1970年代のニューヨーク。19歳の女の子ティッシュは、幼馴染の青年アロンゾ(通称ファニー)と恋に落ちる。非白人が生きるには辛い環境で、肌の黒い2人は真っ当な暮らしを夢見て新居を探し始める。しかし突然、ファニーが身に覚えのないレイプ容疑で警察に逮捕されてしまった。そしてその直後、ティッシュは自分の妊娠に気づく…
「ビール・ストリートの恋人たち」。観てきました。
以下、ネタバレストリートの恋人たち。


非常にピュアなラブストーリー。主人公2人がピュアであり、映画のスジや構成もピュアであると感じました。とにかく無駄がない。無駄がないけど、不足もない。いつまでも観ていたいし応援したくなる2人だが、「いかにも映画」な着地もなく、ドライに突き放した終わり方もしない、本当の意味でのリアルな結末とささやかな希望を見せてジ・エンドでした。美しく哀しく切なく、でもブレない愛。素敵な映画でしたよ。「ムーンライト」よりも俺は好きだなぁ。
映画における「黒人」と「家族」の描き方にも、これまでの映画とは違う味があったかなあとも思ったり。主人公ティッシュの造形も、なんか奥手でビクビクする子犬的可愛さが溢れてて、お父さんも一見強面ながら娘に対する愛情表現がしっかり出来てるナイスっぷり。お姉ちゃんは出番が少ないけど、頼り甲斐があったもんなぁ。対立するファニーの家族の崩れっぷり…と言っても、貧しさゆえに汚らしく荒んでいるんじゃなく、むしろその逆で、盲信的な「神様がすべて」という態度にイライラさせられるというのも斬新でした。で、やはり特筆もんはティッシュのママですよ。初めて画面に出た瞬間からティッシュの異変に気付く母親力の高さ。ファニーのママに切り込む啖呵の爽快感。そしてプエルトリコの任務シークエンス…いや、レジーナ・キング、素晴らしい演技だと思いましたよ。主役2人の世界で完結させず、家族をきちんと描いてこそ映画だよと思わせてくれる恋愛モノの秀作。最近の、腐るほどある恋愛系邦画がチープなのは、この家族描写が無いからなんだよね。おすすめでございます。
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