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2015年10月12日18:47

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マラリア・メモ

4 種類あるマラリア原虫のうち,生命に危険のある熱帯熱マラリア原虫は世界中に広く分布し,かつ最
も代表的な抗マラリア薬であるクロロキン,メフロキン,サルファドキシン+ピリメタミンの合剤ファ
ンシダールⓇなどに耐性を示し,マラリア研究者を悩ませてきた。これに対して中国の古墳,馬王堆から
発掘された古文書の解読により発見された漢方薬青高素(チンハオス,アーテミシニン)の分析,合成
によって開発されたアーテメータ,アーテエータ,アーテスネイトなどを薬剤耐性熱帯熱マラリアの流
行地,タイ,ミャンマー,アフリカなどで単独で使用した成績をまず紹介した。いずれも即効性があり
熱帯熱マラリア原虫の速やかな消失が認められたが,単独使用では数%の再燃例が認められることを確
認した。
次の段階で上記薬剤に補強的に作用するメフロキンとの併用療法,あるいは補助的に作用するアモダ
イアキン,アトヴァコン,プログアニル,トリメトプリム,ルメファントリン,ダプソンなどとの併用
療法,あるいは合剤,座薬の開発の現状を分析・報告した。患者が再感染しやすい環境にあり,「再燃」
と分類される症例が必ず数%出てくる現状では,新薬の効力が持続することを望んで止まない。
日本国内でもアーテメータ+ルメファントリンの合剤(リアメットⓇ,コアルテムⓇ)がマラリア研究
班により輸入・保管されている。  
抗マラリア薬の開発は細菌に対する抗生物質の開発と同じ
く,新薬の発見とそれに対する耐性熱帯熱マラリア原虫出現
の繰り返しである。クロロキン,葉酸代謝阻害薬とサルファ薬
の合剤,次いでメフロキン耐性株の出現にマラリア研究者は
悩まされてきた。これに対する朗報として中国の漢方薬青高
素(チンハオス)の分析からアーテミシニン(artemisinin)の
化学構造が解明され,その誘導体が多数開発された1,2)。
I. アーテミシニンとその誘導体に対する
一般的な評価と用法
セスキテルペン・ラクトン過酸化物に属するアーテミ
シニン(青高素)とそのC10 位の側鎖を変えてつくられ
現在マラリア治療に使われているアーテミシニン,アー
テメータ(artemether),アーテエータ(arteether),アー
テスネイト(artesunate)の化学構造をそれぞれFig. 1
のI〜IV に示す。
薬剤耐性熱帯熱マラリア患者を対象とした治療報告は
アーテスネイト単独あるいは他薬剤との併用に関する論
文が最も多く,次いでアーテエータ,アーテミシニンの
順に多い。アーテメータは合剤として使われている。用
法は内服,注射および,坐薬である。
1.交差耐性の欠如
従来の抗マラリア薬との間に交差耐性はなく,クロロ
キン,メフロキン,スルファドキシン・ピリメタミン等
の薬剤に耐性の熱帯熱マラリア原虫に対して有効であ
る。試験管内試験ではアーテメータのIC50(50% 阻止濃
度)の平均値はクロロキン感受性と同耐性株に対してそ
れぞれ3.46 nM(mol)と2.80 nM であった3)。
多剤耐性熱帯熱マラリアが多いタイで,アーテスネイ
トを用いた試験管内実験ではすべての分離株が感受性で
あったが,タイ・ミャンマー国境地帯で分離された株は
タイ国内分離株より耐性が少し高かった。ダイハイドロ
アルテミシニンとアーテスネイトに対する感受性は相関
していた4)。
2.有効性
即効性があり,血液内熱帯熱マラリア原虫の減少が速
やかである。キニーネ耐性が認められている東南アジア
でアーテメータの効力が検討されたが,対象が重症患者
のため,両群の致死率に有意差はなかった5)。また,アー
テミシニンとアーテスネイト単独療法では再燃すること
を強調した論文がある6,7)。これは少数の熱帯熱マラリア
