スペインの小さな村…妹アナの結婚式に参加するため、ラウラが帰省する。彼女はアルゼンチンに嫁いでいて、実家に帰るのは久々だ。娘イレーネと幼い息子ディエゴを連れてきたけど、夫アレハンドロは用事のため参加できなかった。それでも実家の父は大喜び。村で宿を経営する姉マリアナと義兄フェルナンドも歓迎してくれた。マリアナ夫婦の娘ロシオは若い夫と結婚し赤ちゃんをもうけたが、夫はドイツに出稼ぎに出たきり戻らず、離婚を考えていると言う。ラウラはその赤ちゃんを連れて広場を散歩し、結婚式に参加してくれる予定の幼馴染パコと再会した。パコはラウラの土地を買い取ってワイナリーを経営し、成功させた人物。ベアという若い妻をもらって幸せそうだ。だが実は、ラウラとパコは若い頃、誰もが結婚すると思っていた恋人同士であった。
そして翌日の結婚式。実家の庭で開かれた披露宴は盛況で、夜まで音楽とダンスで盛り上がった。しかし停電や雨という突然のトラブルでお開きに。そこでラウラは異変に気付く。イレーネの姿がないことに。慌てて彼女は娘の姿を探し始めるが、そんな時にケータイにメールが届く。「娘を誘拐した。警察に告げたら娘を殺す」と…
「誰もがそれを知っている」。スペイン映画ですが、イランの名監督アスガー・ファルハディの新作です。
以下、誰もがネタバレを知っている


ファルハディ映画の中で、最もエンタメ性が高い作品。いつもの家族内心理ドラマではあるものの、ジャンル映画寄りな作りです。つまり、物語が分かり易い(笑)。これを「陳腐」ととる人もいるでしょうが、私的には大歓迎です。たしかに、「別離」や「セールスマン」のようなヒリヒリ感もなく、明確に(犯人の正体も含め)誘拐の真相を示してしまっている点は、いつものファルハディ映画らしくはありません。でも分かりやすくなったことでスクリーンに没入できるし、世界的スター俳優の登板が何より嬉しくなるじゃないですか。ペネロペ&バルデムのコンビに加え、アルゼンチンからアレハンドロ役で、「瞳の奥の秘密」の主演俳優リカルド・ダリンが出てきたのは凄いですよね。教会寄付などの伏線もしっかりしているし、ラウラ&イレーネ、マリアナ&ロシオという2組の母娘の明暗対比も良いですよ。パコがある時を境によく咳するのも暗示めいてますよね、タイトルにある「それ」を。
そうそう、この映画のミステリー部分のキモである「それ」なんだけど、予告編でガッツリ出してましたよね!予告編でネタバレって酷いよなー!…いっそ「観客もそれを知っている」ってタイトルにしちまえよ(笑)。
市場でコソ泥を働いて糊口をしのぐ青年アラジンが、町をお忍びで散策していた王女ジャスミンと出会い恋に落ちる。あるキッカケで、どんな願いも聞いてくれる魔法のランプを手に入れたアラジンは、ジャスミンと結婚する資格を得ようとランプの精ジーニーに「王子にしてくれ」と願うのだが…
「アラジン」。ディズニーの実写版。
以下、ネタバレ国のアリ王子。


あ、ほ〜る にゅーわ〜るど♫というメロディには馴染みがあるものの、元ネタのアニメは未見。しかしガイ・リッチーのアクロバットな演出と遊び心、そしてポリウッド的なミュージカル展開は実写オリジナルでしょう、きっと。そしてウィル・スミス劇場と化す中盤以降は、もう若い2人のロマンスなんかどうでも良くなって、単なるコメディとして楽しめました。猿と絨毯もナイスキャラ。特に絨毯はなかなか可愛く、ドクターストレンジのマントと共演させてほしいくらいでしたな。かと思うと、女性の自立、格差社会と偏見といった社会問題テーマもディズニーらしくしっかり織り込んでいて、「監督の作家性とディズニーらしさの共存」という難題を、「ダンボ」に引き続き成功させた一本と言えるでしょうな。
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