1944年、ヨーロッパ。いまだドイツ軍の猛攻に悩まされているアメリカ陸軍の、とある中隊の物語・・・
トーチカ攻撃を指揮した小隊長のコスタ中尉は、基地に戻っても怒りが収まらないでいた。作戦中に大事な部下たちを突撃させたのはいいが、中隊長のクーニー大尉が援護歩兵を送ってくれなかったために全滅させてしまったのだ。クーニーはいつも、「俺が援護するから、とにかく目標を攻め落とせ」の一点張りで、そのくせ、いざ戦闘になると恐怖に襲われ、銃後に隠れ部下の派遣も躊躇してしまうのである。おかげで、先陣を切って攻撃を始めるコスタやウッドラフ中尉の小隊はどんどん兵を失っていた。さすがにクーニーの指揮に疑問を持ったウッドラフは、クーニーの直属の上官・バートレット大佐にクーニーの更迭を申し入れるが、大佐はそれを拒絶する。クーニーと大佐は幼なじみの仲なのである。「ドイツ兵の降伏が続いているし、そろそろ終戦だと思う。戦闘もそんなに無いはずだから、我慢しろや」と言う大佐に、ウッドラフは抵抗できなかった。
中隊に、新たな任務が与えられた。進撃拠点である<ラネル>という町を占拠しろというのだ。情報によると、占領していたドイツ軍はすでに退却しており、抵抗もほとんど無いはずだという。そこでクーニーは、いつもの通りコスタ隊に先行させることにする。コスタは、敵が万一猛反撃してきたらどうするんだと詰め寄るが、「大丈夫、援護部隊を送るから」とクーニーはいつもの調子だ。ラネルに入るには、見晴らし良く遮蔽のない坂を下って行かなければならない。町から機銃掃射でも喰らえばひとたまりもないはずだ。コスタはクーニーの言葉を信用できなかったが、上官の命令とあらば仕方がない。無線連絡を絶やさないようにして、要請あれば必ず援護を送るようクーニーに約束させるのが関の山であった。コスタは、腹心の部下であるトレヴァー軍曹、陽気なバーンスタイン上等兵ら数十名の面々を率いてラネルに向かう坂を下っていく。が、危惧したとおり、町にはドイツ軍の兵站が出来ており、機銃掃射の嵐の中を進むハメになってしまった。結局、町入口の小屋にたどり着いたのはコスタ、トレヴァー、バーンスタインを含めてたったの五人。コスタは無線で基地を呼び出し援軍要請を行うが、案の定、クーニーはその無線に無視を決め込んだ。待機中のウッドラフが何とかクーニーを説得するが、「そんなに予想外の兵力なら、援軍送ってもムダじゃないか」という返事。あきれかえるウッドラフだが、そんな最中でも、コスタたちに新たな危機が迫っていた。ドイツ軍はラネルに戦車/装甲車を何台も隠し持っていたのである。戦車の砲塔に睨まれて、ただ死を待つばかリのコスタたちだったが・・・
アルドリッチ監督の代表作「攻撃」。先日廉価で出たので購入しました。あまりに無能な上官を描いたことで陸軍の怒りを買い、軍の撮影協力が全く得られなかったどころか、上映禁止の危機すらあったイワクつきの作品。それだけに、鮮烈な描写に驚かさせれます。アルドリッチって、『がんじがらめの体制や状況から脱出して、自分を押さえ込む大きな力に「ざまあみろ」と舌をだす映画』を撮るのが特徴なんですが、これもまさにそう。コスタの執念とクーニーの異常さを通して、戦争の恐怖を感じることができました。この時期、戦争映画を多く観るようにしています。「攻撃」は「戦争のはらわた」や「突撃」につながる反戦映画の一本として、ぜひ見ていただきたいですね。ジャック・パランスの凄みある表情、エディ・アルバートのふてぶてしさ、忘れがたいものがありますよ。
(通算983タイトル)
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