原虫が残存して再燃するが,薬剤の投与期間と用量が少
ないことが原因かは不明である。

3.一般的な用法
まずアーテスネイトを使って流血中の熱帯熱マラリア
原虫を可能な限り殺し,残存する原虫を作用時間が長い
メフロキンで駆除する。タイで血液の5% が感染した多
剤耐性重症熱帯熱マラリア患者に対し,アーテスネイト
単独では6 週間後の再燃率26% であったが,アーテスネ
イトを経口的に5 日間(総量12 mgkg,第1 日は4 mg
kg,第2〜5 日は2 mgkg)与え,メフロキンを第2 日か
ら計25 mgkg 併用することで,再燃率は6% に抑えら
れた7)。タイ西部でアーテメータとアーテスネイトの効力
の比較試験が行われ,両者とも急速な原虫の減少と早期
の解熱が認められたが,両群に再燃例があり,メフロキ
ンの併用と前者の適量の検討が行われている8)。
4.副作用
アーテメータは動物実験で脳幹細胞に変性を起こすこ
とが知られているが,大量の本薬剤使用後死亡した患者
の脳病変はキニーネ注射後に死亡した患者の病変と変わ
らず,アーテメータ特有の変化はなかった9)。また熱帯熱
マラリア原虫の実験的感染例で,アーテメータ・ルメ
ファントリンの合剤(RiametⓇ)を,0,8,24,36,48
と60 時間に計6 錠与えて治療した。その前後に聴力検査
を行い何等の異常を認めなかった10)。別の研究でも79
人にアーテメータあるいはアーテスネイトを与え,その
前後の聴力検査で全例異常を認めなかった11)。
アーテミシニンでは時々血色素尿が起きることが報告
されている。多剤耐性熱帯熱マラリアが流行しているカ
レン族の居住地域ではMAS3 療法と呼ばれる25 mgkg
のメフロキンとアーテスネイト(毎日4 mgkg を3 日
間)の治療が一般的であるが,アーテスネイトを経口投
与後の副作用2 例が報告されている12)。
第1 例は26 歳男性で,4 年前にMAS3 療法を受けて
いる。今回はアーテスネイト投与10〜20 分後全身性掻痒
感,蕁麻疹様発疹,低血圧(8040)を起こし,デキサメ
サゾンとアドレナリンの注射で軽快した。翌日同じ治療
で同様の発作が起きた。
第2 例は33 歳男性で4 mgkg のアーテスネイトを投
与11 時間後興奮状態,全身性掻痒感,胸痛,呼吸困難を
起こし,喘鳴と全身性蕁麻疹が発生,マレイン酸クロル
フェニラミンとデキサメサゾンで一時軽快したが,虚脱,
意識消失を起こし,アドレナリンとデキサメサゾンで軽
快した。この患者は2 年前にもMAS3 療法を受けて全身
性蕁麻疹を生じ,入院したことがある。
アーテメータ・ルメファントリンの合剤で治療を受け
た患者が溶血性貧血で入院してきた。おそらくこの合剤
のためと思われるが,最近同様の溶血性貧血患者が増加
している13)。
5.作用機序
アーテミシニンは細胞内Ca2+イオンの貯蔵に変化を
もたらして抗マラリア作用を発揮する14)。アイソトープ
をラベルした研究でアーテスネイトは血漿よりは赤血球
により強く結合することがわかった。マラリア原虫が赤
血球の寄生虫であることを考えると本薬剤が優れた抗マ
ラリア作用を示す裏づけとなるであろう15)。
6.薬剤耐性株の出現
試験管内実験でアーテメータ耐性の熱帯熱マラリア原
虫がフランス領ギアナで確認された。耐性株が広がらな
いよう,本薬剤の市販を厳重に規制する必要がある16)。
II. アーテミシニンとその誘導体の単独療法
1.アーテスネイト単独療法
カレン族の妊婦にA)アーテスネイトを毎日体重kg
あたり2 mg,7 日間与えた群と,B)キニーネを体重kg
あたり10 mg,8 時間ごととクリンダマイシンを5 mgkg8 時間ごと7 日間与えた試験では42 日後の治癒率
は両群100% であった。生殖母体の出現はA 群の方が少
なく,7 日間の治療費はA 群の方が安かった17)。
アーテスネイト単独療法で再燃が起きるのは,感染原
虫の薬剤耐性より感染原虫の量によるらしい18)。
2.アーテスネイトの単独静注療法
