訪問介護中に泥棒被害にあったと訴える認知症患者
質問 独居の80歳の母について相談です。母は要介護1です、介護サービスを利用してヘルパーに週2回家に来てもらっていますが、ヘルパーが来るようになってから指輪が盗まれたとか、言いつのるようになりました。否定すると、わたしまで疑います。どうしたらよいでしょうか。
回答 事実認定が重要 解決手順の一例を紹介します。
ほんとうにヘルパーが盗んでいるのか、高齢者が隠したあとで隠し場所を忘れたものをヘルパーに盗まれたと思い込んでいるのか、どちらかを確定する必要があります。前者については隠しカメラをしかけておいたら犯行が見事撮影された例もあります。実際は後者のほうが多数です。ヘルパーを泥棒と責めたあとで、実際は高齢者に非があった場合は名誉毀損の民事・刑事の責任を高齢者が問われることもありえます。慎重に行動しましょう。まずは高齢者といっしょに探して高齢者の訴えを理解していると思わせることが大事です。
次にケアマネージャーにお母さんの日常の様子を聞いてみます。認知症初期の物忘れ妄想の時期なのかどうか、ここである程度判断することができます。高齢者の認知症発症があやしいということになりましたら、ケアマネージャー・サービス提供責任者・ヘルパーなどが集まったケア会議を開いたうえで、利用者立会いのもとで利用者宅を捜索するやりかたもあります。さがしてみたら、盗まれたといっていた品物が発見されて、高齢者に盗まれたわけではないと納得してもらえた例もあります。高齢者には精神神経科での受診をすすめることになります。
ヘルパーへの不信感は一旦抱いてしまうとぬぐえないものなのでヘルパーを変えることにしたほうが無難です。
弁護士 岡本 哲
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