1960年代の初め、ハロウィンの夜…
テキサス州ハンツビル刑務所から二人の凶悪犯が脱獄した。ソリの合わないこの二人…ブッチ・ヘインズとテリー・ピューは、移動用のクルマを手に入れるため住宅街に侵入。だが住民たちに見つかり、慌てて一人の男の子を人質にとってしまう。それはフィリップ・ペリー、8歳。エホバの証人の敬虔な信者であるシングルマザーに育てられた、孤独な少年だった。三人は州境に向け逃走するが、道中、雑貨店に立ち寄ったとき、フィリップに手を出そうとしたテリーをブッチが射殺してしまう。幼い頃、父に虐待を受けていたブッチは、子供に手を上げる人間を許せなかったのだ。雑貨店の前で、「まだついてくるか?」とフィリップに問うブッチ。フィリップは静かに頷き、ブッチと共にクルマに乗り込んでしまう。消えてしまった父の面影を、心優しいブッチに重ねていたのだ…
「パーフェクト・ワールド」。この世がもし完璧であったなら、ブッチとフィリップの旅はハッピーエンドだったかも知れない。いや、ブッチは犯罪者でもなく、違う人生を送っていたのかも…感慨深いラストを迎えるイーストウッドの映画です。
この作品のテーマは「アメリカの父性」。新車にこだわるパパ、孫を殴る祖父、そこにはアメリカの典型的な父親像が描かれました。ですが皮肉なことに、感動的なのは血の繋がらない父…すなわちフィリップに対するブッチであり、ブッチに対するレッド署長なんですね。この二組の「父子関係」の描写がそのまま追跡劇となっているという上手い構造なんです。特殊車両ネタなど、ユーモアも交えて、じっくり見せる逸品ですね。公開時に観て、LDでも所有していたのでDVDは未購入なんですが、買ってもいいかもね(笑)。ありがとう、NHK
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