」






「キィィィィ〜ッ」







思い切ってドアを開けた






その瞬間






「サ〜〜〜ッ!!」






冷たい強風の様な風が吹いて来て





「うわっ!?」





井川さんは全身に鳥肌が立った…






「開けちゃいけなかったのかな…」






と思い、急いで







「バンッ!」






ドアを閉める






クルッと振り返って






ベッドの方に向かおうとした時






物凄い違和感があった…






井川さんが閉めていたはずの





ベッドの横にあるクローゼット





ユニットバスの扉





先程まで閉まっていたのに





全部開いている…








「な…何なんだよ…これは!?」







と思った瞬間






「パタンッ!」






目の前でそれ等が勢いよく閉まった







「シャ〜〜〜ッ!!」








扉が閉まったタイミングで







ユニットバスからは







シャワーの音が聞こえて来る…








「うわ…うわうわ…どうしよう…」






「これ絶対にヤバいやつだ…」






「うわ…どうしよう…」






部屋の入り口の横に






ユニットバスがあり





急にそんな事が起こり始めたので





あまりの恐怖で身体が固まってしまい




動けなくなってしまった…





「ど、どうしようか…」





と思っていると





自身と同じこの4階に





一緒に研修に来ている





同僚の加藤さんが





泊まっているので




恐怖でガチガチになっている身体を




何とか動かしながら




テーブルまで行き




携帯電話を握り





その同僚の携帯の番号を押して





電話を掛ける…





6回目のコールでようやく出てくれた





「どうした?こんな時間に…」





「あ、あのさ…こんな遅くに悪いんだけどさ…」





「ちょっと頼むから…」




「俺の部屋に来てくれないかな?」





「た…多分鍵が開いてるはずだからさ…」





と井川さんは震えながら言った





すると加藤さんは





「あぁ、分かったよ」





と返事をしてくれて





電話が切れた





廊下から





「トントントン…」





足音が聞こえて来て





「お〜い、来たよ」




加藤さんの声がする





「ガチャ…」





井川さんがドアを開けると





「どうしたんだよ?」





「何かあったのか?」





加藤さんが問いかける






井川さんは





「わ、悪いんだけどさ…」





「隣にユニットバスがあるんだけど」




「シャワーがいきなり出てさ…」




「ちょっと止めて来てくれないかな…」




変なお願い事であるのは




自身でも十分分かってはいるが





その時の井川さんには





自らシャワーを止めに行く勇気が無かった…






「何だよ〜…それだけで呼んだのかよ」





加藤さんは呆れた表情で





ユニットバスに向かい






シャワーを止める






加藤さんも不思議そうに辺りを見渡す…






「別に何もないじゃないか」






井川さんは




「あのさ…お前の部屋に行って良いか?」
「後で理由は説明するからさ…」





恐怖のせいか凄い剣幕で言われたので





「あぁ…わ、分かったよ…」






加藤さんは戸惑いながら返事をした






井川さんは






「もうこんな部屋2度と戻るかよ!」




「研修ももう終わったんだ…」




「明日はもう家に帰るぞ!」





と心の中で決心をして





「あ!ちょっと今から荷物まとめるから」





「ドアの外で待っててくれよ」





「で、ドアはなるべく」





「少し開けた状態にしておいてくれよ」



 


とお願いをした






「分かったよ」





加藤さんは頷き





ドアの外に出て





少〜しドアを開けた状態にして待つ…





井川さんが急いで荷物をまとめて


  



「よし!出来た!」






と思った瞬間に






「パンッ!」





突然停電が起きて部屋が真っ暗になった…





「うわぁぁぁ〜っ!」





「何も見えないけどもう部屋から出るぞ!」





井川さんが心の中で叫んだ時に





「パタンッ!」






「ピピピ〜ッ」






少しだけ開けていた半開きのドアが閉まり





内側からロックがかかってしまった…





「おい!ちょっと待ってくれよ!」





井川さんは急いで鍵を開けて





勢いよく部屋を飛び出し





走って加藤さんの部屋に向かった…





部屋に入るなり加藤さんが





「ど、どうしたんだよ!?」





「何があったんだよ?」





と聞いて来たので





井川さんは先程起こった





不可思議な現象を語り始めた…






一通り聞き終わり






加藤さんは






「な…何だよそれ…」



 

「だから俺にシャワー止めさせたのか」






井川さんは両手を合わせながら





「本当に悪かった!」




「ごめん…もう俺めちゃくちゃ怖くてさ…」




「今度何かお前に奢るからさ…」





と言いかけた瞬間





「ピ〜ピピッ」





加藤さんの部屋のドアが鳴り出した…






井川さんは





「これ…絶対さっきドアを開けちゃったから」




「入って来たんだと思うから」




「今度は開けないようにしよう」





と言って





井川さんと加藤さんは






部屋の奥の方に座って





ガタガタ震えながら





ドアをジ〜ッと眺めていた…





しばらく時間が経ち





段々と夜も明けて来て






それでも




 
「ピ〜ピピッ」





ドアではずっと音が鳴り続けている…





ただ、その音に慣れて来ているのか





2人共もう怖くなくなって来ていて





加藤さんが





「眠くなって来たな…」





「何も起こんないし…俺寝るわ…」





と、ベッドに横たわり寝てしまった…






その様子を見て井川さんも





「確かにな…何も起こらないから」





「俺も寝るかな…」





と思った時に





「あ!そういや…さっきから音鳴ってないな」





と、ドアの方を見たら






部屋のドアがいつの間にか開いていた…






更にユニットバスから





「シャ〜〜〜ッ!!」





シャワーの音がし始めた…






「うわぁぁぁ〜っ!!」





「これ…ドア開ける開けない関係なく…」





「起きてる人の所に来るんだ…」





と思ったらゾッとして来て





井川さんは荷物を持つと


 


加藤さんの部屋から





急いで出て行って





エレベーターで1階に降りようと





エレベーターのボタンをとにかく連打して





エレベーターが4階に到着すると






中に入り

 



「1階」と「閉」のボタンも連打し

 



ドアが閉まり





しばらくすると1階に到着





走ってホテルを出て





夜食を食べた24時間営業のレストランに入った





コーヒーを注文し





朝9時頃まで滞在した…





気持ちも落ち着き





加藤さんの様子が気になるので





ホテルに戻り





4階の加藤さんの部屋に行く為に





エレベーターに向かおうとすると





受付にいた従業員が





「あ!お客様どうかなさいましたか?」






「顔色悪いですけど…大丈夫ですか?」






と言って来たので







「あ、あぁ…何とか大丈夫ですよ…」






と井川さんが返事を返すと






その従業員が






「あの〜…他の部屋に変えられますか?」






「「他の階」の部屋なら…大丈夫ですよ」






と言われたそうです…






現在もそのホテルは





営業しているらしいですね…。








世の中には不思議な出来事が



あるのかもしれませんね…。




読んでくださり



ありがとうございます。


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