現王者を倒し、新たな世界ヘビー級チャンピオンとなったアドニス・クリード。恋人ビーにプロポーズも果たし、ボクサーとして新たな生活を始めようとした矢先、ウクライナの無名ボクサー、ビクター・ドラゴから挑戦されてしまう。ビクターは、ロッキーに敗れて以降不遇をかこっていたイワン・ドラゴが手塩にかけて育てた息子。かつての栄光を取り戻すため、ロッキーの弟子であるクリードを倒すという思いに取り憑かれていたのだ。未知なる相手に恐れを抱きつつも因縁から逃れられないと、その挑戦を受けてしまうクリード。しかしロッキーは、アポロの死がトラウマになっており、この試合のセコンドはできないと降りてしまうのだった。クリードはビーと共に、母の住むLAへと居を移し、かつて父が鍛えたジムでトレーニングに励む。そして試合当日、リングに上がったクリードは、ビクターの圧倒的パワーの前になす術もなく、マットに沈んでしまうのだった…
「クリード 炎の宿敵」。1作目のスパーで失ったムスタングも取り返し、快調な滑り出しを見せる2作目。しかしドラゴ親子の登場でクリードが地獄を見るハメになるのです。
以下、炎のネタバレ。


オープニングから、実は結構予想外。国の英雄的存在だったイワン・ドラゴが、キエフの寂れた団地に暮らしており、くたびれた老犬のような表情なんですから。この映画の成功ポイントは、「続編だし、アポロの因縁もあるし、ドラゴ出しときゃみんな満足っしょ?」という傲慢でテキトーなプロットで片付けなかったところだと思います。ドラゴ親子の背負っているものの重さ・ハングリーさをしっかり描くことで、ドラマの格がグッと上がりました。クライマックスのテンションの上がり具合がイマイチという欠点はあるものの、続編映画としては大満足の出来。繰り返し問われる〈何のために戦うのか〉という問いに、観客みんな、それぞれ思うところがあるでしょう。守るべきものや家族の存在と愛情を感じることが、強さの源になるのだというベタな展開も、本作に於いては最適のアプローチ。楽しめました。クリードが成長するたびにロッキーも一歩前進していくという二人三脚ぶりが、このシリーズの魅力です。
ストックホルム。悪を成敗するために法を犯すことも厭わないハッカー、リスベット・サランデル。彼女の新たな依頼人は、暗号解析専門の学者バルデルだった。彼はアメリカのNSAのために〈ファイヤーフォール〉というプログラムを作成したが、それは個人用PCから世界中の核ミサイル発射システムに侵入し操作できるという危険なシロモノだった。バルデルはこれを破壊するため、NSAのサーバーから盗み出してくれというのだ。リスベットは依頼を引き受け、ハッキングに成功。ノートPCに〈ファイヤーフォール〉を移動させるが、直後、〈スパイダー〉という武装犯罪集団に襲撃されノートPCを奪われてしまうのだった。バルデルはやむなくスウェーデン保安局に相談、セーフハウスに匿われるが、そこもスパイダーに襲われ、バルデルは殺害されてしまう。現場に駆けつけたリスベットは、何故か集団に拉致されたバルデルの息子アウグストを奪還して逃亡するが、その行方を追うのはスパイダーだけでは無かった。〈ファイヤーフォール〉を取り返すため、アメリカからやってきたNSA諜報員ニーダムもまた、リスベットを捜しだそうとしていたのだ。行き詰まったリスベットは、昔の恋人で雑誌〈ミレニアム〉の記者ミカエルを頼るのだが…
「蜘蛛の巣を払う女」。リスベットシリーズの4作目です。
以下、ネタバレの巣を払う女。


ミレニアムを知らないでこれだけ観た人は、きっと口ポカーンですよね。ミカエルとリスベットの関係、リスベットと父親の関係、男性憎悪の根源は何かとか…ミレニアム三部作を知らないと、単なるパソコン争奪戦スリラーになってしまいます。不親切だよね。リスベットがノオミ・ラパスでもルーニー・マーラでもないので、「お初にお目にかかる」感が強いのに、前3作を踏まえて語られる人間関係に、ついていけないですよ。しかも今回のリスベット、俺、大竹しのぶにしか見えなかったんだが(笑)。パンクな要素が薄いんだよ。
しかし、アクション面ではフレッシュなとこがいくつか。川にバイクでダイブして「あっ!」と思ったら氷だったり、橋の上で追い詰められたと思ったら意外な手で危機を脱したりと、スウェーデンの特性を生かした(?)シーンが印象的。カミラのアジトでリスベットもミカエルも捕まってしまい、逆転不可能と思いきやの逆転劇など、見どころはそれなりにあるんですよね。
リスベットの過去を、「みんな知ってるの前提」ではなくて、もっと丁寧に描いてくれてたら、単発映画としてもっと観客にアピールできたかも。何だかもったい無いなぁ。テレビシリーズで1作目からリメイクしてほしいもんだよ。
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