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2024年10月15日22:02

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春日部〜21〜指環

フォト

筑波山からの景色。

広がる世界は写真では表現しきれないかもしれない…でもこんな感じだったかな。



「すごい…ラピュタみたい」

少し前に録画した金曜ロードショーを二人で見た…んだったかな。VHSね。




時代はVHSよ。





大きな目を輝かせて…
シノブは笑顔を見せてくれた。


月明かりで照らされた彼女は白くて…綺麗だった。






そういや…



彼女はちょいちょい俺達をパズーとシータに見立てたような発言も…していた。



 マルエツのパン屋で食パンに卵乗っけたのを見かけ、はしゃいで買ってみるがボリュームが半端なくて二人して食べきれず…


「パズーも挫折」


とか言われてみたり…。

楽しかったし…可愛かったな…。




何でもないような事が幸せなんだよな…。

価値観とか近くて、お互いにやさしく出来るなら他に何かいるかな…男と女って。





 


…。







2003年6月…。彼女の21歳の誕生日…。長野と埼玉の遠距離恋愛が始まってから10か月ぐらい?





筑波山のラブホテルにお泊りしたんだ。





スパシオで山を登って…部屋空いてて良かったよ…。




ラブホの玄関口には


【カラオケあります!】

みたいな幟はあるけど到着したのは深夜だったから館内は静かなもので。


コソコソと指定した部屋まで移動。





扉を開けて部屋に入ると…オーシャンビューならぬ関東平野ビュー…。






窓の外一面、眼下に関東平野が広がる…。





月夜だった。




差し込む月の光…照明はつけなくても明るかった…。




窓の外に見とれる彼女と、そわそわする俺。





そっと抱きしめて


指輪を取り出す。




プラチナのペアリング。



【pt.Luna】と刻印されている。



…御徒町で買ってきました。









「誕生日プレゼント」


…ちゃっかり俺のも買ってるっていう…ね。








月明かりの中…彼女の右手の薬指につけた。




ステディリングっていうらしいよ…Bバージンて漫画に書いてあった。






彼女は目を少し大きく開いて…微笑んで…頷く…瞳が少し潤んでいる…?




静かに驚いて…。喜んでくれた。




後ろから抱きしめると、さらさらの黒髪が鼻をくすぐる。シャンプーの香りなのか彼女の匂いなのか…




彼女の横顔は月の光を浴びて白く…とても綺麗だった。






俺の薬指にもつけてもらった。





お揃いの指輪が2人の指に。





月に照らすペアリング…





輝いていた。






ずっと一緒にいられると信じていた…信じている。










ラブホでごめんなさい…。





でも…





「あんなに素敵な誕生日は始めてで夢みたいだった」




「今も指輪をつけているけど、なんだか現実感がなくて…まだ夢見てるみたい」






長野に戻った俺に、メールしてくれた。





喜んでくれて…嬉しい。





嬉しかったんだ…。




彼女が喜んでくれることが。













…あの夜の月の光をたたえて、2人の指にプラチナの月…


















…。










さて、現実でも見ようか…。











…。






一ノ割駅徒歩2分…Bar【heaven】





メキシカンスタイルの明るいBarだ。



けして不潔ではないが手作り感溢れる雑多な店内は場末の酒場のようでもある…




テーブル席には肉体を鍛え抜いた…鍛え抜かれた肉体を持つ筋肉大臣…





ノブ…ノブオ。





屈強なカンガルーを想像して頂きたい…。







屈強なカンガルー(22歳♂)と



酔い潰れつつある俺(24歳無職)、


そしてほぼ酒のんでない彼女…(21歳女子大生)





なんだこのテーブルは…。








そんな事はどうでもいい…











…指輪がない。





ないんです…。







彼女の右手の薬指に。



そこにあるはずのプラチナの…ペアリング。




俺の右手にはある。







…俺の右手の薬指にだけ。







「指輪…」

「え?」

「してないんだ…、そっか」








…馬鹿みたいだな。俺…。




カンガルーが持ってきてくれた水を口に運んで次の一杯を考える。




カンガルーももう帰りたいだろうな…。






「あ、バイトだったから…さ」


自分の右手をチラと見たシノブが気まずそうに言う。






そうそう…。




パン屋ではむき出しの食品を扱っているので指輪はNGのようだ。





そうよ。そうなのよ。




「だよね」




俺も納得…





メデタシメデタシ…

いやぁ〜良かった良かった…ヨカッタネェ!(※富井副部長・談)
(※富井副部長…美味しんぼに出てくる山岡の上司、甲高い声が特徴の有能な男)












となるとでも…?









前にバイトの後に会った時とか…普通に指輪してたじゃないですか?



ロッカーで着替えたら直ぐにつけてるて…言うてたじゃないですか?





…。





ここからは私の推測ですが




今日俺はバイト中の彼女にメールをした訳で。


「今日はノブと【heaven】にお邪魔する事にしました」








当然勤務中には読めず。






俺がこの店に来ている事を知らずに…



ウキウキで…




ここまで来たんでしょうね。





んで、自転車置いて…メールチェックして





「彼氏が来ている…!」





みたいな?




以上推測でした…。以上です。





正直…指輪をしてないなんてことは…あるでしょうよ。










あるでしょうけれども。大した事でもないんですけれども…。








以前なら…






喜んで指輪を受け取ってくれた頃なら…アルバイト終わってすぐに着けていた…はず。






俺に黙って、気になる男のいるBarに来る時に指輪をしない事には、意図的なモノを感じてしまうのです。


  








皆様はどう思いますでしょうか…


そう思う方は【イイネ!】そう思わない方は【イクナイネ!】をお願いします。

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