※オリジナル女…【Bバージン・山田玲司氏著より】初恋というわけでもないのだろうけれど…彼女は何故あんなに眩しかったのだろうか…。
高校の時に好きな女の子がいた。ユリカさんという人だ。勿論仮名だ。偽名?
高校時代の俺は目つきの悪い男として有名で
。
一重まぶたで目が悪いから目を細めてるってだけなんですけれども…。いじめないであげて…
休み時間とか友人を認識するのに目を細めてるとガン飛ばしまくってる人みたいになるわけです。
残念です…
さて、
高校受験を経て
春日部南高校に入る事になる俺ですが。
遡ることさらに10年弱…。
俺とユリカさんは幼稚園が一緒だったんです。
幼稚園時代に…
俺が生まれて初めて好きになった女の子だった。
恋と呼べるものなのかは…わからんけれども。
小中学校は別だった。
彼女の名前と…好きだった事は覚えていた。
微かな記憶として、ブサイクな顔した幼少期の俺にも優しかった事とか…。
「結婚してくれる?」ときいた俺に頷いてくれた事とか…。
昔から重い男だな…俺は。三つ子の魂百までよな。
少しだけ記憶に残っている…セピア色の記憶ってやつ?
セピアってのは【イカスミ】の色だとか聞いた…
…幼稚園の卒アルが白黒の写真だったのでそんな気もしないでもない…。
高校の入学式に来た母親が
「ユリカちゃんのお母さんに会ったよ。ほら幼稚園一緒だった、シラカワさん」
と言う…
「え、覚えてねえけど」
とは言えない俺…彼女を好きだと公言していた事を覚えていたからね…。
…リアクションに困る…やめてあげてお母さん。
幼稚園を卒園して彼女を見失い、4クラスしかなかった小学校の各学級を探したが
どのクラスの名簿にも彼女の名前は無かった…。
1年3組の連絡網の空欄に彼女の名前を自分で書き込んでしまった過去まである。
同じクラスにいてほしかったんだな…。
…馬鹿なガキだ。丸出しだ。
話進まないな…高校の話…
同じ学校に入ったからといって9クラス400名弱の生徒がいる学年ではそうそう巡り合うこともなく高校生活は始まっていくのだが。
高校1年の夏…
彼女に一目惚れしてしまう。
体育館に向かう彼女とすれ違って…
その瞬間が何度もリピートする…ような…衝撃。
色白で…儚げで…品がある…。掃き溜めの縁に咲いた一輪の白百合のように綺麗だ。
笑顔で友達と話をしている姿は…女子の集団の中で、彼女だけが、輝きを放っているかのように…
…俺には見えた…。
束ねられた長い黒髪…跳ねるポニーテール…。
学年カラーの体操着から伸びる彼女の手脚までが眩しすぎた。
変態なのか俺は…。
いやそこは正常だろうよむしろ。
彼女が俺の隣を通り過ぎるシーンが瞳に焼き付いて…
…何回も脳ミソに叩き込まれるようにリピートされる…。
この人を記憶しろと脳ミソがアラートを鳴らしているような…感覚。
一目惚れってすげえんよね。
ホントに電気が走るっつーか…ビビっとくるのよ。経験あります?
「この人だ…!」
「俺はこの人に出会う為に生まれてきた…」
みたいな衝撃。
…。
なんかさっきから…
【…(てん)】←を打とうとする度に予測変換で何故かイチイチ…
【天龍源一郎】と出て来てしまうのです。
何故なのか…。
天龍さん好きなんですけどね。
弱虫な俺は男らしいモノに憧れます。
これは恋なのだろうか…?
いや天龍さんの話は今はいい…。
…。
男には
【オリジナル女※】
ってのがいるらしいです。
(※オリジナル女…Bバージンという漫画で紹介される【理想の女】の定義。多くは若かりし日に出会って好きになった女性。ピュアな心に映った女性が理想に…人生ナンバーワンの替えのきかない女と思ってしまう現象)
それです。
…話したことも無い彼女に恋焦がれる…コゼットに惹かれたマリユスのようなものです。
遠くから彼女を見つめる日々。
声を掛ける勇気など…ないです。
…片思いの末に高2の春。ユリカさんに彼氏が出来た事を知る。
アカイというバスケ部の男で。彼女とは1年の時に同じクラスで。
2年生になってクラスが別になったら一緒に帰り始めてやがんの…春休みに電話で告られたんだってさ。。。
後ろから2人を見つめる俺は
『なんだアイツラ…離れろ…離れろよぉ…』
扉を開ける猫みたいに手が動いてんじゃねえかってぐらいの焦燥感…。
しかし、2人は一緒に帰って行った…
…。
絶望の下校…だ。
…。
…帰り道1人で件の幼稚園の前を通ったら正にその時
【幼稚園を取り壊している】
という劇的な場面。
シャベルカーがけたたましい音を立てて
ぼくたちが すごした ようちえんの えんしゃを くずしていくのです。
瓦礫に変えられていく…思い出の幼稚園。
『…終わった』
気がしたのです。
そりゃそうよ。
あんな可愛い子…
ほっとかねえわな…。
誰もが足を止めるような
一輪の花に手をかけるような真似をするには
俺は臆病すぎた。
帰る…
寝る…。
眠くねえけど…。
学校から帰れば布団を被って泣き明かす。そんな日々のはじまりでした。
家に帰ったらふて寝する日々…。
母親にも
「あんたいい加減にしなさいよ!なんでいつも寝てんのよ!」
キレられる始末…。
しょうがないじゃないですか…?