重症で昏睡状態になった患者にアーテスネイトを初診
時体重kg あたり2.4 mg,以下同様に12,24 時間と,そ
れ以後は毎日1 回,経口内服ができるようになったら,
体重kg あたり2 mg を与え7 日間治療した。対照群には
キニーネを静注,最初20 mgkg を4 時間かけて注射,次
いで10 mgkg を2〜8 時間かけて3 回注射,経口内服可
能になったら,10 mgkg を8 時間ごとに与え計7 日間
治療した。死亡率はそれぞれ14.7%(107730)と22.4%
(164731)であったが有意差はなかった19)。全赤血球の
15% に熱帯熱マラリア原虫が感染し,強度の黄疸,腎不
全,意識障害を起こした重症例に静注用アーテスネイト
(FalcinilⓇ)2.4 mgkg を5 分間かけて注射,血液濾過を
36 時間行った。さらに10 時間後1.2 mgkg のアーテス
ネイトを静注した。感染赤血球は10 時間後には4%,24
時間後には0.001%,48 時間後には0% になった症例が
報告された20)。
3.アーテエータ
アーテエータ(beta arteether とalphabeta arteether)
を,それぞれ150 mg 含有液を1 日1 回3 日間筋
注して経過を観察した。治癒率はそれぞれ91% と97%,
原虫の消失時間もともに速やかで両者とも熱帯熱マラリ
アの治療に使用できる21)。
beta アーテエータの注射液(artemotilⓇ)は局所からの
吸収が悪く,alphabeta アーテエータを含むアルテミシ
ニン薬に比べて効果が優れているとはいいがたい22)。
4.アーテミシニン系抗マラリア薬
アーテミシニン系抗マラリア薬単独療法をタイの妊婦
に試みた。彼らは以前キニーネやメフロキン治療を受け,
再燃した例で今回アーテスネイトあるいはアーテメータ
を単独で用いたが,不成功に終わった例は6.6% であっ
た23)。同様な研究はオランダからも報告されている6)。
III. 坐薬の開発
マラリア流行地では小児の場合,脳症,腎不全など重
症にならないと患者を医療機関につれてこない傾向があ
る。重症と感知した時点で家族または看護士が治療を開
始して,医療機関に患児をつれてくれば治療のための時
間稼ぎができる。予備的研究で,アーテミシニンを経口
と坐薬で与えた場合の血中濃度を調べたところ,後者は
前者の約30% であったという報告がある5)。
坐薬は1 個あたり40 mg のアーテスネイトを含み,小
児には体重kg あたり10 mg の坐薬を与えると原虫数の
著明な減少が認められた24)。毎日体重kg あたり15 mg
のアーテスネイト坐薬を3 日間とメフロキンを計25
mgkg 与える群と,アーテスネイト体重kg あたり6 mg
354 日本化学療法学会雑誌S E P T. 2 0 0 7
を経口的に与え,メフロキンを同様に与える実験をタイ
で行い,前者で92%,後者で100% の治癒効果を得た25)。
製品名はplasmotrim rectocapsⓇ(Mepha Ltd)で,アー
テスネイト20 mg あるいは200 mg を含む。
成人を対象に,アーテスネイトを含む坐薬を1 回200
mg,1 日3 回,3 日間治療を行い,血液からの速やかな原
虫消失を来した。次にメフロキンやドキシサイクリンの
追加療法を行い100% の治癒効果が得られた26)。
同様の試験はウガンダの小児を対象にした試験で27),
坐薬を7 日間与えた群と,キニーネを葡萄糖に溶解して
同じ期間与えて比較したところ,死亡率がそれぞれ12%
(651)と19%(1052)でキニーネの群の方が高かった
が有意差は認めていない。
IV. アーテミシニン各種誘導体と他薬剤との併用療法
1.アーテスネイトと他薬剤との併用療法
熱帯アフリカでは経済的理由で効力の下がったクロロ
キンとスルファドキシン・ピリメタミンを使うものが多
い。ウガンダではクロロキン系のアモダイアキン(Fig.
