参考になりました。
今後のことを考えて・・・。
■プロの選択 防災の専門家が住む家に学ぶ
(dot. - 03月09日 11:33)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=4469047
東日本大震災、そして福島第一原発の事故から6年。熊本地震からも、まもなく1年がたとうとしている。いずれの地でも復興は道半ばで、いまも多くの人々が不自由な暮らしを強いられている。しかしその現実の一方で、「風化」は確実に進んでいる。4大都市圏のハザードマップと不動産の値動きを重ねあわせると、「人気の街」の災害危険度がはっきりとあぶり出された。帰宅困難者対策には「東高西低」の傾向が見て取れた。AERA3月13日号は、6年後のいまだからわかったことも含め、「震災時代」を生きるために知っておくべきことを特集。
地震や建築の専門家はどんな家に住み、震災対策を実践しているのか。読者に役立つヒントをいろいろ教えてもらった。
* * *
東京・目白の高台に、一軒の家がある。一見何の変哲もない住宅だが、実は大きな災害が起きたとしても、「逃げる必要のない家」だ。
「地震などの災害時に、家の中にいるのが一番安全、というコンセプトで建てました」
そう胸を張るのは、この家を2014年に建てた工学院大学都市減災研究センター長の久田嘉章教授だ。
「災害に強い家は、『建物対策』『室内対策』『備蓄』の三つが重要です」
と久田教授は強調する。これらすべてを兼ね備えるのが、久田教授の自宅である「逃げる必要のない家」なのだ。
まず「建物対策」から見ていこう。家を建てると決めた13年、久田教授はまずハザードマップで震災や水害の危険度を調べ、自宅を建てる場所に目白を選んだ。その上で、建設予定地の地盤調査で地盤が良いことを確認した。
●家にとどまる工夫を
家の耐震性にもこだわった。基礎部分を、高密度な配筋による「べた基礎」にするなどして、建築基準法が定める耐震強度の1.5倍である「耐震等級3」を実現した。耐震性を上げるとコストアップが懸念されるが、
「建設コストは通常の水準よりも約5%上がるだけです。家具や内装のデザインにお金をかけるよりも、安全の上でも、家に長く住み続ける上でもよいのではないでしょうか」(久田教授)
次に「室内対策」だ。大きな家具やクローゼットはすべて備え付けにした。タンスや戸棚といった転倒の危険がある大きな家具は置かなくてすむ。テレビはチェーンでつないだ。
さらに「備蓄」も欠かさない。防災セットのほかに、常に1週間分の食料や水を買い置きして、徐々に使っていくという
「ながら備蓄」を実践している。
「防災セットは2〜3日分ですが、食料は7〜10日分備蓄しておくと安心です」(久田教授)
さらに屋外には雨水タンクを設置。タンクにためた水はいざとなったらトイレ用水や飲料水にも利用できるが、普段は庭の植木の水やりに使っている。
「災害時はまずは家にとどまり続けられるように、対策をとります。避難所は地域の連絡拠点として価値がありますが、まずは自助のための家の対策をします」(同)
●地震後も住み続ける
耐震構造が専門で、日本建築学会会長で京都大学防災研究所の中島正愛教授の自宅は、琵琶湖の南西に位置する大津市内にある。京大への着任にともない、約20年前に建てた。
「通勤距離と予算との兼ね合いもあるが、まずは地盤がしっかりしている土地を選びました」
築後20年経つ木造住宅だが、適宜メンテナンスをしていることもあり、耐震構造の専門家である自身の目から見ても、「満足できる耐震水準」と言う。
防災の3要素は「予防・予測・対応」。個人の取り組みとしてまずは「予防」が重要だと中島教授は話す。
「予防は、住宅の耐震化に尽きます。揺れによって倒壊しないというのが当然となってほしい。その上で、揺れのあとも使い続けることができる水準の耐震性が必要です」
耐震基準を満たすのは、震度6強〜7程度で倒壊しないという最低限の水準だ。倒壊しなくても、建物が傷めば、その後住み続けられなくなるリスクは残る。
中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループが13年に作成した首都直下地震の被害想定の報告書では、耐震化率が100%になったとしても、揺れによる全壊は約2万7千棟、建物倒壊による死者は約1500人(冬・深夜)と見積もった。
一方、久田教授のように、「耐震等級3」にすると、倒壊リスクを下げるだけでなく、その後も住み続けることができるというメリットが大きい。
●熊本では新耐震も被災
昨年4月に発生した熊本地震では、住宅約8千棟が全壊した。(1981年に建築基準法が改正される前の)旧耐震基準の建物の半分近くが倒壊したが、(81年以降の)新耐震基準の建物でも2割弱が倒れた。規定が強化された00年以降に建てられた建物の倒壊は約5%だった。
熊本大学大学院自然科学研究科の松田泰治教授(地震工学)は熊本地震発生当時、熊本市中央区内にある、旧耐震基準で設計された5階建ての官舎に入居していた。一見すると、官舎の建物に大きな被害はなかったが、断層が走る立田山の中腹にあり、地盤にひびが入ったため調査した結果、水道管で大きな被害が見つかり、全世帯立ち退きに。現在は、同じ中央区内にある、耐震チェックを受けた別の官舎に引っ越した。
松田教授は熊本市内の官舎から職場に通っているが、約10年前に福岡市内に自宅を建てた。
「家を建てる土地は、最初から山谷の近くを避け、平地を選びました。基礎をしっかり打つことに加え、もともと大雨が降ると水がたまりやすいエリアだったので、盛り土をして床を上げました。00年以降の耐震設計で造られているので、構造的には大丈夫と考えています」
そのうえで2次災害の対策は必要だ。日常的に、揺れから身を守ることを心掛けている。タンスなどの倒れる危険がある家具は、転倒防止の対策をし、仮に倒れたときに、その下敷きにならないようにベッドや頭の位置を決めた。
「地震があったら、まず足を守ることが重要です。揺れで割れたガラスが飛散しているかもしれません。特に夜間は見えづらいので、むやみに歩かないように気をつけます」
プロの災害対策にならって、対策をこころがけたい。
(編集部・長倉克枝)
※AERA 2017年3月13日号
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