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2015年06月29日17:00

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館山奇跡のカムバック!3度のトミー・ジョン手術乗り越え99球熱投



 ◇セ・リーグ ヤクルト6―4巨人(2015年6月28日 神宮)

 奇跡のカムバックだ。ヤクルトの館山昌平投手(34)が28日、巨人戦で814日ぶりに1軍のマウンドに上がった。昨年4月に3度目の右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、長いリハビリを経て復帰した右腕は、5回途中4失点で降板したが、復活を告げる99球を投じた。チームも元エースの復帰を祝うような逆転勝利。計7度の手術を経験し、全身に151針の縫い痕が残る男が、3位に浮上したチームのエネルギーとなる。

 今季最多の3万1531人で埋まった神宮球場のファンの視線は、マウンド上の背番号25に注がれた。万感の思いを込めた館山の第1球は144キロの直球。ストライクのコールに、再び沸いた。

 「2年前から時が止まっていた。戻ってくることができて幸せ」

 先頭の長野は3球三振。その後、1死満塁のピンチを招いたが、高橋由、堂上を打ち取る。かつて5年連続2桁勝利を挙げた右腕はホッとした表情でベンチに下がった。

 1軍での登板は、13年4月5日のDeNA戦(神宮)以来。その後、2度目のじん帯再建手術を受けたが、復帰を急いだ右腕を待っていたのは再断裂だった。昨年4月に3度目の再建手術。これまで受けた手術は7度、体には151針の痕が残る。そのたびに復活を遂げてきたが、昨年4月の群馬県館林市内の病院に行く前日。陽子夫人とリフレッシュのため温泉へ出掛ける車中で「このリハビリをもう一回やるのはつらい」と漏らした。手術後も体にはアレルギーが出て、逆流性食道炎になったこともあった。

 苦しい中の支えは、ファンの声と同僚の存在だった。リハビリ中の昨年「野球選手なのに、一番球場で試合を見た」と振り返る。ファンからの温かい「待っているよ!」の声に「ここに帰ってこないと」と気持ちを奮い立たせた。2軍では右肩手術からの復活を目指す由規らが、長いリハビリ生活を送っている。館山は、肘のプリントに手術をした数だけ「☆」を入れた「トミー・ジョンTシャツ」を作製して配り、励まし合い、常に前向きに取り組んできた。

 勝利投手の権利を目前にした5回無死一、二塁から高橋由に同点3ランを浴び、続く堂上に二塁打を許し降板した。「先発としては駄目でしたが、打たれるまで腕を振れたのが(リハビリ中の)次の選手につながると思う」。打線が逆転し、6―4の8回1死からは守護神バーネットが投入された。「泣いちゃいました。みんな必死に勝ちに行ってくれて」と、ベンチ裏に下がりタオルをかぶった。

 今後は一度登録を抹消され、10日以上の間隔を空けて先発する。「安打も四球も多かったが、12個のアウトを取れたことは事実」。不屈の精神で帰ってきた館山の99球は、1勝と同じ価値がある。(町田 利衣)

 ▼ヤクルト・真中監督 まだ彼本来の出来ではないが、ピンチをしのいで粘り強く投げてくれた。

 ▼ヤクルト・高津投手コーチ 直球、変化球を操り切れていない部分はあった。間を空けてもいいから、残りのシーズンでチームを離れることなく(先発として)回ってくれれば。




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