2 の2)10 mgkg を2 日間,5 mgkg を1 日間の計25
mgkg とアーテスネイト(4 mgkg,1 日1 回3 日間)の
併用で従来にない効果をあげた28)。
2.アーテスネイト+ダプソン+プログアニル3 者併
用療法
タイにおける研究ではアーテスネイト4 mgkg を1
日1 回3 日間に,ダプソン(Fig. 2 の4)150 mg とプログ
アニル(Fig. 2 の5)480 mg を3 日間内服させた結果,
アーテスネイトを追加することでダプソン+プログアニ
ルの効果を非常に高め熱帯熱,三日熱マラリアそれぞれ
44 人と37 人すべて6 日以内に血液内原虫が陰性になっ
た29)。ダプソンは抗leprosy 薬である。
3.ダイハイドロアーテミシニン(DHA)+ピペラキン
(PQ)
ルワンダの小児を対象にした試験で,DHA-PQ(アルテ
キンⓇ)あるいはアモダイアキン(Fig. 2 の2)とアーテス
ネイトの治療を受けた者は,アモダイアキン+スルファ
ドキシン・ピリメタミン療法を受けた小児より高い治癒
率を示した30)。またDHA-PQ はアーテスネイト+メフロ
キンの併用群より有効でかつ廉価であるという報告もあ
る31)。
4.DHA+TP+PQ 3 者併用薬(TP=トリメトプリム,
Fig. 2 の6)
1 錠あたり2 水素アーテミシニン32 mg+トリメトプ
リム90 mg+ピペラキン320 mg の錠剤を2 錠ずつ,0,
6,24,48 時間に計8 錠,15 歳以下には毎回1 錠ずつ与
えて治療効果をみた研究がヴェトナムで行われ,99%
(164166)の治癒率が得られた32)。
5.アーテスネイトとメフロキンの併用
メフロキンの効力が次第に低下してきたタイのカレン
族における治療実験ではメフロキンを25 mgkg の常用
量に加えて,アーテスネイトを毎日4 mgkg,3 日間併
用して100% の治癒率をあげている33)。
ミャンマー西部における実験では,アーテスネイト4
mgkg を第1,第2,第3 日に,計12 mgkg 与え,メフ
ロキンは第2 日に15 mgkg,第3 日に10 mgkg 計25
mgkg 与えた群に再燃がなく,同地域では標準的な治療
法であるとしている34)。同様な報告はタイの他の地域で
も経験されている35)。
クロロキンとスルファドキシン・ピリメタミンではと
もに50% 治療不成功のペルーのアマゾン河上流地域で,
メフロキン単独(15 mgkg)あるいは同量のメフロキン
にアーテスネイト(4 mgkg を3 日間)併用群では28
日の間に再燃例がなく,また生殖母体の出現率が併用群
ではメフロキン単独群より少なかった36)。
すでにクロロキンあるいはスルファドキシン・ピリメ
タミンに耐性株が流行している地域で,経済的理由でこ
れら薬剤にアーテスネイト(4 mgkg,3 日間)を併用し
ても,治療効果はあげられなかった例がアフリカ諸国か
ら報告されている。
6.アーテメータ+メフロキン
流血中からの原虫の消失率はbeta アーテメータの方
がキニーネより優れているので,アーテメータとキニー
ネの併用よりはアーテメータとメフロキンの併用療法を
オランダでは薦めている37)。
7.アーテスネイト+アトヴァコン+プログアニル
多剤耐性熱帯熱マラリアに感染したカレン族の妊婦に
アーテスネイト(4 mgkgd)+アトヴァコン(Fig. 2
の3,20 mgkgd)+プログアニル(Fig. 2 の5,8 mg
kgd)の3 者併用療法を行い,27 人中26 人が完治し
た38)。
V. 合剤の開発
CoartemⓇ(Novartis)は1 錠中にアーテメータ20 mg
とルメファントリン(Fig. 2 の1)120 mg を含む合剤39)で
あり,RiametⓇとして発売されている地域もある。日本に
も輸入され,厚生労働省研究班が保管している。バング
ラデシュの山岳地帯からの報告ではCoartemⓇあるいは
アーテミシニンとメフロキンの併用を基本的な治療法と
