休み明け翌日。平日は1人勤務。
どうせ暇だろ。っておもうんだけど、不安で落ち着かないのは変わらない。
出勤は相変わらずのスパシオ。メタリックなんたら…ブルー。俺の相棒。いい車よ。俺を裏切らないからね。
出勤前に隣の…というにはやや遠い。徒歩5分かからないくらいのセブンイレブンに寄って、おにぎりとコーラを買う。営業中一人だと抜けられないからね。
コーラにはカフェインが入っているからコーヒーも兼ねる。そんなつもりでいた。1年前のオープン前から。
「よっ!店長!おはよう!」
セブンのオーナーとも顔なじみだ。
カリカリ梅おにぎりがお気に入り。これはお昼用で、朝はナイススティック。
フードをゲットしたら自店へ移動。
ガラス扉の足下にある鍵を開けて、誰もいない店内に入り、バックヤードの机に片掛のリュックを置く。
この三角のワンショルダーは黒い生地にイングランドのバッジが付いている。
白地に赤の十字。この話もそのうち。
コーラを開けて一口。ナイススティックも開封して頬張る。
開店準備を一人で始める。
開店から約1年…いまや所属のパートはコダマさんしかいない。
平日は下手すれば来客ゼロだったりするので、貴重なパートさんは土日お願いしたいから社員1名での勤務になる。人件費的にもね。
コダマさんには本当によくして頂いた。
綺麗な人だったけど好みじゃなくて本当に良かったと思います。(←何様…というか俺なんか相手にされなくて店長の立場でパートさんに惚れちゃったりしたら大変な事になるじゃないですか?)
さて…
いつ電話しようか…東京本部に。
辞める腹は決まっているが、色々と頭をよぎるものがある。わけです。
コダマさんはじめ助けてくれた人達を裏切る事になる?
転勤が辛い。売上不振が辛い。圧が辛い。
ホントにそうか…?どこいってもこんなもんなんじゃないか?いや、むしろここは緩いんじゃないか?
そして同期が辞める度に誰かが囁く
「ここで駄目なら他でも駄目だよ」
それもホントにそうか…?
就職氷河期というのは、有能も無能も呑み込んだ環境の話であって。
「本人の努力が足りない」
と言う人間はいるが、そもそも椅子がないので
。
下位の人間が努力して上に行けば蹴落とされた人の椅子がなくなるだけで、氷河期という状況は何も変わらないのだと。
勝ち残った人間は確かに優秀かもしれないが、優秀な人間が増えても敗北者が減るわけではない。
そんな感じ。
何の話だっけ。
俺の今後か。
再就職を決めてから辞めたいけれど、それどころでもない。
とりあえず…
辞表を確認。
『 退職届…私儀…利根川幸男…この度一身上の都合により、8月31日をもって退職…』
我ながら汚い字だ。書き直そうか…いや、いい…東京本部に電話して…これを送ればいいんだ。
辞意を固める為なのか。何度も加工場に置いた封をあけては文面を見返す。
1人勤務でよかった。
夕方。18時頃か…
覚悟を決めて受話器をあげる。
短縮欄にある『東京本部』のボタンに指をかけた
ログインしてコメントを確認・投稿する