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現在の国道10号線は中津市街を回避した広いバイパスとなっている。
今いる212号線からは県道675号線を介して10号線に合流すればいい。
つまり中津の市街地を通らずに国東半島に入れるというわけだ。
鏡子さんが「斧立神社」に参拝したいと言う。どこだよ、それ。
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斧立神社は、675号線へ右折する交差点の1キロほど手前にあった。
広い空き地に乗り入れて車を止めた。
立派な石の大鳥居をくぐり、丘へ登る。
拝殿と参集場みたいな建物が向かう広場になっていた。
御神木を含むであろう林と、石灯籠もあった。
奥に本殿があるはずだが、僕は見に行かないことにしている。畏れ多いからだ。
鏡子さんの拝礼は美しかった。
車に戻ってから、訊いた。
──この神社に何の縁が?
──5年くらい前かな。ぎっくり腰が治りきらないままドライブしてたら、ついにどうしようもなくなって、「苦しいときの神頼み」をしたのが、ここだったの。
──はい?
──で、なんとか運転が再開できて、そのうち腰も治ったから、一生お礼参りすることにしました。
・・・・・・よかったですね。
あとで知ったことだが、
宇佐神宮のとある大事な儀式は、この小さな神社から始められるという。
ここは、宇佐神宮の「先輩」なのか。
だから、手入れの行き届いた境内──。
だから、傷みのない建物──。
尊崇は続いているのだ。
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