して薦めている40)。アフリカ大陸でも同様の併用療法が
有効かつ副作用が少なかったとする報告がある41)。体重
5 kg 以上の小児には全経過中4 錠より6 錠与えた方が
治癒率が高い42)。
ガンビアにおける実験では体重15 kg 以下の小児に
は,0,8,24,48 時間に1 錠ずつ,体重15 kg 以上の小
児には同時間に2 錠ずつ与えた(アーテメータとルメ
ファントリンの総量は後者ではそれぞれ160 mg と960
mg となる)。ルメファントリンはベンフルメトールとも
呼ばれている43)。なお本薬剤による心障害に関しては150
人の患者における経験で心配なしと報告された44)。日本
の症例では45)1 回4 錠12 時間ごとに計6 回与えて治癒した。
多剤耐性のあるタイでの実験でRiametⓇを1 回4 錠,
0,8,24,48 時間に計4 回与えた群と,メフロキン(初
回250 mg×3 錠,8 時間後250 mg×2 錠,計1,250 mg)群
の比較実験を行った。治療開始後28 日目の治癒率はそれ
ぞれ69.3% と82.4% で,メフロキンの方が優れていた
が,初期の無性原虫消失時間は43 と66 時間,解熱時間
は32 と54 時間,有性原虫消失時間は152 と331 時間で,
RiametⓇの方が優れていた。本薬剤は多剤耐性熱帯熱マ
ラリアのあるタイでは有効であるが,今後は用量を増や
す研究を行えば最終治癒率がメフロキンより優れた効果
が得られるであろう46)。
タイにおける別の実験では,1 日2 錠,3 日間の治療,
28 日間の追跡で64 人中61 人(95%)の治癒率が得られ
た46)。その他この合剤を計4 錠と6 錠(1 日2 錠3 日間あ
るいは1 日目のみ2 錠,次いで1 錠ずつ5 日間)の群では
97% と99% の治癒率が得られた47)。
VI. 偽薬の問題について
最も治験報告が多いアーテスネイト含有製品のうち,
内服用薬剤を東南アジア(ヴェトナム,カンボジア,ラ
オスとビルマ)の薬品販売店で2000〜2001 年に購入して
調べたところ38% が,表示された量より少ない量しか
入ってなく,実際に指示どおり内服して死亡した例が報
告されている。特に中国桂林薬品会社製品に偽物が多
かったとしている48)。また,アーテスネイトの含量が表示
の20% しか入ってなく,これを内服して死亡した例も報
告されている49,50)。このように東南アジアへの旅先で,医
師の処方箋なしで購入できるアーテスネイト製品を安易
な気持ちで購入するのは危険である。実際に使用する際
には製造社名を確認する必要がある。
VII. 結び
�.◆璽謄潺轡鵑魏蹴愿�に操作して合成したアーテミ
シニン,アーテメータ,アーテエータ,アーテスネ
イトをそれぞれ単剤で使った場合の治療成績を述べ
た。いずれも即効性で熱帯熱マラリア原虫を早期に
駆除,解熱効果も速やかである。しかし再燃例がみ
られるのでその効果をあげ,耐性株の出現を抑える
工夫が必要になっている。
�▲◆璽謄潺轡縫鵑陵尭蛎里梁礁�剤との併用治験成績
を紹介した。単独で使うと再燃しやすいので,それ
を防ぎかつ耐性株の出現を抑える試みである。併用
した薬剤はルメファントリン,アモダイアキン,ア
トヴァコン,ダプソン,トリメトプリム,プログア
ニルなどである。日本国内ではマラリアの治療研究
班がアーテスネイト(単剤と坐薬)およびアーテメー
タとルメファントリンの合剤RiametⓇを輸入してい
る。メフロキンなどの代表的抗マラリア薬に耐性の
熱帯熱マラリア患者が入院したら使用する機会があ
ろう。なお東南アジアの旅行先で処方箋なしに薬局で購入すると,表示数より容量の少ない偽薬がある
ので要注意である。







http://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/05505/055050351.pdf
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