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2018年08月15日04:36

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仲の悪い兄弟姉妹がいる相続への遺言の一工夫

仲の悪い兄弟姉妹がいる相続への遺言の一工夫
                  弁護士 岡本 哲
質問
わたしは80歳の女性です。男兄弟3人の母です。夫は先年なくなっていて、わたしがなくなったときにはこの3兄弟が相続することになります。50歳をすぎていいトシになっているはずなのに仲たがいしており、このままでは葬式や法事すら滞りなくおこなわれないのではないかと心配です。夫はさいわい現金・預貯金・不動産を残してくれています。わたしの目の黒いうちは夫の法事についてもなんとか3兄弟はでてきそうですが、わたしがなくなってしまうとどうなるか心配です。
 遺言で兄弟仲良く、という条項を入れておこうと思いますが、遺言全体が無効になったりしないでしょうか。

回答 日本民法では、遺言では法律が認めることしかできないので(遺言事項法定主義)、以下のものしかできません。

1 財産に関する遺言事項
祭祀主催者の指定(民法897条1項ただし書)
相続分の指定・指定の委託(民法902条)
遺産分割方法の指定・指定の委託(民法908条)
特別受益の持戻しの免除(民法903条3項)
相続人相互間の担保責任の指定(民法914条)
遺贈(民法964条)
遺留分減殺方法の指定(民法1034条ただし書)
一般財団法人の設立・財産の拠出(一般法人法152条2項等)
生命保険受取人の変更(保険法44条1項)
信託の設定(信託法3条2号)

2 身分関係に関する遺言事項
遺言認知(民法781条2項)
未成年後見人の指定・未成年後見監督人の指定(民法839条1項等)
推定相続人の遺言廃除・取消し(民法893条等)
遺言の執行に関する遺言事項
遺言執行に関する遺言事項としては以下のようなものがあります。
遺言執行者の指定・指定の委託(民法1006条1項)

 兄弟みななかよく、というのはこのなかにはいりませんので、遺言事項としては効果はありません。ただ、ほかの遺言項目を無効にすることはありません。
 また、法事等を滞りなくしたいのであれば、遺言執行者や信託をおこなって、例えば1年に2度法事をおこない、その後1時間以上の家族をまじえた会食をおこなったことが認められた場合に金〇〇万円を相続人に与える、という負担付贈与を定期金型でおこなう手もあります。法事をどこでどうするか、とか。ある程度細かく決めてもいいでしょう。

 ただ、もめないためには遺言の内容を推定相続人にあらかじめ知らせておいたほうがいいでしょう。

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