大宮で新幹線に乗り、長野へ。
当時はまだ【長野新幹線】という名称だった。
転勤の日はうす暗いうちに起きた。4時半とかだったか。。
洋室の布団から起き上がり申し訳程度の台所で顔を洗う。とりあえず付けたテレビもやってなかったりしてNHKの報道か何かをかけていた…かな。
朝飯は…途中のコンビニでパンでも買うことにして。
毎週帰って来るつもりなので部屋は特に片付けず、ただ使わないコンセントを片っ端から抜いていく。
鴨居に引っ掛けたスーツに着替えて、出発だ。。長野へ。
部屋を出て外階段を下る。施錠は心配なので指差し確認をした。
青くなりつつある空、かすかに鳥の声。
線路沿いを駅に向かう。
主な荷物(着替え一式とエロビデオと…あと他に何か要るだろうか?)は段ボールに突っ込んでヤマネコ宅配便で送ったので、愛用のワンショルダーのリュックサックに筆記用具程度入れていつもの出勤と変わらない服装だ。
段ボールは店に送ったから他の社員が開けないことをただ祈る。
近所にニワトリ飼ってる家があるらしくたまに叫んでいる日があるが、大体3時とかに泣き叫んでいるのでこの時は静かだった。
近所のお婆ちゃんちの前を通る。
犬がいつもなら俺に吠え掛かってきたり不機嫌そうに睨みつけてきたりするのだが、流石に早朝すぎてまだいない。
寝てんのかあのクソ犬。かわいいけど。
6時前の電車に乗り、野田線で大宮まで。
東武線の改札を出てエスカレーターを登る。
だだっ広いコンコースを抜けてJRの改札へ。
長野新幹線のホームに。
ホームに人はまばらだったな。よく覚えてないけれどもそんな気がする。だから会社の人達と合流出来たんじゃないかと。
見覚えのある巨漢が寄ってくる。
「おう、利根川おはよう」
声を掛けてきたのは東京営業部の副部長、クワタさんだ。後ろに小柄な女性がいる。
「おはようございます」
クワタさんに返事をする。
クワタさんは後ろをチラ見して、
「マルヤマや、知っとったっけ?」
目配せしつつ、関西弁で聞いてくる。彼も大阪の人だ。
「おはようございます」
軽く頭を下げるマルヤマさん。
可愛らしい女性だ。確か高卒で入社してたので俺より年下…まだ21とかそんなだった筈。でも先輩。
基本大卒か短大・専門卒しか採用しないが、社長の親類だかなんかで特別に高卒で入社したとか。
「あ、おはようございます」
マルヤマさんに一礼し、
「モアーズで一度御一緒してます」
クワタさんに応える。
一度神奈川エリアへ応援に行った時に働いた事がある。店長不在の平日で、暇だった記憶。
「あとサイトウが来るんやけど…」
サイトウさんは中途の男性社員で、新潟の人だ。
元々は携帯電話屋か何かだったとかエーヤンで一緒に働いた時に聞いた事がある。
彼も23とかなので専門か短大卒なのだろう。
いずれ新潟へ出店する時の現地要員として採用されて大阪で研修後、東京エリアに配置されているとか。
明るい…朗らかな男だ。話しやすいので好きだな、いや変な意味じゃなくて。
大宮では彼の姿は見えず。
新幹線が来たので3人で乗り込む。
ちゃんと来るのかちょっと心配したがサイトウさんとは長野駅で合流した。
他の車両に乗っていたらしい。
この物語がサザエさんなら
波平さんがマスオさんに
「マスオ君じゃないか〜」
「あ、お義父さん」
「同じ電車だったのか、一杯どうかね?」
「いいですね〜」
ていう、ああいう状況だが、残念ながらここは朝日が丘ではないし朝の出勤なのでビールは出ない。いや、夜には飲めるんだけれども。
長野駅で乗り換え、長野電鉄へ。2両編成とかだったかな。
長野市街からのんびりと…畑を抜けたり川を超えたりして?話をしてたのであまり良く覚えてないですが。
「すざか〜すざかです」
目的の駅に付いた。
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