会社法罰則の検証――会社法と刑事法のクロスオーバー
2015年5月25日 第1版第1刷発行
編 者 山田泰弘(やまだ・よしひろ)
伊東研祐(いとう・けんすけ)
発行者 串崎 浩
発行所 株式会社 日本評論社
ISBN978−4−535−51977−0
C3032
目次
はしがき
はじめに――会社法秩序の変容とその規律手段としての刑事法
………………………………………………………山田泰弘
1 本書の研究企画の目的
2 各論テーマ
3 むすびに代えて
第1編 会社法の規制方法の変容と刑事法によるエンフォース
――資本制度の変容
第1章第1節 会社法における開示規制・分配規制への刑事的制裁
――会社法の視点から…………………………久保大作
1 はじめに
2 財務内容の開示と罰則
3 分配規制と罰則
4 おわりに
第1章第2節 司法制度の変容と開示・剰余金分配の規律としての
罰則規定
――会社の財産を危うくする罪/刑事法の視点から
……………………………………………………神例康博
1 はじめに
2 会社法罰則による会社財産の保護――その意義と射程
3 会社債権者の利益の実体?
4 財源規制の意義――会社財産を危うくする罪の保護法益
5 会社情報の開示と罰則規定のあり方
6 おわりに――資本制度の変容?
第1章第3節第1款 開示制度に関する金商法のエンフォース
(法執行)手段のあり方
――金融商品取引法違反に対する「制度」のあり方として
………………………………………………尾崎安央
はじめに
1 開示規制とその実効性確保
2 金銭的に賦課としての課徴金制度の問題点
――罰金刑との関係を中心に
3 「制裁」としてみた民事責任追及の限界
第1章第3節第2款 開示制度に関する金商法のエンフォース手段
のあり方
――刑事法の視点から……………………上嶌一高
1 金融商品取引法における開示規制
2 刑罰による開示規制
3 課徴金による開示規制
4 課徴金における故意・過失等(責任要素)の必要性
5 継続開示における課徴金額の罰金額との調整
6 被害回復のための課徴金相当価額の支給
第2章第1節 資本制度の変容と出資行為の規律としての罰則規定
:預合いと見せ金
――会社法の視点から…………………………小出 篤
1 はじめに
2 「預合いの罪」の意義
3 「資本充実の原則」の変容と預合いの罪
4 株主保護の観点から見た預合いの罪
5 [補論]見せ金について
第2章第2節 資本制度の変容と出資行為の規律としての罰則規定
:預合いと見せ金
――刑事法の視点から……………………………川崎友巳
1 はじめに
2 預合いの罪の保護法益
3 「仮装の払込み」の包括的な犯罪化?
4 預合いの払込み効力有効説と預合いの罪
5 預合いの罪と他罪との関係
6 仮装の払込みの刑事規制の今日的意義
不公正ファイナンスへの対応
7 むすび
第2編 会社法の規制対象の変容と刑事法によるエンフォース
第1章 「株主権行使に関する利益供与」に関する規律
――会社法の視点から………………………………久保田安彦
1 はじめに
2 立法の経緯と規定の趣旨
3 近時の裁判例の動向
4 学説における議論状況
5 刑罰規定との連動性
第2章 「株主権行使に関する利益供与」の規律
――刑事法の視点から…………………………………松宮孝明
1 会社法970条の立法趣旨ないし保護法益
2 従来の会社法970条(商法旧497条)適用例
3 従来の会社法120条(商法旧294条ノ2ないし旧295条)
適用例および適用否定例
4 会社法970条による罰則の適用範囲
5 会社法970条の削除と同法968条の改正?
第3編 会社法規範のエンフォースの実際
第1章第1節 刑事法によるエンフォース
――刑事行政の実際……………………………大鶴基成
1 経済犯罪の中で会社法規範の罰則適用についての刑事行政は
どのような体制がとられているか
2 会社法規範の罰則適用にあたって刑事行政の実務は謙抑的に
行なわれているか
3 犯罪の成否の限界が明確でない場合の捜査・訴追機関の方針
4 保護法益侵害の有無・適度の検討は、会社法規範違反の捜査
着手や訴追の決定に謙抑性持たせる上で有用であるかどうか
5 不正経済事案について捜査・訴追する事件を適正に選定して
行くために捜査・訴追機関はどのような点に留意すべきか
第1章第2節 刑事法によるエンフォース
――刑事行政の実務動向に対する理論的な評価
………………………………………………品田智史
1 はじめに
2 刑事罰によるエンフォース
3 特別背任罪の解釈と訴追状況
4 むすびにかえて
第2章 行政罰によるエンフォース
――過料(行政罰)によるエンフォースの意義………松井智予
1 行政罰の対象とその特徴
2 過料事件の特徴
3 会社法罰則の保護対象の変遷
4 エンフォースメントの実効性と残された課題
第3章 民間企業による上場ルール策定とエンフォース………静 正樹
1 はじめに
2 取引所規制の特徴
3 取引所規制のエンフォースメント
4 結び
第4編 会社の規律方法の重層化と刑事法によるエンフォース
第1章第1節 特別背任罪と図利目的なき経営判断の刑事責任
――会社経営の規律の重層化と刑事罰の規律/
会社法の視点から…………………………松井秀征
1 課題の設定
2 許容されるリスクと許容されないリスク
3 取締役による裁量的判断のコントロール
第1章第2節 特別背任罪と図利目的なき経営判断の刑事責任
――会社経営の規律の重層化と刑事罰の規律/
刑事法の視点から…………………………伊東研祐
1 はじめに
2 会社経営の規律と刑事罰の使用
3 図利加害目的なき経営判断と刑事罰
4 おわりに
第2章 企業コンプライアンスと刑事罰のエンフォースメント
――実務の視点から……………………………………山口利昭
1 企業コンプライアンスの現代的意義
2 企業の自律的行動を促すエンフォースメント
3 私人間の利害調整規定の活用について
4 コンプライアンス時代の刑事罰適用の道
5 会社法無への刑事罰適用の課題――コンプライアンスの視点
第3章 内部統制の進展と刑事法の役割…………………………今井猛嘉
1 内部統制の意義と刑事法
2 刑事責任限定要素としての内部統制
3 おわりに
第4章 会社への制裁と取締役の会社に対する損害賠償責任
……………………………………………………………笠原武朗
1 はじめに
2 責任を負う取締役
3 責任の範囲に関する問題――会社に対する金銭的制裁
4 責任の範囲に関するその他の問題
5 免除・和解による責任の範囲の修正
事項索引
判例索引
初出一覧
編者・執筆者紹介
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