現実逃避したいんですから…。
酒飲む習慣もない高校生ですからね…
寝るしかないじゃないですか…?
しかし…
その失意の中…
彼女が俺に一目惚れするという奇跡が起こる…。
友達に
「あの人かっこいい…」
て言ってたらしい…
マジカヨ。
逆転満塁ホームランじゃないですか?
エラーばっかりな人生ですけれども。碌なもの捕れない人生ですけれども。
そう…今こそ言おう…
「エラーです!捕れません!…ヒット!」
【目つきが悪い】っていうのを【目が鋭い】と受け取ってくれたらしくて。
「目がかっこいいよね」
て言ってくれて。
ああ…
モテ期万歳。
…色々あってその恋は実らなかったのですが…(←カス)
結局。
どれだけモテようが自分にとって唯一の1人に好かれなければ意味がないし。
唯一の人以外にモテても意味はない…。
って事です。
自分の手で幸せに出来る女性なんて1人しかいない筈ですし。
魅力として見た目は大切かもしれないけれども。
全てでもない。
カッコつけて女子にもてたいと思っても
中身は陰キャだ。
鍍金(メッキ)が剥げないようにと思えば女の子と話をする事すら憚られる。
うんこしてえし…
特にそれを感じたのは
【俺の事を好きらしい他の女子からユリカさんが嫌がらせを受ける】
という事があったみたいで。
好きな女の子に好かれたくてカッコつけて、それがカッコついたとしたら
他の女も寄ってくるじゃないですか?
上履きを隠した犯人は誰なのか…。
確証は無いわけですけど…故に何も出来ない…
最低。
嫌がらせを受けていても何かしてあげられるわけでも無かった。
俺としては他の女の子と付き合う気は毛頭無かったし他の女子に色目使われようが関係は無かった。
そもそも話しないし…
でも
彼女の中では俺と付き合うのが嫌になる理由ではあったかもしれない。。。
実際その嫌がらせが俺のせいなのかも分からないけれども…だからこそ何もしてあげられないわけで…。
…。
直接的に俺とユリカさんが上手くいかなかった理由は
彼女が妥協して付き合った男のつきまといだった。
…アカイとは自然消滅したらしかった。
高校生ぐらいだと自然消滅なんてのは結構あるみたいですね。
2年の一学期に俺に一目惚れしてくれたユリカさんはそのままアカイと話をする事もなくなるが…。
俺の目つきの悪さに近寄れず…。
告ってきたオタクの集まりである部活、
『科学部』
の男と付き合う選択をしたのです…。
馬鹿な…そんな馬鹿な…
その後、やはり諦めきれないとその男をふって…友達を介して俺に近付いてきたのですが…。
ふった男にあれこれ言われ…(俺と付き合うなら自殺してやるとかそういう…?)
誰とも付き合わない選択をしたのです…。
なんてこった…。
(さらに余談ですが俺がふられたあとに
「トネ君ふられたんならいいよね」
みたいなノリで彼女に近付こうとしたキヨという友人と俺は縁を切る事にしました…。
中学からの連れで親しくしていたが、俺が激しく恋焦がれていた事を知っていながらのその仕打ちは堪えたのです。。。
本人は何故無視されるのか分からない様子でしたが。
…ものの感じ方は人それぞれという事ですね。
人を好きになるそのなり方も。気持ちの重さも。
人間どうしても
『他人も自分と同じように感じる筈だ』
とか
『同じように考える筈だ』
とか思ってしまいがち。
気持ちなんて他人には分からんよな…)
ユリカさんには、高校卒業後の春休みにもう一度告白してふられるのでした。
大学に進学して、通学の電車の女の子に半ば無理矢理恋をして…その流れでシノブと付き合う事になったのが大学3年の秋。
明けて正月。
ユリカさんから年賀状が来たのです。
『去年…じゃないけど高校の時はごめんなさい。ちゃんと謝らなければと思っていたのですが機会がなくて』
と。
…?
ふった男に謝るってのは…何なんでしょうか?
脈ありかしら…
女子短大に進んだ彼女は恐らく就職している筈だけど…。
俺の隣にはシノブがいた。
貴女のいない時間は生きるに値しないのではないかとすら苦しんだ…。
俺を愛してくれると言ったシノブは、無条件で俺に優しかったから…
俺の心はシノブに渡す事にしたから…
…貴女の意図は分からないけれど
『僕は元気です』
返事の年賀状を投函して。
この恋は終わった。。。筈だった。
不安にさせないように…シノブには黙っておいた。
ちょうどGLAYの『winter again』がヒットしてた気がする。
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