大学病院無給医問題はけっこうなパンドラの匣(はこ)ではないか
弁護士 岡本 哲
無給医師の大学病院に対する損害賠償請求の時効
最低基準レベルの賃金とそれに対する遅延損害金は認められるべきであろう。賃金水準については判例の集積あるいは立法による解決がのぞましい。
賃金については労働法上は時効2年というのがあるが、これが形式的に適用されるべきであろうか。不法行為で継続的関係がある場合と準じて考えるべきであろう※。
過払時効基準からすると医師としての門閥関係をぬけるまで無給関係の精算請求をなしえない圧迫状況にあるので、医師をやめてからはじめて時効がはじまるという構成が妥当と思われる。となると場合によっては50年程度までさかのぼることも考えられる。
※最高裁は残業代割増賃金については平成30年6月判決だと不法行為構成を残業代未払について認めている。
大学病院で税金を納めている場合は膨大な訴訟引当金を充てる必要があり、黒字のところでもほとんど赤字になるのではなかろうか。
また、関係者には労働基準法違反による刑事罰・行政罰及び民事上の責任が考えられる。
院長・もと院長が叙勲をうけている場合ははく奪されるべきであろう。
読売新聞 2019/07/05 05:00
診療に携わりながら、働きに見合う給与を支給されない。不適切な「無給医」の慣行を改める必要がある。
文部科学省が全国108の大学病院を調査したところ、2191人の無給医が確認された。大学教員らを除いた約3万人の勤務医の約7%に当たる。
「精査中」と回答した大学病院もあり、最終的な無給医の人数はさらに増える可能性がある。
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